バックアップを用意した都知事選

 
今日はこの話題を極々簡単に……

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東京都知事選で、各党が候補者を擁立できない中、ようやく「大物」が名乗りを上げました。

6月29日、自民党の小池百合子元防衛相が国会内で記者会見し、都知事選への立候補を表明しました。小池氏は「このたびの都知事選に、自民党議員として出馬の決意を固めた。地元の有権者はじめ、さまざまな方々から立候補の要請をいただいた。熟考した結論だ。都政の信頼回復、停滞の解消、山積する現在の課題の問題解決、希望あふれる未来の首都・東京の構築のために、崖から飛び降りる覚悟で挑戦したいと思っている」と決意を表明しました。

確かに、前知事、元知事と連続で金の問題で辞職しただけに、今度の候補はクリーンであるという大前提が必要で、その上で都政を仕切り、東京五輪への準備を進められるだけの実務能力と、更に知名度も無ければならないというトンデモなく高いハードルを超えられる人でなければなりません。

その意味では小池氏であれば、閣僚経験もあり、知名度合わせて、このハードルをほぼクリアできるであろう候補と言えるでしょう。

ただ、不思議であるのは、小池氏は出馬に当たって、都連に何の相談もしなかったという点です。

石原伸晃経済再生担当相は、小池氏の出馬会見を事前に把握していたのは誰もいなかったと述べています。また、都連所属の萩生田光一官房副長官は「都連執行部に何ら相談なく意思を表明することは違和感がある」と思いっきり批判しています。

言ってみれば、スタンドプレーということなのですけれども、なぜそんな事をしたのか。

党からは「小池氏は自身が名乗りを上げることで、桜井氏が『候補は他にもいる』と説得を受け入れないよう先手を打ったのでは」と言う声や、「最終的に消去法的に推されることを期待しているのでは。有力候補が他に現れたら分裂選挙を避ける名目で辞退し、政権に恩を売ってポストを求める可能性もある」との見方もあるようです。或いはそうかもしれません。

ただ、筆者は、今回の小池氏の出馬表明は「もしものための保険」ではないかと見ています。

先に触れた、自民党都連会長の石原伸晃氏は、会合後の記者会見で小池氏について次の様に述べています。
「一任を頂戴し、内田茂幹事長、あるいは萩生田光一官房副長官、平沢氏、菅原一秀衆院議員…皆さんが、どんな方がよくて、どういうことをお願いしようかということも考え、個々に動いている。現時点においては残念ながら。皆さんに「こういう方を推薦させていただきたい」とまず諮ります。順番からいったら。都連で決まったら、今度は党本部にあげるわけです。そして最終的には谷垣禎一幹事長が決断される。なので都連と党執行部の挙げられる方が違うことも、知事選はあるわけですね。公明党の皆さんにも諮らなければいけない。今日の段階では、まだ全然そういう段階までいたっていない。ですから、今日はそういうことを進めていくと再確認し、都連は一丸となって決まった候補を応援していこうということで、全員で拍手をして散会になった」
このように候補者はまず幹部会で候補者を決め、国会議員会議あるいは都議会議員会議の賛同を得て党幹事長に報告。党幹事長は自身の承認の他に連立与党の公明と調整して最終的に決めるということですね。これだけでも多くの手続きと時間が必要なことが分かります。おそらく普通の都議選であれば何ヶ月も前から候補者の選定と出馬要請をしていた筈です。けれども、今回は舛添氏の辞任を受けての急な選挙です。

それに今は参院選の真っ只中です。只でさえ時間がないのに、その貴重な時間は参院選で取られてしまう。下手をすれば候補者が見つからない、或いは党上層部の承認或は公明の合意を取り付けられないことだって有り得ます。

そういう万が一の時に備えて、今のうちに名前を出しておいたのではないかと思います。

小池氏であれば、求められる候補者のハードルはクリアできるでしょうから、今の段階から党上層部が裏で動いて、公明の了解を内々に取り付けて置く。都連は都連で、独自にいつものやり方で候補者を探す。パラレルで動かすということですね。ここで、小池氏が「保険」なのだと都連に知られてしまうと、本気で候補者は探さないでしょうから、そういうことはあえて伏せておく。まぁ、石原氏くらいには知らせているかもしれませんけれども、こういうのは「腹芸」が出来る人でないと務まらないような気がしますね。

ということで、本命では、都連からの推薦候補をギリギリまで待つけれども、勝てる候補を出せなかった場合、あるいは候補者を擁立できなかった時の万が一に備えて、小池氏を出した、という可能性があるのではないかと思いますね。

この記事へのコメント

  • ちび・むぎ・みみ・はな

    石原氏が見限られたと言うことだろう.
    全体を通して, 彼にはぱっとした指導力が見られない.
    このまま任せておけば, 元官僚のぱっとしない候補を
    出して苦戦する可能性が高い.
    しかも, 公明党に頭の上がらない候補になる.

    諸々を考えれば, さっさと名乗りを上げるのが
    一番良いのだろう.
    2016年06月30日 13:01
  • 石川県の住民

    小池さんを支持する者ではありませんが。
    都議会は舛添さんを追及しながら、高額のリオ視察を決めていたのですよ。
    結果的には中止しました。
    そういう都議会が出馬を要請する候補者に投票するのは、どうでしょう?
    石川県の自民党の参議院候補者の岡田氏は、党の職だからと地元に殆ど戻らずに東京にいます。
    東京も石川県の候補者も都民・市民をどう思っているのでしょうか??
    2016年07月05日 16:41

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