ミャンマー民主化の象徴

 
今日はこの話題を極々簡単に…

画像

 ブログランキングに参加しています。応援クリックお願いします。

11月8日にミャンマーで総選挙が行われ、アウン・サン・スー・チー氏が率いる野党・国民民主連盟(NLD)が大勝する見込みだと伝えられています。

まだ正式は発表まで数日かかるようなのですけれども、投票日に全国で実施された出口調査によるとNLDは8~9割の支持を集め、NLDの独自集計でも改選議席の8割程度を押さえているようです。最大都市ヤンゴンでは開票作業が終了した16議席中、15議席を押さえたようですから、出口調査の信頼性はそれなりにあるものと思われます

また、今回の総選挙にはEUやアメリカ、日本など約30ヶ国・地域が選挙監視員を派遣し、NGOを含め約1万人が選挙の公平な実施をチェックしています。

例えば、各投票所に48時間消えない特殊な紺色のインクを配備して、投票を済ませた有権者の小指に目印をつけ、二重投票による不正を防止するなどの処置です。有権者はインクの目印が物珍しかったのか、街中で、挨拶代わりに指を見せ合う姿があちこちで見られたそうです。

各国から監視団によると「選挙は予想以上にスムーズに実施された」との評価が定着しているとのことで、開票での誤魔化しもなさそうです。

アウン・サン・スー・チー氏は9日午前ヤンゴン市内の党本部で、集まった支持者らを前に「状況は皆さんがご存じの通りだ」と事実上の勝利宣言をしました。

一方、政権与党、連邦団結発展党(USDP)のテイ・ウー党首代行は、首都ネピドーで記者会見を行い「我々は敗北を受け止めなければならない」と敗北した選挙区が、勝利した選挙区より多いとの独自集計の結果を発表し、「選挙結果は国民の決断であり、受け止めなければならない。勝敗にかかわらずミャンマーに貢献したい」と敗北宣言をしています。

今回の総選挙は2011年春の民政移管後初のもので、国会の全664議席の内、軍人議員の議席などを除く491議席を争ったのですけれども、NLDの独自集計通り、8~9割の議席を獲得したとすると、392~441議席を取ることになり、余裕で過半数を超えますね。要するに政権交代するということです。

ミャンマーについては以前「ミャンマーの民主化と焦る中国」、「麻生副総理のミャンマー訪問と『自由と繁栄の環』」のエントリーで取り上げたことがありますけれども、民主化への動きが強まるに従って、西側諸国による経済制裁の解除や投資の話が出てくるようになってきています。

2011年の段階では、アメリカはミャンマー政府に対して、法制度を改めて、野党の政治参加に道を開くなど「民主化への幅広い行動が示されれば、アメリカ政府としても前向きな対応を検討する」とアプローチしていたのですね。その意味では、もしも、今回、野党NLDが大勝して政権交代ともなれば、「ミャンマーの民主化」の象徴的な出来事として扱われるようになると思いますね。

実際地政学的にみてもミャンマーが西側か中国側につくかは大きいですからね。昨今の南シナ海情勢をみれば、ベトナムと並んでミャンマーも重要なポイントになるのではないかと思いますね。

この記事へのコメント

  • タナッキー

    彼女の顔には善意が感じられず、ミャンマーを愛しているようにも見えません。独裁者の誕生によりミャンマー国民が苦難の道へ流されないことを祈ります。
    2015年11月10日 12:58
  • 路人甲

    実際にスー・チー氏に政権担当能力があるのかどうか…。日本の民主党のようになりはしないかと心配です。これだけはやってみなけりゃわかりませんが。
    何はともあれ、ミャンマーの人たちには幸せになってほしいです。
    2015年11月10日 13:47
  • TAMIDA☆☆

    民主活動家程胡散臭い物は無い。
    ノーベル平和賞が他のノーベル賞に比べ著しく価値が無いのは、時の情勢や政局が受賞に与える影響が多いからで、民主活動だけが対象なら尚更の事先が予測されて無い、其の場の政局、気分だけが優先されての受賞と成るケースが多い。

    その価値の無いノーベル賞で飯を食う外国育ちの権力者の娘が祖国を民主化とか笑わせてくれる。
    断言する。依り大きな権力に擦り寄るだけで仕事は出来ないだろう。
    結局民主化とは名ばかりで権力を奪取する有効な手段が民主化だったから利用したにしか過ぎないだろう。
    2015年11月10日 18:43

この記事へのトラックバック