北朝鮮はアウトオブコントロールになったのか

 
 昨日の続きです。

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北朝鮮の核実験について、世界各国が批難の声を上げています。

 1月6日、アメリカ国家安全保障会議のプライス報道官は「いかなる国連安保理決議違反も非難する」とコメントし、同じく、1月6日、中国外務省は声明で「非核化の約束を忠実に守り、情勢を悪化させるいかなる行為も停止するよう極めて強く促す」と北朝鮮側を強く批判。更に韓国の朴槿恵大統領は「世界の平和と安全に対する正面からの挑戦だ」と述べています。

 一方、ロシアのペスコフ露大統領報道官は「非常に懸念している」と述べるにとどめています。

 日本でも、安倍総理が、官邸で記者団に対し、「今回の北朝鮮による核実験の実施は、わが国の安全に対する重大な脅威だ。断じて容認できない。強く非難する。……これまでの国連安保理決議に明白に違反し、国際的な核不拡散の取り組みに対する重大な挑戦だ。今後、わが国としては、安保理非常任理事国として、国連安保理における対応を含めて、アメリカ、韓国、中国、ロシアと連携しながら、断固たる対応をとっていく」と述べ、制裁の強化を示唆する発言をしています。

 また、野党も共産党の志位委員長が「核実験の強行は地域と世界の平和と安定に対する極めて重大な逆行だ。暴挙であり、厳しく糾弾する。……国際社会が一致して、政治的、外交的努力を強め、北朝鮮に核兵器を放棄させるための実効ある措置をとることを強く求める」との談話を発表し、社民党の又市幹事長は「度重なる核実験に強く抗議する。極めて許し難い問題であり、断じて認めることはできない。ただちに核兵器の開発を中止すべきである」と述べています。

 それにしても、社民党が北朝鮮を非難する時代がくるとは隔世の感があります。「一発だけならなんちゃらかんちゃら」とどこかの新聞が言い放ったのは、たった十年かそこらの前の話ですからね。

 ただ、これらの反応を見る限り、昨日のエントリーでも述べましたけれども、今回の核実験は、やはり世界がノーマークの時にやった感がありますね。

 筆者はこれまで何度も、金正恩氏は「人の裏をかいてくるタイプだ」と述べてきましたけれども、やはり今回もそうだったということです。

 けれども、問題は、やはり、核実験を行うことを事前に知っていたかどうかです。

 これについて、中国も韓国も知らなかったようです。

 中国外交部の華春瑩報道官は「今回の核実験について中国は何も事前情報を得ていない。国連安保理が決めた対北朝鮮制裁の続行は国際的な義務であり、われわれは国際社会と力を合わせ、朝鮮半島の非核化に向け努力しなければならない」と白状していますし、韓国も察知できていません。

 特に韓国は、去年の段階で、軍が北朝鮮の核実験の兆候を少なくとも一ヶ月前に把握することができると豪語していたようなのですけれども、そうではなかったということです。

 尤も韓国軍は、核実験施設を監視こそしていたものの、車の移動やトンネル工事などの準備作業が全く観察されず、実験の兆候だとは捉えなかったと言い訳しています。

 では、翻って日本はどうだったのか。

 残念ながら、日本も防衛省幹部は「意表を突かれた」と漏らし、どうやら事前兆候は掴んでなかったようです。

 状況をみると、北朝鮮は核実験直前に慌ただしく工事や準備をするといった目に付きやすいやり方ではなくて、ゆっくりゆっくり準備して、全ての準備が整ってもしばらく放置して、世界情勢見ながらタイミングを計ってやったのだと思いますね。

 だから、事前兆候として分からなかった。それは、「直前に準備すること」をもって事前兆候だと考えていたからだと思いますね。

 まぁ、頭が固くなっているといえばそうかもしれませんけれども、「人の裏をかいてくる」金正恩氏に対してそういう考えてでいるのは少々危ういと思います。

 このように、世界の多くは、今回の北朝鮮の核実験を予測できなかった。もしかしたら金正恩氏は、「してやったり」と手を叩いて喜んでいるのかもしれませんね。

 ところが、事前に北朝鮮の動きについて、注意を出したところはあります。アメリカです。

 アメリカのジョンズ・ホプキンズ大の北朝鮮分析サイト「38ノース」は、衛星写真から、北朝鮮北東部の豊渓里にある核実験場で新たな実験用坑道が掘削中であることを解析し、警告をだしているのですね。

 尤も、警告といっても「核実験が間近に迫っている兆候は無いが、将来的に実施可能であることを示す動きだ」という注意喚起程度のものですけれども、一応一ヶ月前には警報を鳴らしているわけです。

 なぜ、そのように解析できたかというと、定点観測をしていたからです。

 このサイトでは昨年4月、10月、11月に撮影した北朝鮮の核実験場の衛星写真を解析したようなのですけれども、4月の写真では、今回核実験が行われたと見られる場所に丸太と新しい建物が写っていたのですけれども、10月の写真では、新たな坑道の入り口と、掘り出されたと見られる土が写っていて、丸太も消えていたそうです。

 これらから「38ノース」は丸太を「坑道の支えなどに使われた可能性がある」と指摘していました。そこから推測すると、おそらくアメリカ政府も事前に予測していた可能性はあると思いますね。

 このように考えると、日本も偵察衛星の数や運用含めた体制の見直しを進める必要があると思いますね。

この記事へのコメント

  • 白なまず

    例によってオカルトですが、ムーによるとブルガリアの有名な予言者ババ・ヴァンガの予言で秘密にされた物が公開されて、ちょっと笑えない内容です。

    ~そのヴァンガは、〝2016年イスラム大戦争〟に関する予言も残している。~
    ISISがリビアの化学兵器を入手してヨーロッパでテロを起こしヨーロッパはヨーロッパ大陸は、あらゆる生命体が消え去った荒地になる、、、詳細は以下URL参照
    http://gakkenmu.jp/column/3951/

    イスラムと言えばイランとサウジアラビアの国交断絶、、、イランが北朝鮮の核兵器技術を入手する事を考慮すると、北朝鮮のお金はイランから入るでしょうし、そのイランはISISを殲滅する為米国と手を握り原油の輸出や能力の小さい核兵器なら開発しても良いという約束をしていて、イランの原油輸出は欧米メジャーと契約しているので、輸出が始まればサウジアラビアの原油輸出は大打撃でしょう。これで更に原油在庫が増えて原油安になるのでロシアも大打撃。結局ISISのせいで、イランと北朝鮮が儲かるのでしょう。
    2016年01月08日 01:33

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