今日も極々簡単に…
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11月2日、中国外務省の華春瑩報道官は定例記者会見で、安倍総理が「南シナ海問題に対する国際社会の強い関心」に言及したことについて、「喜ばしいことに、南シナ海に強い関心を示す人たちがいる。…何を心配しているか分からない。…関係諸国は客観的かつ公正で理性的に当面の問題を取り扱うよう望む。中国側とともに平和と安定のため、建設的かつ責任ある役割を発揮してもらいたい」と暗に日本及びアメリカを批判しました。
報道によると、その際華報道官は「世の中は本来無事だが、凡人が自らこれを乱す」という意味の中国の諺を使ったそうなのですけれども、まぁ、諺は色々ありますからね。
あちらが諺を持ち出すのであれば、こちらも諺で返してやればいいと思いますね。例えば、『易経』の「治にあって乱を忘れず」辺りは使えるかもしれません。『易経』の該当する部分は次のとおりです。
君子安而不忘危 (君子安くして危うきを忘れず)御存知の通り、「君子は平時においても有事に備えるものだ」という意味ですけれども、中国が言った「凡人が乱す」という諺にこれを返してやれば、「凡人が平穏を乱すのはその通りだ。故に君子は平穏なときであっても、乱れることを忘れてはならないのだ」というメッセージになります。これは要するに、さてどちらが凡人なのでしょうか、という痛烈な皮肉になると思いますね。是非とも、菅長官辺りにコメントして戴きたいところです。
存而不忘亡 (存して亡ぶるを忘れず)
治而不忘乱 (治まりて乱るるを忘れず)
是以身安国家可保也 (ここを以って身安くして国家保つべきなり)
さて、アメリカ軍による「航行の自由」作戦は依然継続しています。現在、アメリカ軍は、南シナ海と日本海に2隻の空母を展開して中国を牽制しています。
ボルネオ島の北方海域に、空母「セオドア・ルーズベルト」と、海自の護衛艦「ふゆづき」が共同訓練を行い、朝鮮半島の東方の日本海には、空母「ロナルド・レーガン」を展開しています。
一部報道では、中国の空母「遼寧」が出航して、軍事演習を行うのではないかと報じられていますけれども、「遼寧」の母港は山東省の青島ですから、既に日本海に展開している「ロナルド・レーガン」に頭を押さえらえている形になります。
ですから仮に軍事演習を行うにしても、黄海から出てこれないのではないかと思いますね。それでも中国としては、「航行の自由」作戦に手も足も出ない状況を続けるわけにもいかないでしょうから、恐らくは、黄海内での軍事演習をやってお茶を濁すのではないかと思いますね。
そうして中国国内にアピールしつつ、対外的には時間稼ぎをする。先日「公海と同盟」のエントリーで、中国はASEAN諸国や日本などに離間工作を掛け、分断してからの各個撃破をしてくるだろうと予測しましたけれども、早速、日本の一部マスコミが中国の肩を持って、アメリカの批判を始めています。どうやら、ネットを見る限りでは、TBSの報道特集とサンデーモーニングが酷かったようですね。
でもまぁ、流石に昨今の状況下では、こういうあからさまな離間工作に引っかかる人も随分少なくなってきたかと思いますけれども、繰り返されると刷り込み効果もありますから馬鹿にはできません。故に、我々は、カウンター・インテリジェンスとしての幅広い情報に触れ、取捨選択する努力を怠ってはいけないと思いますね。
この記事へのコメント
kazusa
日本も当意即妙な返し方ができるとよいのですがそれを発信するマスコミがあれですから無理ですね。
中国の強みは民を装った官の発信力であり、逆に日本の弱みは敵の敵は味方なりとばかりに中韓の味方するマスコミですからね。