今日も雑談です……。

アメリカ大統領選挙で、共和党のトランプ候補に注目が集まってるようです。
当初は過激な発言で泡沫候補と見る向きもあったようなのですけれども、どんどんと支持率を集め、共和党の有力候補となっています。
トランプ氏は意外にも、元々共和党支持者ではなく、民主党支持者でした。ところが2010年頃から共和党寄りになったかと思うと、そのまま共和党に入り、共和党内の右派、ティーパーティーの支持を集めて一気に有力候補となったのですね。
トランプ氏はその右派的かつ過激な発言で注目を集めていますけれども、共和党主流派は、右に行き過ぎると共和党の評判が落ちるということで、トランプ氏には候補になって欲しくないという事情があるようで、内部で相当足の引っ張り合いに遭っているようなんですね。
先日、アイオワ州の党員集会で、共和党はテッド・クルーズ上院議員を候補に選びました。クルーズ氏は支持率28%を集め、トランプ氏は24%の2位でした。
過去の大統領選を紐解くと、アイオワ州で勝った候補はほぼ全員が大統領になってきた、というジンクスもあって、共和党主流派も胸を撫で下ろしたようなのですけれども、クルーズ氏の勝因は選挙資金だという指摘があります。
クルーズ氏は日本円換算で100億円という資金を投入し、朝から晩まで自身の広報CMをテレビで流したりしたようです。それに対して、トランプ氏は10億円とか15億円くらいしか選挙資金を投入していなかったようです。一説には、既に知名度があるからわざわざ宣伝する必要はない、と甘く考えていたという指摘もされています。
ところが、続くニューハンプシャー州での予備選挙では、トランプ氏が投票率35%を集めぶっちぎりのトップとなりました。何でも、アイオワでの敗北の教訓を生かし、戸別訪問を始めたようなんですね。トランプ氏自身もニューハンプシャー州での勝利宣言において「この1週間で、地上戦の戦い方を学んだ」と話しました。この学習能力というか、柔軟性は大したものだと思います。あるいは選挙参謀が凄いのかもしれません。
こうしたことから共和党内では、依然としてトランプ氏に対し激しい攻撃が為され、予備選の第3戦の舞台となるサウスカロライナ州でのテレビ討論会では、各候補から集中攻撃に晒されています。クルーズ氏は討論会の場で「トランプ氏はリベラルだ」と批判していますけれども、これはトランプ氏が元民主党支持者であったことを指しているものと思われます。
ただ、過去はどうあれ、今のトランプ氏は右派の言いたい放題の発言をしても尚、支持を集めていますからね。思い出したように、リベラルだったのだ、と言ったところでどこまで有権者に届くのかは分からないところがあります。
また、その一方で、右に過ぎるからダメだという方向から攻めている勢力もいるようです。例えば、2月9日に、CNNがトランプ氏の支持者8人を集めて討論をさせた際に、共和党のリンジー・グラハム議員がトランプ氏の発言を批判している映像を見せたのだそうです。
リンジー・グラハム議員は、ジョン・マケイン上院議員と旧知の仲で防衛と外交政策においてはタカ派として知られています。そのタカ派議員がトランプ氏に駄目出しをしたわけです。
普通は、右派的な発言をしているトランプ氏が、仲間であるタカ派から駄目出しされたら、支持も離れるだろうと思うところなのですけれども、あにはからんや、CNNに出演した、トランプ氏の支持者達は、「グラハムとかマケインとか、あるいはブッシュ、チェイニーなんかも全部ダメ。利権団体が後ろにいる腹黒だから」と斬って捨てたのだそうです。
確かにトランプ氏は、自身の選挙資金の殆どを自前のポケットマネーで賄っていて、献金額無制限の献金受け皿団体であるスーパーパック(特別政治活動委員会)を使っていません。
政治献金についてトランプ氏もは「自分は億万長者であり、他者からの献金に依存しない。政治的影響を受けなくて済むので、優れている」と主張しています。この姿勢はブルーカラー層や、ティーパーティーには受けるでしょうね。
共和党内に敵を抱え込むトランプ氏、その過激な発言と相俟って、大統領としてどうか、と危ぶむ声がありますけれども、選挙スタッフ、および側近の質とそのアドバイスをきちんと聞ける人なのかどうかが、今後のトランプ氏の明暗を分けるような気がしますね。
この記事へのコメント
774
いさ分析してみると、彼が一番マトモではないか、という結論に至る。
今の米を象徴しているようだ……
OPO
トランプはただのポピュリストですよ。