朴槿恵大統領を試す安倍政権
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12月28日に岸田外相が訪韓し、慰安婦問題の協議をすると伝えられています。
これは、先日の産経新聞の前ソウル支局長に対する名誉毀損訴訟の無罪判決や、日韓請求権協定をめぐる訴えを却下するなどから、韓国が日本と関係改善を望んでいると分析し、安倍総理が「責任は私が持つ」と訪韓を指示したそうです。
訪韓は日本から提案したそうですけれども、「日本も早期妥結を目指している」と誠意を見せる意味では先手を取ったと言えますね。
ただ、そこはそれ「ザ・ムービングゴールポスト」のかの国ですからね。岸田外相の訪韓も本当に解決する気があるのかを探る意味合いがあるようです。
12月25日、岸田外相は「知恵を絞って全力で取り組み、汗をかく用意がある」と述べ、安倍総理から、最終的かつ不可逆的で蒸し返さないという方向なら、その方向でやってほしい、との指示を受けたと明かしています。
日本側は、2007年に解散した元慰安婦に償い金を支給した「アジア女性基金」のフォローアップ事業の拡充などを検討しているようですね。
28日の日韓外相会談で、岸田外相は、ソウルの日本大使館前に設置された慰安婦像の撤去や、慰安婦問題が将来的に蒸し返されることのないよう両国間の正式文書の締結も提案する意向と報じています。
これについて、ジャーナリストの室谷克実氏は「無理だろう。韓国側は『日本がいい提案を持ってくる』と勘違いしている節もある。……韓国は、中国と『反日』で共闘してきたが、中国が経済分野を中心におかしくなり、日本を利用する『用日』にシフトした。一連の判決も『日本に恩を着せてやった』と思っているはずだ。韓国の歴代大統領は慰安婦問題について『蒸し返さない』と言ってきたが、何度も蒸し返してきた。信用できない。朴氏も、対日攻勢の材料がなくなるため、本音では『慰安婦問題は決着しない方がいい』と思っているはずだ。安倍政権は変な妥協はしないだろうから、最終妥結は考えにくい」とコメントしています。筆者もその可能性は高いと思います。何せこれまでがこれまでですからね。
ただ、一点、面白いというか興味深い点として、今回の岸田外相の訪韓と慰安婦像の撤去など、日本側の要求が積極的に報じられていることです。恐らく韓国を試しているのだと思います。
つまり、韓国政府が日本政府に対して言った事と、韓国国内に言う事をわざと変えて、あとからまた蒸し返しをさせないように釘を指しているのだと思われます。
日韓基本条約でさえ、韓国国内では2005年にようやく公開されたくらいですからね。国内に都合の悪いことを隠してさえおけば、あとから日本が悪いと何度でもタカれますからね。ここでも安倍政権は先手を打ちました。
実際、岸田外相の訪韓について、日本のメディアが報じたことについて韓国政府が日本外務省に、遺憾を表明したそうですから、明らかに嫌がってますね。
また、慰安婦像の撤去を日本が求めていることも韓国世論に伝わっているようで、元慰安婦の支援団体「韓国挺身隊問題対策協議会」の代表は、「事実ならば、国論分裂のレベルだ。……少女像は共同の存在であり、撤去や移設は不可能。……日本政府に本当に解決の意志があるなら、日本の大使が少女像の前に来て追悼をするのが真っ当だ」とも語っています。
こういう韓国世論の"いつもの反応"を事前に引き出している点は大事ですね。それでも妥結した場合は批判の矛先は韓国政府に向かうわけですから。
日本政府はいままでこういう駆け引きをやってきませんでしたkれども、ようやくにして"かの国の取り扱い方法"を理解し始めた感がありますね。
韓国世論の反応を見る限り妥結は容易ではありません。四分六分で妥結はしないとみますけれども、会談後の岸田外相の表情である程度は分かるかもしれませんね。
この記事へのコメント
ちび・むぎ・みみ・はな
変な妥協は国内における安倍内閣の支持率に影響する.
だから, 試すと言うよりは最後の駄目押しではないか.
在日問題や竹島問題等で強気な政策が控えているとの説がある.
南朝鮮がきっぱりと関係修復を否定しないとやり難いだろう.
南朝鮮政府も分かってはいても, 真正面から慰安婦像撤去
と書かれると身動きもとれまい.
安倍政権は南朝鮮関係で国内の支持を稼ぎTPP等の売国的政策を
押し切ろうと考えているのだろう.
財務省ガー, と匂わせて緊縮財政を続け国民を貧しいままに
維持してグローバル主義政策を行なえば, 日本がグローバル
勢力の奴隷になるのも遠い将来ではない.
安倍晋三は愛国者であると考えていたのだが...
ちび・むぎ・みみ・はな
因みに, 人事制度の変更により, 省庁の幹部クラスの人事権は
全て内閣府に移っている. 稲田朋美担当大臣の力量である.
従って, 省庁がそれぞれに主張していることは全て首相の
希望を忖度しながら行なっていることである.
この事実をきちんと知っておかなければまともな議論は出来ない.