南西諸島の軍事強化と沖縄工作

 
 更に昨日の続きです。

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 昨日のエントリーでは、アメリカによる台湾の武器売却を取り上げましたけれども、アメリカの対中国シフトはそれだけではありません。日本、オーストラリアとの連携を進めています。

 日本は先日の安保法案もそうですけれども、防衛省は南西諸島への基地配備に動き出しています。「与那国島への陸自沿岸監視部隊配備について」や「日本の防衛を取り戻す」のエントリーで取り上げたことがありますけれども、与那国島には2015年度末までに150人の沿岸監視部隊を配置する予定です。

 また、奄美大島に550人、宮古島に700-800人、石垣島に500―600人の部隊を置く計画を打ち出していて、奄美大島と宮古島はこれから用地取得と造成に取り掛かり、石垣島は19年度以降の配備予定としています。

 これは陸自が出している、「平素からの部隊配置」、「機動展開」および「奪回」の3段階の抑止・対処の構想に基づくものなのですけれども、要するに有事即応できるように「海兵隊」に近い組織部隊を用意して南西諸島に配備するということですね。

 一部にはこれを、「日本版A2AD」だという声もあるようですけれども、そのとおりだと思いますね。

 南西諸島に200キロ程度の射程の地対艦ミサイルを配備するだけで、南西諸島から太平洋に抜ける航路を塞ぐことができますからね。配備だけでも大きな牽制になる筈です。

 日本はこれらによって、南シナ海の北を蓋しようとしています。

 そして、11月下旬にはオーストラリア軍機が「飛行の自由の権利を実践する」として南シナ海上空を飛行していたことが明らかになりました。BBCによると、オーストラリア軍機は無線で「中国海軍、中国海軍、われわれはオーストラリアの航空機で、国連海洋法条約などに基づき、飛行の自由の権利を実践している」などと呼び掛けたそうですから、明らかに、アメリカの「航行の自由」作戦と連携していますね。

 こちらは南から南シナ海にプレッシャーを与えています。

 なぜ、それほど南シナ海を警戒するかというと、それはもう、中国が人工島を造ったからですね。御丁寧に滑走路まで作っていますから、ここを拠点に周辺の制空権を抑えて、南シナ海を「北京の海」にして太平洋への玄関とする。そうした狙いが見え見えです。

 そんな中、12月10日、アメリカはB52戦略爆撃機が中国の人工島上空わずか2海里を飛行しています。アメリカ国防総省は「意図的ではない。悪天候のため、誤って飛行した」と説明したそうですけれども、これも見え見えの嘘ですね。当然、中国はそのメッセージを受け取った筈です。

 今のところ、中国はこのアメリカの警告に対して、目立った軍事的行動は起こしていません。あるいはアメリカの本気度を探っているのかもしれませんけれども、こういうときに逆に気を付けるべきは、裏工作だと思います。

 それも対アメリカではなく、沖縄と台湾、この二つを落としにより力を入れてくることが予想されます。空中戦ではなくて、地面を掘り返して足下を掬うやりかたです。

 ここの所、沖縄の翁長知事が独立宣言紛いの発言を繰り返していますけれども、相当に中国から工作されえている可能性があると思います。沖縄の独立なんて翁長知事になってから急に出てきた印象があります。

 以前「人民日報の沖縄論文と沖縄独立」のエントリーで取り上げたことがありますけれども、沖縄独立を声高にいっているのは沖縄二紙であって、沖縄県民はそれほどでもないのですね。ですから、翁長知事が沖縄独立を叫ぼうとも、それが沖縄県全体の意思であるかどうかは一定のエクスキューズを持っていてもよいと思われます。

 ただ、マスコミと県のトップが中国寄りに過ぎるのは、問題なしとはできないでしょう。地政学的にみても日本の国家安全保障に関わるからです。

 今後、さらに沖縄に対する工作が激しくなる可能性を考え、きちんと対応すべきと思いますね。

この記事へのコメント

  • おじさん

    沖縄の本土返還の際に沖縄の住民の心情に配慮して県として組み入れたとかなんとかとも聞きましたが地政学的に見ても或いは統治の歴史から見ても直轄地にした方が良かったのではないかと後知恵ではありますがそう思います。
    惜しい機会を逃しました。
    2015年12月24日 01:11

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