産経加藤達也前ソウル支局長無罪判決
昨日の続きを極々簡単に……
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12月17日、産経の加藤達也前ソウル支局長のコラムが韓国の朴槿恵大統領の名誉を傷つけたとして名誉毀損の罪を問われた裁判で無罪判決が下りました。
ソウル中央地裁の李東根裁判長は「虚偽のコラムによって朴大統領個人の名誉を傷つけたが、公的な関心事として書かれたもので、誹謗する目的があったとは認められない」としたのですけれども、裁判長が判決文の朗読の前に、なんと、日韓関係を考慮し善処するよう地裁に求めた韓国外務省の文書を読み上げ、判決文で「韓国が民主主義社会である以上、言論の自由を重視し、公職者に対する批判は可能な限り保障されなければならない。コラムは言論の自由の保護の範囲にある。外信記者に対する表現の自由を差別的に制限できない」としました。
これは、明らかに政府の横槍があったことと、国際圧力を相当意識した判決だと自ら白状したも同然ですね。穿った見方をすれば、裁判所が自分達は悪くない、政府から言われたのでこうしたのだ、と言い訳というか、責任逃れをしていると言えなくもありません。
ただ、まぁ、それでも、当初は「執行猶予付き有罪判決」というのが大方の予想だったそうですから、それを考えれば、大きな前進だといえると思います。
今回判決を下した李東根裁判長は、ドイツの司法制度に関する著作があるなど、国際感覚に優れていると見られていて、実際、初公判の段階で検察・弁護側双方に、国家指導者への名誉毀損のケースが外国でどう対応されているのかについて、事例や判例を提示するよう要請したそうですから、最初から国際基準で考えていたと思われます。
昨日のエントリーでも述べましたけれども、国際基準に照らせば、誹謗目的で報じたというのは無理があり過ぎますからね。判決は当然の結果だとも言えます。
判決について、産経の加藤前支局長は「ソウル外信記者クラブ」で記者会見を行い、「当然の判決であって特別な感慨はない。韓国の検察は控訴することなく、本件を終結させることを希望する」と述べたのですけれども、無罪半判決になるかについては事前に予想できなかったそうです。
加藤氏によると、検察の取り調べ態度が「この被疑者は絶対に許さないということで、すべての供述を集めるという強い意思を持って取り調べをしているという強い印象を持った」とのことですから、本当であればトンデモないことですね。
加藤氏は、問題のコラムについて「最高権力者の重大事故当日の動静を題材としたものだ。公益性があることは明らかで、検察は最初から起訴を思いとどまるべきだった。……公人中の公人である大統領に関する記事が気に入らないと起訴するのは、近代的民主主義国家の姿としてどうなのか。いま一度考えてもらいたい」とコメントしていますけれども、これが全てでしょうね。
取り敢えずは、有罪判決を出して国際的批判を浴びることは回避したかもしれませんけれども、起訴した事実が消えるわけではありませんからね。
韓国外交部の当局者は「起訴による負担が取り除かれたため今後の韓日関係改善の契機になることを期待する」とコメントしたそうですけれども、空振りに終わると思います。
今年の夏、韓国人に盗難された対馬の仏像が一体だけ戻されましたけれども、それで日韓関係が改善したかといえばそうではないですね。ですから、これで関係改善するほど甘いものではないと思いますね。
この記事へのコメント
sdi
さらに斜め上な想像するなら、韓国で「産経支局長を無罪にしたんだから、日本は靖国『爆発音』犯を無罪にすべきだ」とか言い出す輩が出て、日本でも「靖国のような戦争賛美施設があるからこんな事件がおきたんだ」と同調する連中が現れる未来でしょうか。