ブレイクブレイカー・チャイナボカン

 
 今日はこの話題を極々簡単に……

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 中国株が荒れてますね。

 1月7日、上海・深センの両証券取引所は「サーキットブレーカー」制度を8日から停止すると発表しました。

「サーキット・ブレーカー」とは元々の意味は、電気のブレーカーと同じ意味で、過熱防止のために、強制的に電源を落とす装置のことです。転じて株式での「サーキット・ブレーカー」とは、値動きが制限幅を超えると取引を止めて、投資家に冷静になってもらう為の措置です。

 サーキットブレーカー制度が生まれたきっかけは、1987年のNY取引所で起きた、所謂ブラックマンデーが原因でした。この日NYダウ平均の終値は前週末より508ドルも下がり、下落率22.6%にも達しました。これは世界恐慌の引き金となった1929年の暗黒の木曜日の下落率12.8%を倍近く上回る程のもので、世界同時株安の引き金ともなったのですね。

 この経験から設けられたNY市場のサーキット・ブレーカーは、NYダウ平均が10%暴落した際は30分、20%暴落すると60分、30%暴落は2時間取引が止まります。この制度が設けられてからもサーキット・ブレーカーは何度も発動しています。

 このようにサーキットブレーカーは投資家の頭を冷やすことを目的としていたのですけれども、近年は段々と通じなくなってきました。自動取引ソフトによる自動売買が増えたからです。

 自動売買は、リスクヘッジのために大抵、一定基準以上に株価が下落すると自動的に損切りの売りを入れるようにプログラムされています。従って、ラインを越えて下落すると問答無用で売りに掛かります。そこには頭を冷やすもクソもありません。
 
 実際、2010年5月6日に起きたP&G株の誤発注事件を切っ掛けに僅か十分程の間に62ドルあったP&G株は39.37ドルまで下落。その煽りを喰ってスリーエムなどその他の銘柄にも連鎖暴落が頻発しています。チャートをみても分かるとおり、下落は直ぐに回復したのですけれども、余りにも下落の勢いが凄過ぎて、"ブレイク"する暇すらなかったということですね。

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 因みに日本の株式では、元から値幅制限であるストップ高、ストップ安制度があるため、サーキット・ブレイクはありません。まぁ、日本株をやったことがある人なら御存知でしょうけれども、ストップ高、ストップ安の銘柄が出ることは全然珍しくありません。
 
 今回、中国当局が停止した中国式の「サーキットブレーカー」は、CSI300指数が5%上昇又は下落で15分間の停止。7%上昇又は下落で終日取引停止という結構シビアな規制でした。
※CSI300指数:上海証券取引所および深セン証券取引所に上場されている全A株のうち、時価総額および流動性の高い300銘柄で構成されたもので、中国の株価を代表する指数

 中国当局はこの「サーキットブレーカー」を今年から適用したのですけれども、市場が開くや否や、わずか4営業日中に2回もサーキットブレーカーが発動する有り様で、7日の発動では開始30分も立たずに取引打ち切りとなったようです。

 まぁ、こういうのは、市場と"会話"して経験とノウハウを蓄積した上でルールとして定着させていくべきなのですけれども、どうも中国当局は市場と"会話"するのが下手糞のように見えて仕方ないですね。

 先日も中国当局は、大株主の売り規制の新ルールを公表し、時価総額の1%以上の売出を禁止し、売出の15営業日前に届け出を必要とするように、していますけれども、株式などは、極端なことをいえば、「将来、株価が上る」と予測する、或いは信じるからこそ持っていて呉れるのであって、それらが裏切られてしまったら、途端に売られる運命にある代物です。

 ところが、当局が厳しく規制をしたり、朝令暮改でルールをころころ変えてしまうとそれ自体がリスク要因となってしまいます。いつ何時「天の声」で株を召し上げられるかもしれないとなったら、安心して持っていられないと思うのが普通です。

 そういうことが、中国当局は、まだ十分理解できていないうように見えますね。逆にいえば、今、中国は「自由主義経済」を強制的に学習させられているのかもしれませんね。

 昔のエントリーで、中国はこれから「政治と経済の綱引き」が始まると述べたことがありますけれども、どうやらその局面に立っているのではないかと思いますね。

この記事へのコメント

  • AJCNレポート: 海外メディアは慰安婦問題日韓合

    オーストラリアで、韓国の反日団体と、最前線で戦われている日系人グループの『AJCN』さんから、今回の日韓慰安婦合意に関する海外メディアの報道を、多数、報告して頂けました。

    ↓  ↓  ↓

    AJCNレポート: 海外メディアは慰安婦問題日韓合意をどう報じたか? -日本人が知らない歴史戦完敗-
    jcnsydney.blogspot.com/2016/01/ajcn_8.html


    内容は、かなり、日本人にとって、絶望的なものとなっております。
    海外の最前線で、韓国の反日団体と戦っておられる方達の、生の声、いえ、悲鳴・・となります。

    どうか、皆様、上記記事の、拡散を、お願い致します。
    そして、それが・・今、私達にできる、彼等(AJCN)への、せめてもの『サポート』となるのではないかと存じます。
    どうぞ、皆様、よろしくお願い致します。

    また、次のコメントに、本文の一部を、転載させて頂きます。(連投、失礼致します)
    その上で、どうか、全文、目を通していただきたく存じます。
    どうぞ、皆様、拡散のほど、よろしくお願い致します。

    m(__)m
    2016年01月09日 19:34
  • AJCNレポート・拡散希望

    我々が調査した限りでは「日本政府は潔く謝罪した。韓国は受け入れるべきだ」と主張する海外メディアは皆無でした。すべてのメディアに共通しているのは「日本政府がついに性奴隷制度を認めた、その多くは韓国人女性だった」との断定で、これまで日本の民間団体による反論で消えかかっていた20万人強制連行という言葉も亡霊のように蘇っている、ということです。中には、10代のうら若き処女を拉致、強制的に売春させ、果ては殺したというような酷い話まで載っているケースも複数あり、その傾向は時を追って過激度を増しつつあります。最近顕著になっている中国からの「40万人強制連行説」が散見されるのを見ても、日本を悪魔化し、孤立させたい勢力から強力なプロパガンダが行われていることが推測されます。また、案の定、韓国以外の国にも賠償すべきだという論調が目立ちます。以下、海外報道の一部をご紹介します。(本文より抜粋)


    AJCNレポート: 海外メディアは慰安婦問題日韓合意をどう報じたか? -日本人が知らない歴史戦完敗-
    jcnsydney.blogspot.com/2016/01/ajcn_8.html
    2016年01月09日 19:35

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