北朝鮮の地下核実験について
今日はこの話題を極々簡単に……
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1月6日、北朝鮮が水爆の実験を行い成功したと発表しました。北朝鮮国営の朝鮮中央テレビは、「完全に成功した。水爆の技術が正確だということを証明し、小型化された水爆の威力を科学的に解明した。……水爆の実験は、アメリカをはじめとする敵対勢力から国の自主権と生存権を守り、朝鮮半島の平和と安全を担保する自衛的措置だ……核抑止力を質的、量的に絶えず強化していく」と主張しています。
北朝鮮が地下核実験を実施したのは、3年ぶり4回目になりますけれども、水爆の実験を行ったと明らかにしたのは初めてで、各国から批判声明がでています。
実際、6日の午前10時半ごろ、気象庁が北朝鮮北東部でマグニチュード5.1規模の地震を観測しています。
気象庁によると、通常の地震では縦波の「P波」を観測した後でより大きくはっきりとした横波の「S波」が観測されるのですけれども、今回の地震はS波に当たる揺れが観測できなかったそうです。気象庁の長谷川洋平地震津波監視課長は、「過去の核実験の時と波形が似ているが、揺れの規模はそれほど違わない。波形を比較すると、自然の地震ではない可能性がある」とコメントしていますけれども、過去、北朝鮮が地下核実験を行った際には、今回と近い場所で同程度の規模の地震が観測されていますから、北朝鮮が地下核実験を行ったことは間違いないでしょうね。
ただ、それが水爆なのかどうかについては疑問の声が上がっています。
アメリカ・ホワイトハウスのジョシュ・アーネスト大統領報道官は、米政府が得ている証拠から、北朝鮮の主張は、非常に疑わしいと述べていますし、ロンドンのシンクタンク「王立国際問題研究所」のアジア・プログラム責任者ジョン・ニルソン=ライト博士は、北朝鮮の指導者がこれまで繰り返してきた大げさな主張と同様で、「世界の注目を引き付けて北朝鮮の自立性と自らの政治的権限を強調するため」の言動だろうとの見解を述べています。
けれども、水爆はそう簡単な技術ではありません。水爆を作る為には原爆を作る技術が必要になります。
原爆は「核分裂」反応を利用した爆弾ですけれども、水爆は「核融合」反応を利用した爆弾です。
原爆は、ウラン235やプルトニウムの核が分裂するときに生じるエネルギーを利用するのですけれども、水爆は水素核の融合エネルギーを使います。
水素核を核融合させるには、水素ガスの温度を1億度以上、圧力1千億気圧にしなければなりません。無論、こんな超高温・超高圧なんてそう簡単に作れるものではありません。
水爆はこの超高温・超高圧を作りだすために、原爆を使います。
水爆は、まず原爆を爆発させ、爆発によって生じる高温と高圧によって水素核融合の連鎖反応を誘発し、更に容器となっているウラン238にも核分裂を起こさせます。つまり、原爆+水爆+原爆の都合三回の核爆発が起こるわけです。
これらの反応は瞬時に起こり、その結果、原爆の何千倍もの破壊力を発生させることになります。
一般に、マグニチュードが1大きくなると、地震のエネルギーは約32倍になると言われています。仮に北朝鮮の水爆が過去の核実験と同程度の大きさだとすると、計測されるマグニチュードは2以上大きく観測されてもおかしくありません。
おそらく、こうしたことから、北朝鮮の水爆実験発表を疑わしいとしているのではないかと思われます。
けれども、北朝鮮が成功したのが原爆だろうが水爆だろうが、それ以上に注意すべきは、世界がノーマークの時にこうした核実験をやってのけたことではないかと思います。
まぁ、或いは、各国の政府首脳レベルでは核実験をやるかもしれない、という情報が上がっていたかもしれませんけれども、国民レベルにまで事前に警告を出していたという印象はありません。いきなりズドンとやられたという感じです。
もしこれが、地下サイロとか、移動式発射台からのミサイルだったとしたら、不意打ちもいいところです。
今の軍事の世界では、先手を取るかどうかが非常に重要で、撃たれてからでは遅いですからね。安保法制が出来て安心するのではなく、具体的に脅威を排除する手段をきちんと持って置かなくてはならない現実が目の前にあるということです。
この記事へのコメント
白なまず
ちび・むぎ・みみ・はな
技術的な問題に関するネックは理論計算だろうが,
日本国内には喜んで北朝鮮に高性能の計算機を
送ってやろうとする者達が沢山いるのだろう.
南朝鮮だって怪しいものだ.
原爆も水爆も落された時のダメージが大きいのは変わらない.
幸にして, 北朝鮮には支那ほどの沢山のミサイル基地や
開発施設はない. 拉致被害者を返還しそうもないと
けりをつけた段階で攻撃すべきだろう.
何しろ, 平和条約も締結していないのだから,
拉致被害者が出た時点で北朝鮮とは交戦状態にあると
考えて良い. つまり, 現在は平時ではないと言うことだろう.
と考えれば, 共産党の活動は全て
現在の法律で取り締まることが出来る.
泣き虫ウンモ
そのなかで、強行実験を行なえるのか?という疑問が付きまとうのです。
もし、行なえるとなれば資金源がどこなのか?という疑問もありますね。
おそらく、向こうの商売で稼げるものといえば軍事関係かなぁと。
そうなれば、経済制裁も意味がないでしょう。
軍事力をお金に換えようという動きが、盛んになるでしょうか。