豊洲の地下は引火するか

 
今日はこの話題です。

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豊洲市場が火を噴き出しました。

9月10日、小池東京都知事が記者会見を開き、これまで都が築地市場の移転先となる豊洲市場の土壌の汚染対策として、およそ40ヘクタールに及ぶ豊洲市場の敷地全域で行ってきたとしていた盛り土工事を一部で行っておらず、空洞が設けられていたことを明らかにしました。

小池知事は12日に副知事や主要な局長など幹部職員を集め、盛り土をしない判断を誰がしたのか等、これまでの経緯を調査するほか改めて専門家会議を再開するなどして安全対策の検討に早急に取り組むよう指示しました。

しかも、この問題についての担当部署では当時のみならず、現在の部長や課長などの幹部も把握していたようです。にも拘わらず、都のホームページなどでは「万全な土壌汚染対策」として施設が高さ4.5メートルとなる盛り土の上に建っているイメージ図を掲載していました。

豊洲は昭和29年から海面の埋立てが始まり、東京ガスの製造工場が建設され、昭和31年から昭和63年まで、都市ガスの製造・供給が行われていました。要するに元々工業用の埋め立て地だったわけです。

東京都が築地の豊洲への移転を決めたのは2001年ですけれども、この年に東京ガスが土地に汚染が残ることを明らかにしています。そして、2007年に開かれた専門家会議では、基準値の4万3000倍ものベンゼンや860倍ものシアン化合物が測定されたことが明らかになり、その対策として、ガス工場(海抜4m)の地下二メートルの土を全て掘り返して、汚染土の浄化処理をすると同時に、掘った地下二メートルの位置に厚さ50センチの砕石層を設置。その上に浄化した土を埋め戻すというのが汚染土に対する対策のようです。

では、何故、そこから更に盛り土をするのかというと、元々工業用の埋め立て地で、低い土地である豊洲を再開発するにあたり、高潮や津波対策として盛り土をして地面を「嵩上げ」するのが主な目的のようですね。

こちらの都のサイトに各種資料が公表されていますけれども、平成26年11月27日の「2 技術会議における土壌汚染対策工事完了確認状況のまとめ」の中で埋め戻し、盛り土の完了確認と報告されています。

ぱっと聞いただけでは、何やら敷地全面で盛り土していなかったかのように聞こえるかもしれませんけれども、実際は、殆どの敷地では盛り土をしたものの建物の真下だけ盛り土を止めていたということのようですね。

具体的には、水産卸売場棟、水産仲卸売場棟、青果棟の3棟の建物の下は盛り土せず、床下5メートルが空洞になっているとのことです。

何でも、配管などを点検・修理するスペースを確保するため、空洞を設けることにしたらしいのですけれども、それならそれで問題ないかときちんと確認するべきですね。

というのは、卸売り市場はこれらの建物の中で行われるからです。

一応、海抜2mの位置に設けた砕石層と、問題の空洞の上に建設される建物自身のコンクリ床が汚染に対する防壁になるかと思いますけれども、ベンゼンは常温で揮発性が高い上に引火性も高いですから、問題となった空洞に溜まってしまう危険が本当にないのか確認するべきだと思いますね。

9月14日に、共産党都議団が問題の「青果売場棟」の地下空間を視察した際には、茶色の水が溜まっていて、pH試験紙をつけると「強アルカリ性」を示したと報告したそうですけれども、これが本当であれば、何らかの化学物質が溶け込んでいる可能性があります。

小池都知事が先月末に豊洲への移転を延期するとした判断は正解ではないかと思いますね。

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この記事へのコメント

  • kazusa

    こんにちは。
    空洞と表現するとあるべきもの(盛り土)がないイメージがありますが。
    地下ピット、配管スペースと表現すれば建屋の一部であり、なくて良いもの(盛り土)がなかった、となりずいぶん印象が変わってきます。
    地下ピットまたは配管スペースは建屋の設計段階から存在してたそうです(ビルや工場では普通にある)。
    地盤の構造説明図には概略図のため建屋の基礎や地下ピットが省かれており(①「地下水管理システム」の概要には表現されている) いかにも建屋が盛り土の上に浮かんで建てているかのように誤解を受け地下ピットを知らない素人が空洞=手抜きと連想したのが騒動の元かと思います。
    そこに小池知事の東京都の改革イメージづくりのネタにされたりマスコミのバッシングが加わり良識派が発言できない状況になっているのが現状です。
    冷静な議論でコンクリートで仕切った空間と盛り土の安全性に差があるのかを客観的な有識者による判断をしなければ感情に押し流され移転中止や工事のやり直し等で都民の税金が無駄に使われる恐れがあります。
    都の無駄遣いを追求しようとしたらそれ以上の無駄遣いが発生したではシャレになりません。
    2016年09月16日 08:27
  • kazusa

    書き忘れていました。
    コンクリートは強アルカリ性です。
    打ちたてのコンクリートに溜まった水はアルカリ性になるのが普通です。
    2016年09月16日 08:42
  • ちび・むぎ・みみ・はな

    これは多分に官僚の手続き主義の結果だろう.
    官僚は物事を決められた通りに勧めることを目指す.
    議論を活発にして内容を充実させるために
    計画が狂うのを嫌う様に思う. なぜなら, 計画が
    狂えば再計画が必要になり, 上司, そして上司の上司から
    再び許可をもらわなければならないし,
    そんなことを頻繁にしでかす担当者は無能と見做されやすい.

    今回の場合, 専門委員会では了承された形になっているから,
    山本○○氏のような実証主義の批評家から見れば
    手続きに瑕疵はないと言うことになっているのだが,
    騒動が起きると誰も明確に説明できない.

    しかもまずいことに, 専門委員会の上部委員会が
    先に解散してしまっていたらしく, 専門委員会の
    決定は議事録のみに存在し, その決定は上部委員会で
    改めて確認されることがなかったらしい.
    これでは都の広報が違ったことを説明していても当然だ.

    議論とその結果の共有が蔑ろにされている.
    それが最近の日本の隅々に表れているのではないか.
    2016年09月16日 12:28
  • ミモロン

    強アルカリ性の液体となると…素手でさわるのは割と危ないですね。
    得体の知れない水に、ゴム手袋もせずに手を突っ込んだ人が何人か居たみたいなので、手が荒れていないかどうか、流石に気になりました(すぐに綺麗な水で洗い流したかも知れませんけど)。

    いずれにせよ、これだけ事態が混沌として来ましたので、専門家による、きちんとした調査結果待ち…という事になりますね。
    2016年09月16日 20:33
  • ゆうこ

    有識者会議なんてあったけどしらばっくれて、初めから盛り土なしでやる方向だったんですね
    でもビル建設に地下空間は当たり前だそうです、テレビで明治大学の大学院青山教授が言ってました
    日本テレビの地下は27メートルのコンクリートの空間を耐震のために作ってありますとのこと
    その他汐留、豊洲の有名ビル群の地下空間の説明も・・

    地下水は雨水なのでしょうけど、5月引き渡しの時から排水設備を稼働しておけばよかったのに
    この間の台風で水が入っちゃったんでしょうね・・電気代金をケチったのかな?
    排水ポンプは設置されています・・地下にたまった水はトイレ用の排水に使う事も可能なようです
    アルカリ?そりゃ弱酸性はビオレのお肌にはいいけど、鉄筋に酸性はまずいでしょうね
    錆びてしまいマス・・強アルカリくらいで丁度いいです
    ちなみに温泉で弱アルカリ温泉はお肌がつるつる(ぬるぬる)です・・別名美肌の湯ともいわれます

    しかし何でこんなに都は説明が足りないのか?しらばっくれてる!
    また盛り土の金額とコンクリートの箱の値段は釣り合うのか?
    お金の流れだけは小池知事にしっかりやって頂きたいです
    2016年09月17日 20:29

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