ヨーロッパ諸国の難民受け入れは何時まで続くか
今日も極々簡単に…
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ヨーロッパでも難民の受け入れを制限する国が出てきました。
11月24日、スウェーデン政府はシリアなど紛争地から入国する難民らの数の制限を目的に、国境管理や難民申請者への対応を厳格化すると発表しました。また同日、ノルウェーのソルベルグ首相も同日、地元テレビの取材に、国境管理を強化すると明らかにしていますけれども、特にスウェーデンが難民流入厳格化したのは大きな政策転換だと思いますね。
というのは、スウェーデンは古くから移民受け入れ政策をとってきたからです。1950年代に外国人法に北欧市民特別条項を設け、まず北欧諸国の市民に自国の労働市場を開放し、60年代、いわゆる「黄金の60年代」に、フィンランド、 ギリシャ、旧ユーゴスラビア、トルコなどから労働移民が大量に流入しました。
その後70年代になって、スウェーデンの経済悪化に伴い、外国から労働者を雇用する前に、スウェーデン国内での募集によって求人 が埋められないかどうかを、国がチェックする「労働市場テスト」を導入しました。これによりスウェーデンへの労働移民は殆ど見られなくなりました。
その一方、難民に対しては保護の動きが高まり、「外国人法」改正など整備していったのですけれども、この制度では、スウェーデンにきた難民は、労働目的での外国人流入者と同じくスウェーデンで働くことが許可されるだけでなく、家族を呼び寄せることもできたのですね。
これにより難民が家族を呼び寄せるケースが急増し、一時期はスウェーデンへ移住する外国人のほとんどが難民という状態になったそうです。
中には、この家族呼び寄せ制度を逆手にとって、アフリカなどから何もわからない幼い子供だけを飛行機で先にスウェーデンに送り、その子が保護されスウェーデンの市民権を得たあとで、親として名乗り出て、自分も親権を楯に定住しようという輩もいたそうです。
まぁ流石にここまで悪質なものに対しては、後にスウェーデン政府が強制退去処分にするようにしましたけれども、ある難民審査官は、「私達は基本的に難民の亡命する権利を認めています。しかし難民審査の現実が難民だと主張する人々の90%以上が実は難民でもなんでもなく難民の保護制度を利用してスウェーデンでいい暮らしをしようと考えてる人々なのです。こういう人々の存在が、国際的な難民の保護システムを機能麻痺においこみ真に保護を必要としている人々にまで欧州各国が背を向ける一因をつくらせているのです」と偽装難民を批判したそうです。
偽装難民というと、最近話題のはすみとしこ氏の「そうだ、難民しよう」を連想しますけれども、何のことはない、とうの昔からスウェーデンで行われていたというわけですね。
そんなスウェーデンですが、経済成長と福祉社会を維持するために2008年に「労働市場テスト」を廃止。滞在期間の延長や、永住許可証や市民権の取得条件も緩和しました。労働目的の移民を再び受け入れ始めたのですね。
そして今回、難民の制限を始めた。スウェーデンのメディアによると、新たな申請者は一時的な滞在許可しか与えられず、家族の呼び寄せも難しくなるそうです。昔に逆戻りといえばそうなのかもしれませんけれども、一周回って元に戻った感があります。
果たしてこれが迷走が前進なのかは分かりません。しかし、やはりこの動きは他のEU諸国にも広がっていくような気がしますね。
実際、全ての難民を受け入れると気を吐いていたドイツですら、戦闘地域およびタリバン支配地域以外からのアフガニスタン難民は本国に送還する方針を出しました。
まぁ、メルケル首相は「われわれは各国の安全と難民どちらにも責任を負っている」と頑張っていますけれども国内外からも疑問の声が上がってきています。
ドイツの今後は予断できない状況にあると思いますね。
この記事へのコメント
名無し3
これまでは人権および人種が絡む繊細な要素が壁となって排斥につながる主張をできずにいた方々が命に関わる論を楯に主張されている有様は発言の自由が如何なる物かを感じずにはいられません。
ちび・むぎ・みみ・はな
欧米にあるのだから, 欧州が頑張るしかない.
しかし, 中世の時代にはイスラム海賊に人質の
身代金をとられ, ローマ法王の安全を保証するために
また身代金を貢いできた過去をしっかりと子孫に
教えてこなかったからでもあるだろう.
何故, 南欧には海岸と山上に城があり, 修道院は山奥に
高い壁をめぐらしていたのか.
何故, 免罪符が売られていたのか.
プロテスタントの国は免罪符を単に私欲のためのものだと
単純に割り切ったから過去のイスラムの恐怖を理解できない.
sdi
人口、経済力、そして中立政策の点から見ても、米、露、中、日、欧州諸国にも劣りますから難民受け入れに積極的になることで倫理面での優位を確保しようと考えたのでしょうね。