台湾南部地震について

 
 今日はこの話題です……
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 台湾南部の地震の被害が広がっています。亡くなられた方のご冥福を謹んでお祈りいたします。

 2月6日、台湾南部の高雄市でマグニチュード6.4の地震が発生しました。

 震源は高雄市美濃区で、深さは16.7キロ。おおよそ深さ60kmまでの地震は浅発地震とされていますから、震源は浅いですね。マグニチュードと震源の浅さからみてそれなりに揺れたものと思われます。

 ネットにアップされている映像等を見る限り、ビルが倒壊したり、一階部分が潰れたり、阪神淡路大震災を思い起こさせます。

 一部ブログ等では震度5強~6弱相当の揺れだったとして、こちらのアメリカの地質調査所の揺れマップを根拠に挙げられています。確かに、色は黄色からややオレンジで、最下段の[Instrumental Intensity]ではⅤ~ⅤⅠあたりになりますから、或いはそれで震度5強~6弱としたのかもしれません。

 ただ、この最下段の[Instrumental Intensity]の表記は、その上の段の[PEAK VEL]、更に一つ上の[PEAK ACC]からみて、おそらく改正メルカリ震度階のことだと思われます。

 改正メルカリ震度階とは震度を表す階級で、イタリアの地震学者メルカリが提唱し,修正が加えられたもので、アメリカでは一般的に使用されているものです。無感からⅠ~XⅡまでの等級に分かれています。

 では、改正メルカリ震度階が日本でいう震度にどう対応するかなのですが、厳密には、対応させることはできません。なぜなら、改正メルカリ震度階は地震による被害に基づいているのに対して、気象庁のそれは震度計による計測結果に基づいている違いがあるからです。

 また、改正メルカリの地震による被害を基準とした場合、建築物の耐震性能によっても被害に差が出てきますから、場所や国によってバラツキが出ることになります。ですから、日本人の感覚がそのまま当てはまるとは言い切れないところがあります。

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 こちらに大凡の対応がアップされていますけれども、これに従えば、震度4~震度5弱あたりのようにも思われます。
 
 一方、こちらの台湾中央気象局の発表だと、震度5級、一部6級となってます。台湾の震度は日本とほぼ同じですから、こちらでは震度5から震度6相当の揺れがあったことになります。

 どちらにせよ、大きな地震であることには変わりありませんし、やはり古い建築物は耐えられなかった可能性は十分にありますね。

 今回の地震で、高雄市の隣の台南市中心部の永康区に位置する築21年の16階建てのビルが、横倒しとなる形で倒壊したそうですけれども、露出したコンクリートの柱などの中に、複数のサラダ油などの缶が埋め込まれているのが見つかったそうです。台湾内政部は、手抜き工事の可能性があるかどうか調査する方針を出していますけれども、この機会に徹底的に調査した方がよいかもしれません。

 一方、今回の地震発生が午前四時頃で、公共交通機関が停まっている時間帯だったというのは、不幸中の幸いだったのかもしれません。今の季節、台湾は丁度春節で、台北など北部に暮らす人が南部の実家に帰るなど帰省ラッシュが始まっていたそうですから、これが昼間の時間帯だったら大参事になった可能性があります。

 台湾新幹線は台南付近で架線に被害が出て、中部の嘉義以南は終日運行を取りやめたと伝えられています。

 安倍総理は、馬英九総統に「大きな被害が出ているとの報に接し、大変心を痛めている。必要な支援を何でも供与する用意がある」とお見舞いのメッセージを送っていますけれども、一刻も早い救援活動を望みます。

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