キラキラネームにしたい心理について

 
今日は日比野庵小説とのタイアップエントリーです。

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キラキラネームが巷で言われるようになって、大分経ちました。

毎年新生児の名前ランキングが発表されていますけれども、2015年の名前ランキングで、和風の名前が多くなるという異変が起こったのだそうです。

これは、クックパッドの子会社のクックパッドベビーが調査したのですけれども、昨年はそれまでとランキング10位以内の約半数が入れ替わり、1位が「さくら」と「莉子りこ」、3位は「葵あおい」と和風の名前が人気を集めているそうです。しかも、ベストテンに「子」が入るのは、2010年の調査開始以来初めてだということですから、大きく流れが変わったということです。

もっとも名付けのデータについては、他の会社も同じく揃えていて、有名処では、明治安田生命やたまごクラブ、ひよこクラブのベネッセ等があります。

そこで、明治安田生命やベネッセのデータではどうか、ということなのですけれども、いずれも順位はやや上昇していますから、概ねは和風に人気が集まりだしている、ということは言えるのではないかと思われます。

ただ、そうはいっても、猫も杓子もみんなランキング上位の名前をつけているというわけではなく、ランキング1位であっても、全体に占める割合は1%にも満たないのですね。その意味では、ランキング一位といっても、団栗の背比べ的要素が強く、"比較的"人気になっていると見た方がいいのかもしれません。

では、なぜ「和風」に目を向けられるようになったのか、ということですけれども、先のクックパッドベビーの調査担当者は、キラキラネームに対する揺り戻しが起きていて、グローバルな世界の中でより日本人であることを意識したのではないか、という見解を示しているようです。

まぁ、そういう見方もあるとは思いますけれども、もっと単純に、他の子と「差別化」したい、という心理が働いている面もあるのではないかと思うんですね。

差別化しようと思えば、余り聞かない名前を付けるのは一番手っ取り早いですから。

和風の名前が溢れていた昔は和風の名前をつけても、当たり前になっていたところが、今は、和風の名前が少なくなってきたから、逆に和風の名前が新鮮に感じるようになってきたのではないかということです。

ただ「名は体を表わす」という言葉もありますけれども、単に差別化というだけでなく、名前そのものに願いを込めて命名する、というのもあると思います。

例えば、今年の大河ドラマの「真田丸」では弟の真田信繁(幸村)の幼名が源次郎、兄の信幸が源三郎となっています。長男が「三郎」で次男が「次郎」で順番が逆になっていますけれども、ドラマ中では、「真田家は長男が早く死ぬことが多いので、初めのほうの数字を避けた」と解説されています。

ただ、本当に長男・次男が逆だったという説もあり、本当のところは分かっていないようです。

それでも、ゲンを担ぐというか、子の幸せや、お家の存続を願って、名を付けるというのは極普通の感情ですし、また普通のことだと思います。

筆者としては、単に珍しい名前で他と差別化できるからという付け方よりは、名前そのものに願いを込めてつけるほうが、良いと思います。まぁ、もっといえば、本人の希望を聞いて付ける事ができればいいのでしょうけれども、生まれたて赤ん坊に希望を訊く訳にもいきませんからね。

名前は一生ついて回るものですから、それなりにしっかりと考えて、願いを込めてつけたいものです。



さて、日比野庵ラノベ第二話「入学式」では、キラキラネームについても取り上げましたけれども、小説を書いている中で、キャラクターの名前をどうするかは悩ましい問題でした。

というのも、普通の名前にすると、字面に"埋もれて"しまって、キャラが意識されなくなってしまうのではないかという気がしたのですね。余りにも慣れ過ぎていて、読み飛ばされて、その行動はどのキャラが行ったのか分からなくなってしまうことを避けたかったというのがあります。要するに認知の問題です。

これについては「読みやすさと理解は相反するか」のエントリーで取り上げたことがありますけれども、読み慣れた文章を読むのと、そうでない文章を読むのとでは、脳の活性化領域が違うのだそうです。おそらく、キラキラネームにもこれが関係しているような気がします。

小説での主人公の名前を「智哉」、ヒロインの名前を「神楽耶」としています。なるべく画数が多くて、難読に近い文字を選んだのも、そうした効果を期待してのことです。

けれども、これもやり過ぎると、現実離れして、醒めてしまうことも考えられますから難しいところです。

ただ、書き手の心理として「キラキラネーム」を使いたくなる、というのは、ラノベを書いてみて初めて分かったことでしたね。

この記事へのコメント

  • おじさん

    誰が言ったのか忘れましたが名付けの際に「どんな大人に育って欲しいか」と考えると割と堅い古風な名前に、「どんな子どもであって欲しいか」と考えるとキラキラネームというか今風というか「これで爺婆になったらどうするの?」みたいな名前になるそうです。
    まあ確かに心愛(ここあ)なんかは10代のうちならいいでしょうが30、40にもなっておまけに所帯じみてやつれでもしたら目も当てられないでしょう。

    あとは当て字や判じ物みたいに難読だとイジメの対象になりがちだという現実が広く知れ渡ったのも影響しているかもしれないですね。
    2016年02月21日 06:07
  • 白なまず

    三国志とか水滸伝とか登場人物の多さは圧倒的ですが、名前といいキャラクターといい実にキラキラと言うのか、物語を読む上でも頭の中で人物像や役割などが整理されいて、読んでるだけでいつの間にか人物名を覚えてしまう、、、そうなれば、キャラクター達がかってに物語を紡ぎ始めるのではと思えるほどです。不肖ながら私の名前はある意味強烈で読みは普通でも漢字が日常生活で特にメディアで踊るような字なので、いつまで経ってもなんだかな~。って思っていた時期がありました。そして、十代の頃親に尋ねたところ、政治家の名前をもらったそうで、そんなんで決められたらたまらんと思っていましたが、その由来が実は戦国武将由来でしかも思いっきり今住んでいる地域と関係すると解り今では何となくですが、いい名前も付けて貰ったと思っています。それでも、日常会話でその漢字がとび交うと気恥ずかしさは相変わらずですが、、、、森山俊之名人、お好きですか?
    2016年02月21日 13:33
  • 日比野

    おじさんさん

    こんにちは。

    >「どんな大人に育って欲しいか」と考えると割と堅い古風な名前に、「どんな子どもであって欲しいか」と考えるとキラキラネームというか今風というか「これで爺婆になったらどうするの?」みたいな名前になるそうです

    あぁ、なるほど。そうかもですね。

    本名で、それっぽい名前ならまだあれなのですけど。

    大学時代、バイク好きの友達から、整備などで顔を出すバイク屋の親父さんの名刺を見せられてびっくりした覚えがあります。

    「六車速男」

    目一杯チューニングしてくれそうです(笑)
    2016年02月21日 14:04
  • 日比野

    白なまずさん

    こんにちは。

    >その由来が実は戦国武将由来でしかも思いっきり今住んでいる地域と関係すると解り今では何となくですが、いい名前も付けて貰ったと思っています。

    それはそれは。"名のある"お名前なのですね。しかも地元に関係あるとなれば、初対面の方でも一発で覚えていただけそうですね。

    >森山俊之名人、お好きですか?

    うわっ。このネタに気づかれるとは、流石です。

    すべての駒が働く重厚な棋風が好きなんですよ。

    実は最初名前だけ適当に決めたあとで、はっと気づいて、苗字を後付けにして仕込みました。で、モブキャラの名前にも仕込みをいれてます。

    第二話で新入生総代をやった子は「出雲の稲妻」からだったりします。

    こっち方面のネタは五話にも登場します。
    2016年02月21日 14:09

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