今日は極極々簡単に…

11月17日、中国外務省の洪磊副報道局長は記者会見で、安倍総理がG20首脳会議の際の2国間会談などで、南シナ海での中国の動きに懸念を示したことに「日本は当事国ではないのに問題を絶えず宣伝している。中日関係の改善の流れに合わず、地域の平和・安定に役立たない」などと「不満を表明する」と述べました。
こういう中国の発言はいつものことですけれども、本当に「地域の平和・安定に役立たない」のであれば、中国以外の周辺国から同様の発言がでても可笑しくありません。けれどもそんな声は一向に聞こえてこない。
それどころか、ASEANは安倍総理の発言を歓迎していますね。
11月20日、安倍総理はマレーシアのナジブ首相と会談し、南シナ海問題の懸念を共有したことを確認し「議長であるナジブ首相の指導力に期待したい」と21日からのASEAN首脳会合での議論を促しています。
また、安倍総理はこの日、ベトナムを含め4ヶ国のASEAN首脳と会談し、22日までにブルネイとミャンマーを除くすべてのASEAN加盟国と首脳会談を開く予定としていますけれども、着々と国際世論を味方につけるべく手を打っています。
この問題では、やはり、アメリカと連携していることが大きく、19日の日米首脳会談では、中国の高圧的な海洋進出に対する懸念を確認し、自衛隊派遣についても「日本の安全保障に与える影響を注視しつつ検討する」とオバマ大統領に伝え、ASEAN全体を巻き込みながら中国を牽制する構えを取ろうとしていますね。
無論、中国はそれを黙ってみているはずがありません。
先日行われたAPECでは、南シナ海問題が議題にならないようにと、中国は議長国であるフィリピンに金をチラつかせて猛烈に圧力をかけて、議題にさせないことに成功しています。
日米の連携下では中国は軍事的に劣勢になるのですけれども、それに対抗する手段として経済的圧力でもってASEANを分断しにくるということですけれども、今のところこれくらいしか攻め手がないということですね。
逆にいえば、ASEANを日米の経済圏に組み込むことができれば、中国の攻め手を封じていくことにもなるのですけれども、それを今、TPPとAIIBでせめぎ合っていると見ることもできると思うのですね。
まぁ、ASEANはASEANで、日米と中国を両天秤にかけて、双方から利益を引き出すことも狙ってくることも考えられますけれども、シーレーンは日本の生命線ですからね。がっつりアプローチする必要があると思いますね。
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