日米同盟調整グループ設置について

 
今日も極々極々簡単に…
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11月3日、日米両政府は自衛隊と米軍が平時から一体運用するための新機関「同盟調整メカニズム(ACM)」を設置しました。これは、自衛隊と米軍の活動に関する政策面の調整を担う「同盟調整グループ(AGC)」、運用面の調整を行う「共同運用調整所(BOCC)」、そして各軍種レベルが連携する「自衛隊・米軍間の調整所(CCCs)」で構成されるのですけれども、今年4月に改定された「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」に基づいて設置された組織です。ガイドラインでは次のように記されています。
Ⅲ. 強化された同盟内の調整

指針の下での実効的な二国間協力のため、平時から緊急事態まで、日米両政府が緊密な 協議並びに政策面及び運用面の的確な調整を行うことが必要となる。

二国間の安全保障及び防衛協力の成功を確かなものとするため、日米両政府は、十分な 情報を得て、様々なレベルにおいて調整を行うことが必要となる。この目標に向かって、日米両政府は、情報共有を強化し、切れ目のない、実効的な、全ての関係機関を含む政府 全体にわたる同盟内の調整を確保するため、あらゆる経路を活用する。この目的のため、 日米両政府は、新たな、平時から利用可能な同盟調整メカニズムを設置し、運用面の調整を強化し、共同計画の策定を強化する。

A.同盟調整メカニズム
持続する、及び発生する脅威は、日米両国の平和及び安全に対し深刻かつ即時の影響を 与え得る。日米両政府は、日本の平和及び安全に影響を与える状況その他の同盟としての 対応を必要とする可能性があるあらゆる状況に切れ目のない形で実効的に対処するため、 同盟調整メカニズムを活用する。このメカニズムは、平時から緊急事態までのあらゆる段階において自衛隊及び米軍により実施される活動に関連した政策面及び運用面の調整を強化する。このメカニズムはまた、適時の情報共有並びに共通の情勢認識の構築及び維持 に寄与する。日米両政府は、実効的な調整を確保するため、必要な手順及び基盤(施設及び情報通信システムを含む。)を確立するとともに、定期的な訓練・演習を実施する。
日米両政府は、同盟調整メカニズムにおける調整の手順及び参加機関の構成の詳細を状況に応じたものとする。この手順の一環として、平時から、連絡窓口に係る情報が共有され及び保持される。
まぁ、要するに、平時から自衛隊と米軍が連携して対処することができるように定めたものですね。まぁ、自衛隊と米軍の一体運用をスムーズに行うための組織といったほうが分かり易いかもしれません。

この「同盟調整メカニズム」の最大の特徴は、何といっても、平時から有事まであらゆる場面で有効なメカニズムだということです。まぁ、ACM内には運用面の調整を実施する"軍軍間の調整所"を設置するようですけれども、日米で偵察・監視の情報共有が為されるだけでも、全然違いますね。無駄がなくなる上にカバーする範囲も広がりますから。

特に国防に関しては、片務的であった日米同盟がようやく対等の同盟関係になろうとしているという意味では、象徴的なことではないかと思いますね。

今回のACM設置の翌日、安倍総理は米軍制服組トップのダンフォード統合参謀本部議長と官邸で会談し、安倍総理が「日米同盟の絆を強め、抑止力を高め、アジア太平洋地域の平和と安定をより確かなものにしていきたい」と述べたのに対し、ダンフォード統合参謀本部議長は「安全保障関連法の成立で、日米間でよりいろいろなことに取り組む機会を得られた。現在も大変いい関係を築いているが、さらに良い関係になっていく」と応じています

また、5日、菅官房長官は南シナ海での海上自衛隊の活動について、「我が国の安全保障に与える影響を注視し、今後、十分に検討していくべき課題だ」とする一方で「今、米海軍が行っている作戦に自衛隊が参加する予定はない」と、将来的に警戒監視活動などに参加する含みを持たせる発言をしています。

従って、今後、自衛隊の活動範囲が今以上に広がっていくことはほぼ確実だと思いますね。

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