昨日の続きを極々簡単に……

6月16日、自民党国防部会は中国海軍艦が日本の領海や接続水域に相次いで侵入したことを受け、政府が中国側に対し厳重に抗議することなどを盛り込んだ決議文をまとめました。
決議文は中国海軍の活動について「緊張を高める一方的行為で、断じて容認できない」とし、政府に「自衛隊による万全な警戒監視」、「南西諸島防衛に必要な装備の取得」、「さまざまなシナリオに基づくシミュレーションの実施」、「日米同盟による抑止力の強化」などを求めています。
会合に出席した防衛省幹部は中国の狙いについて「東シナ海の領有権に関する主張を一切妥協することはないという姿勢を誇示する狙いがあった可能性がある」と指摘しています。また、部会長である大塚拓議員は「中国は国際法を全く理解できていない。危険な行為は断じてやめさせなければならない」と述べたそうですけれども、「一切妥協しない事を誇示」する相手に言葉で抗議して止めてくれるとはとても思えないですね。
強制力をバックに持たない抗議をいくらしたところで平然と無視されるのが落ち。ならば、発揮できる強制力を持たなくてはなりません。
何度か取り上げたことのあるインドネシアのスシ海洋・水産相は、このほど、自国の領海内での違法操業により拿捕した中国漁船を含む外国漁船30隻を爆破すると発表しています。もの凄い見せしめです。実際、スシ海洋・水産相の対応に、中国側がビビっているという噂まであります。
まぁ、こうした対応が出来るのは、スシ海洋・水産相という卓越した女傑がいるということもあるとは思いますが、インドネシアが中国に比べて小国であるというもあるかもしれません。なぜなら、大国同士が戦うと世界を巻き込んでしまう可能性があるからです。持っている力が大きすぎるが故に、それを互いに行使したら、ただではすみません。その時はきっと周りが止めに入るでしょうね。
既に世界は対中国シフトで動き始めています。ASEANは中国と距離を置き始めました。先日、中国雲南省玉渓で開かれた中国とASEANの外相による特別会合で、ベトナムなど一部加盟国と中国が対立する南シナ海の領有権問題をめぐる議論が決裂、共同記者会見も開かれず、中国の王毅外相が1人で会見するという異常事態が発生しています。
また、アメリカ海軍で、東太平洋を担当する第3艦隊が、第7艦隊とともに、東アジアにさらに艦船を派遣することも明らかになっています。もう明らかに中国に対する外交メッセージと牽制ですね。
世界は日本人が思っている以上に早く動いていると考えた方がよいと思いますね。
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