北朝鮮ミサイルと防衛対応

 
昨日の続きを極々簡単に……

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北朝鮮のミサイル発射について、沖縄の石垣島や宮古島では住民の安全を守るべく対応を取りました。

宮古島市の市役所には危機管理対策本部が設けられ、その向かいの会議室に自衛官が詰めていたのですけれども、発射当日の9時33分。自衛官が対策本部にミサイルの発射を確認したと連絡。次いで34分にJアラートがミサイルの飛来情報を配信しています。

Jアラートとは、人工衛星を経由して、弾道ミサイルの飛来情報や緊急地震速報、津波警報などを送信し、受信した市町村が防災無線や携帯電話へのメールなどで情報を住民に伝えるシステムです。ミサイルやテロ、津波や噴火などの情報についてはシステムが自動で起動し、配信するようになっています。

今回のミサイルについては、沖縄県内全市町村がJアラートを受信しています。

次いで41分に自衛官が「多良間西方を通過」と報告すると、同42分にJアラートが通過を配信しています。

これを見る限り、自衛隊からの情報とJアラートの情報伝達では約1分のタイムラグがあることになります。

石垣市内では、Jアラートの速報を受け、防災無線のスピーカーから一斉にミサイル発射情報が流れ、住人は屋内避難で外出を控えるなどの対応を取ったのですけれども、石垣市では2月5日に情報伝達訓練として、Jアラートによる防災行政無線放送をしているんですね。

単に、システムに頼って何もしないのではなく、システムがきちんと稼働するか事前に確認している。また、これは自衛隊からの要請なのかどうかは分かりませんけれども、対策本部の隣の会議室を開けて、自衛官に詰めて貰い、情報伝達の便宜を図っています。

先程述べたように自衛隊からの情報とJアラートで一分のタイムラグがある可能性があります。けれども、今回のようなミサイル発射という事態ではその一分が命取りになることだってないとはいえません。ですから、自衛官に詰めて貰う対応は正解だと思いますし、PAC3の配備も当然だと言えます。

もちろん、PAC3は万能の迎撃ミサイルではありません。「北朝鮮の弾道ミサイルと日本の迎撃態勢」でも述べましたけれども、PAC3の有効射程は僅か20Kmですからね。配備した所の周辺しか対応できません。

石垣島は東西17km、南北35kmですから、PAC3も配備場所をきちんとやれば、うまくカバーできるかもしれませんけれども、東京を狙われたらそうもいきません。

それを考えると、それこそ日本も射程100キロを超えるTHAADの配備を考えてよいと思いますね。

今回のミサイル発射について、沖縄県の翁長知事は「県民の生命・財産を預かる知事として、心臓が凍る思いだ。……平穏な生活環境が維持でき、ひとまず安心している」とのべ、PAC3については「一体全体、どんな精度があるのか、素人には分からない」とコメントしています。

けれども、県民の命を預かる立場の人が、ミサイル発射に「心臓が凍って」いるようでは困ります。心臓が凍って、有効な手段が何も取れなければ、県民の命が危険に晒されますからね。

また、PAC3について素人だから分からない、というのであれば、辺野古は勿論のこと、国家の専権事項でもある国防に関する事には口を挟むべきではないと思いますね。

この記事へのコメント

  • 腰痛ガウォーク

    補足ですが、PAC3は最後の切り札であり、「溺れる者は藁をも掴む」の藁です。
    基本的には迎撃ミサイル搭載型のイージス艦から発射されるSM-3で大気圏外での迎撃を試み、それが外れた場合の最終手段としてPAC3が発射されます。
    PAC3の迎撃成功率はそれほど高くありませんが、海上自衛隊が放つSM-3のそれは試験訓練では世界最高峰の80%以上を誇ります。
    そのSM-3を2発以上(迎撃可能時間にもよりますが)発射しますので、かなりの鉄壁と言えるでしょう。
    もちろんそれでもパーフェクトとは言いませんし、飽和攻撃に対する懸念があるのも確かです。
    拠って一番確実なのは現状憲法では違憲になり得る発射前の敵基地攻撃になのですが、その是非は今夏の焦点になるであろう憲法改正が掴んでいます。
    2016年02月10日 03:08

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