パート月収25万円と仕事の創造
今日はこの話題を極々簡単に……
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年明けからの国会で、民主党が相変わらず経済音痴振りを発揮しているようです。
質問に立った民主党の山井議員は1月8日の衆院予算委員会で株価の下落と年金運用で損が出ていると質問しました。これについて、安倍総理から「短期的な変動に対し答弁することは意味がない。年金積立金は国内外の債権と株式の組み合わせて運用しており、日経平均株価がそのまま収益に反映されるものではない。しかも、年金運用はある程度の長期的な視点をもってみるべきであり、このマイナスをもってしても安倍政権下では33兆円の累積収益となっている」と返り打ちにあっています。
まぁ、株価についていえば、1月8日、日経平均は1万7697円96銭と年明けの取り引きから5日連続の値下がりとなりました。これは、戦後初めてのことだそうです。
ただ、これは、年明け直後からカウントしているからそう見えるだけであって、昨年1年だけみても、5日連続の下落なんて他にもあったわけです。例えば、昨年8月17日から8月25日に掛けて、日経平均は20620円から17806円まで下落しています。山井議員は年明けの今回の株価下落は7%になると騒いでいましたけれども、去年の8月のそれは、13%以上ですからね。
去年8月の下落は、日本だけの下落ではなくて、世界同時株安が起こっていました。その原因は「中国人民元の切り下げ」だと言われています。当時、中国は人民元の切り下げを何の前振りもなく行いました。いわば、いきなり市場にショックを与えた訳です。世界は「中国の景気減速」が深刻なのだと受け止めたのですね。
今回の下落について、安倍総理は中国市場や中東情勢、北朝鮮の核実験を反映した短期的な結果だと述べていますけれども、ここまで世界情勢が悪化しているにも関わらず、この程度で済んでいるという見方もできるわけです。少なくとも今回の下落が世界同時株安に繋がるのかどうかは、もう少し様子を見ないといけないと思います。
ただ、この時の答弁で、山井議員から「民主党政権に比べて、第2次安倍政権の方が実質賃金の減少率が高い」と指摘されたことに対して、安倍総理は「ご指摘の実質賃金の減少についてでありますが、景気が回復し、そして雇用が増加する過程において、パートで働く人が増えれば、一人当たりの平均賃金が低く出ることになるわけであります。私と妻、妻は働いていなかったけど、景気が上向いてきたから働こうかということで、働き始めたら、(月収で)私が50万円、妻が25万円であったとしたら、75万円に増えるわけでございますが、2人で働いているわけですから、2で割って平均は下がるわけです」と、例え話をしました。
このたとえ話の中で、パートで働き始めた妻の月収を「25万円」と述べたことに「社会の貧困の実態に無理解すぎる」などと批判する声が出ていると報じられています。
まぁ、動画を見た限りでは、筆者にはただ分かり易くするためのもので、特に他意はないように感じましたけれども、パートで25万円は相当景気がよくならないと厳しい数字であるとは思いますね。
国税庁が調査を実施している平成25年度の民間給与実態統計調査では、20代前半男性の平均年収は265万円。月換算で22万円程度です。これを20代後半男性だと、年収371万円、月換算31万円。同じく20代女性の平均は20代前半で月換算19万円、20代後半で月換算24.5万円です。
現在、新卒で入って5年以上勤めている20代後半の女性と同程度の月収をパートに払える程の景気にするにはもう一段も二段も対策が必要なのではないかと思いますね。
ではそれが何かと言われても直ぐにでは出てこないのですけれども、直感的には、仕事の総量をもっと増やさないといけない感じがしています。今は何処の世界も、特に産業界はそうだと思いますけれども、省力化や自動化が進んで人手がなくても、こなせるようになってきています。
ガソリンスタンドでも、ちょっと昔は給油にいくと、中からぱっと人がでてきて、窓を拭いて呉れたり、灰皿の吸殻を捨てたりしてくれたものですけれども、今は客が自分で給油するスタンドなど珍しくありません。一部のスーパーでは、レジの支払いを自動化して、客が自分でバーコードを読ませて、支払いするシステムを入れているところもあります。スーパーのレジなんて、昔なら、一番パートの口があったところですけれども、今や、そうした口が無くなる方向にいっているわけです。
つまり、これまで誰もが出来たような仕事の枠内で考えている限り、その仕事の口の数には限界がやってくるということです。ですから、景気がよくなったら、雇用が増えるというのも、ある程度のところで頭打ちがくるような気がするんですね。
それを打ち破るためには、やはり、新たな産業を生み出し育成していく、仕事そのものを拡大する。機械化や省力化の及ばない、人でしかできない仕事を創造していくこと。そうした考えが大事だと思いますね。
この記事へのコメント
ちび・むぎ・みみ・はな
こんな答弁で反論できない不勉強な野党.
そもそも実質賃金低減は自民党時代に始まり,
嘘付党で強化され, 現政権が維持する政策である.
この程度の答弁になるのは避けられない.
国土強靭化はどうなったのか?
ところで, 今は(米国に唆されて)支那が本性を現しているから
安倍政権の支持が強いが, 同時に共産党の支持が高いのは
庶民の感ずる経済状況がかなり厳しいものになっているからだ.
折角, 池田政権で所得倍増を行なって民主主義国家として
成長してきたのに, グローバル主義的な政策ばかりを行なえば
共産主義への心情的賛同が増えてくるだろう.
世界における日本の地位が向上したと得意になるが,
防衛専門の軍事力しか持たない日本に期待するとすれば
経済力しかない. そして経済力とはGDPである.
そのGDPを大きく成長させる国内投資を政府がやらんのでは
なにをか言わんや.
日本のGDPは国内消費が多数を占めてきたのであるから
TPPなぞやっても日本のGDPはちっとも増えないのは明らかだ.
なのだが, 安倍政権は様々な誤魔化しの宣伝を行なう.
全てが安倍晋三個人の指導の下に行なわれているにも関わらず,
その責任は各省庁の強行派にあるかの如く振舞っている.
日銀と言い, 政権と言い, その特徴は「誤魔化し」である.
『美しい日本』がその誤魔化しの第一段目であったと思えば
むべなるかな.
ちび・むぎ・みみ・はな
米国の強い圧力と言うのは誤魔化しである可能性がある.
首相自身は何も言っていない.
米国の強い圧力を言うのは周辺の評論家である.
これは消費税増における状況と良く似ている.
米国は昔から非常に強い望みがあれば声高に要望してきた.
今回の合意は確かに「米国の従軍慰安婦問題」に対する
助けになっているが, 米国は日本に圧力を書けるほどに
気にしてはいないだろう.
とすれば, 今回の合意は安倍首相自身がやりたかったことだ
と考えればすっきりする. その背後関係は分からないが,
安倍首相は相当に進歩主義・改革主義・リベラルでグローバリスト
であり, その中心は必ずしも日本人には無いから慰安婦に
同情していた可能性が大きい. 何しろ,
「もはや国境や国籍に拘る時代は過ぎ去りました」と
宣言した方である.
勿論, ブログ主や読者の大多数のお考えとは違うだろう.
泣き虫ウンモ
同じ場所で、同じ営業を続ける限りは人口減という要因もあり収穫は減り続けるのが当たり前です。
そこで、政治に関心の薄い営業者の生き残り策としては、歯牙にもかけないような従業員にもアイディアを募ることかなぁ。
下の意見も訊かないと、やっていけないでしょうね。
訊きすぎてもいけないですが。
まぁ、いままでのあり方を見直して飛躍するチャンスでもあります。