日韓外相会談に見る妥協と決裂と国益

 
 昨日のつづきの感想エントリーです。

画像

 ブログランキングに参加しています。応援クリックお願いします。

 28日に行われる日韓外相会談を前に、日韓双方の要求が少しずつ報道されています。

 日本側は、ソウルの日本大使館前に設置された慰安婦像の撤去と、日韓請求権協定の再確認および慰安婦問題を蒸し返さないことなどの文書での確認。そして、慰安婦募集の強制性を流布する韓国のプロパガンダの中止を求めているのに対して、韓国側は、元慰安婦への支援拡充について、日本に20億円の拠出を求めているようです。

 この間まで、金の問題じゃないとか言っていた気がするのですけれども、それがいつの間にか1億になり、10億になり、今度は20億ですか。いつものことながら、全く馬鹿馬鹿しいにも程がありますね。

 日本政府は当然の如く「受け入れられない」と拒否しているようですけれども、それ以外の項目でも、双方の隔たりは大きく、妥結は難しいという見方も出ているようです。

 日本側は、新しく基金をつくり、これまで継続していた「アジア女性基金」のフォローアップ事業の韓国分約1200万円を10~15年分まとめて支出することを想定していると伝えられています。

 これだと、おおよそ1億から2億でしょうか。日本政府は、日韓請求権協定を踏まえ、これらは賠償金ではないと強調していますけれども、仮にこの条件で妥結したとしても、韓国政府は日本政府から賠償金を取った、と大々的に国内にアピールするのは目に見えていますね。

 元慰安婦の支援団体である「韓国挺身隊問題対策協議会」は日本に国家責任の受け入れや賠償を求め、日本側の要求に既に反発していますけれども、或いは韓国政府は20億くらい取ってこないと、挺対協を黙らせられないと踏んでいるのかもしれません。

 けれども、それは向こうの都合であって、日本が付き合ってやる必要は微塵もないものですね。そもそも請求権が消滅しているのに、いつまで払わないといけないのか、という不満が日本世論に鬱積しているように感じるのですね。

 こうした、請求権協定で解決済みだという日本の立場に対して、韓国政府は「請求権協定時は慰安婦問題が対象でなかったので、日本の主張は成立しない」と反論したようですけれども、こちらのサイトでは、その韓国政府が、1993年3月、当時の金泳三政府が「日韓基本条約」に基づいて日本政府に賠償請求はしないという立場を明らかにした上で、韓国政府が「日帝による日本軍慰安婦に対する生活安定支援法」を制定したと自ら述べている、と指摘しているんですね。

 要するに、慰安婦問題は、日韓基本条約で、思いっきり対象にしている、ということです。

 けれども、韓国政府は今になって、慰安婦問題は対象じゃないなど平気で嘘を言っています。こういう相手に会談を行っているのが現実なのですね。ですから、半端な妥協は禍の種を播くだけになると思います。

 尤も、日本政府関係者の中には「朴槿恵大統領に挺対協の反発を抑えるほどの政治力はない」と見る向きがあり、もしそうだとすれば、妥結しないということになります。下手な妥協をするよりは決裂したほうがよっぽどマシでしょうね。

 ただ、一点気になることがあるとすれば、今回の外相会談を行った後、共同記者会見と夕食会を開くことになっているんですね。

 共同記者会見を行うということは、何らかの発表する内容があるということですからね。それなりの「見込み」がないとセッティングそのものができないと見ることもできます。

 実際、11月に安倍総理が訪韓して日韓首脳会談をしたときは、共同記者会見も夕食会も無しでしたからね。それと較べれば、多少の進展があるかもしれないことは否定できないですね。

 それが何かは分かりませんけれども、なんとなれば、日本にとっては好ましくないケースですけれども、会談で、韓国が日本の要求を丸飲みして、一旦妥結したかのように見せかけて、直後に朴大統領が電撃辞任。次の大統領が合意を反故にしてまた「ムービング・ゴールポスト」をやるということも考えられなくもありません。

 既に、韓国は、国際条約である「日韓基本条約」すら蔑ろにしているのですから、今更、慰安婦問題が最終解決した云々の文書を取り交わしたとして、どこまで効力を発揮するのか疑問ですね。
 
 やはり、下手な妥協より決裂のほうが国益に叶うのではないかと思いますね。

この記事へのコメント


この記事へのトラックバック