今日はこの話題を極々簡単に……

2月23日、アメリカの国防当局者は中国が南シナ海のパラセル諸島(西沙諸島)で実効支配するウッディ島に戦闘機を配備したことを明らかにしました。
アメリカのFOXテレビなどによると、配備されたのは、J11やJH7型爆撃機などのようですけれども、当局者はウッディー島には1990年代から滑走路があり、中国軍は、過去にもたびたび戦闘機を派遣させていると述べ、特異な動きはない、としています。
ただ、スプラトリー(南沙諸島)諸島の人工島にレーダーを配備し、米中外相会談が行われた日にこれですからね。外交メッセージが一杯詰まった行動とみるべきでしょうね。
23日の米中外相会談後の記者会見で、アメリカのケリー国務長官が「残念なことに、ミサイルや戦闘機、さらに砲兵部隊などが配置されている」と批判しましたけれども、中国は無視しています。
中国外務省の華春瑩報道官は、翌24日の記者会見で、「西沙諸島は、いかなる争いも存在しない中国の領土であり、みずからの領土に何を配置しても、それは完全に主権の範囲内の事柄だ。……過去数十年の間、ほかの国が南シナ海の島にたくさんのレーダーや先進的な武器を配置したことに注意を払ったことはあるのか」と反論しています。言いたい放題ですね。
これに対して、オバマ大統領が何ができるのか、というと、航行の自由作戦こそしていますけれども、そこから更に一歩踏み込めるかというと、心許ないですね。多分何もできないのではないでしょうか。
今、アメリカは大統領選がスタートしています。つまりオバマ大統領の任期が終わりに近づいているのですけれども、やはりこういう任期の終わりが近くなると、抑えが効かなくなって、勝手をやり始めます。今がチャンスと見ているわけです。
まぁ、ある意味それは日本も同じで、5月上旬に安倍総理がロシアのソチでプーチン大統領と首脳会談を行うと報じられています。非公式訪問のようですけれども、昨年流れたプーチン大統領の訪日も睨んでのことでしょうね。
この安倍総理の訪露については、2月9日に安倍総理とオバマ大統領との電話会談でオバマ大統領が訪露の延期を求めたのですけれども、安倍総理は「日本にとってはロシアとの平和条約も大事だ。ロシアと対話を続けていくべきだ」と拒否したと伝えられています。
その後、12日に政府関係者から安倍総理の訪露が発表されていますから、ほぼ本決まりなのでしょうね。
おそらく、アメリカからの横槍が入りにくい今年を狙って、安倍総理も領土問題含めて一気に大きな政治的動きをしてくる可能性があります。
今年はより世界が騒がしくなるかもしれません。
この記事へのコメント
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最初から見えていましたから、今の状況は「当然の帰結」ではあるのでしょう。
あれですね、「Yes, we can!」って、
世界の“テロリスト”たちが言うセリフでもあったということで。
ポール
考えてみれば米国の要請に従わない日本というのは従来であれば「あり得ない事」というのも頷けます。
オバマ氏の政権末期による影響力低下は米中関係のみならず日米関係にも及んでいるのですね。