台湾の誤射と試射 ~備えあれば憂いなし、です~

 
今日はこの話題を極々極簡単に……

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7月1日、台湾国防部は南部・高雄で演習の準備をしていた海軍の艦艇が点検作業中だったミサイルを誤って発射したと発表しました。ミサイルはミサイルは北西に約75キロ飛び、台湾の離島、澎湖島の手前に着弾。中台の実効支配の区分け線とされる台湾海峡の中間線は越えなかったようです。ところがこのとき、航行していた台湾漁船を直撃して貫通。船長が死亡、船員2人がけがをしたと伝えられています。亡くなられた船長の御冥福を祈ります。

発射されたミサイルは「空母キラー」の異名を持つ雄風3型改と見られています。

雄風3型改は、ラムジェットエンジンと固体燃料ロケット・ブースターによる推進システムを持つ超音速の対艦巡航ミサイルで、最大飛行速度マッハ3。射程は400キロ以上と言われています。

雄風3型は、2011年に開催された展示会「台北国際航空・防衛技術見本市2011」で御目見えし、そのディスプレイに描かれたフレーズと絵が話題になりました。そのフレーズは「航母殺手」要するに空母キラーのことです。そしてそのディスプレイの背後の絵がスキージャンプ台を備えた中華空母「遼寧」を思わせる絵だったのですね。確かによく似ています。

尤も、台湾の軍関係者は、「雄風3を『空母キラー』と呼んだり中国の空母らしきものを攻撃するディスプレイを展示することで、中国になんらかの政治的メッセージを発信しているのではない」と、インタビューに答えたそうですけれども、まぁバレバレですね。

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今回の誤射についても、台湾国防部は「意図的なものではない」とコメントしていますけれども、ちょっと怪しい感じはあります。

というのも、7月初めに台湾はアメリカのニューメキシコ州のホワイトサンズで、改良型パトリオットPAC3の発射試験を実施するからです。試射には台湾から二つのミサイル部隊が参加するようなのですけれども、中国が弾道ミサイルを発射したと想定してアメリカ軍が発射したミサイルを迎撃するようです。

報道では試射を台湾で行わない理由は、アメリカで行うのは台湾の立地の狭さは元より、それ以上に中国の情報探知活動を阻むという目的の方が大きいからだとしています。

ただ、筆者はやはり、目の前で迎撃試験をしてあからさまに刺激することは避けたのでないかと思います。けれども、その一方で何故か中国に向けて「誤射」が見事なタイミングで発生する。何やら「合わせ技一本」の匂いがします。

筆者は5月のエントリー「策士・蔡英文総統」でも述べましたけれども、どうも台湾の蔡英文総統は表と裏、表の建前と裏の本音を同時に見せることで、表向きは事を荒立てずに、裏でしっかり喧嘩するというか、主張するやり方を取っているように見えます。

流石"霧島"様。やりますね。

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