今日も本当に極々極々極々簡単に………・…


9月2日、安倍総理はウラジオストックの極東連邦大学でプーチン大統領と夕食会を含め約3時間の首脳会談を行いました。
会談後、安倍総理は「プーチン大統領とは、日露関係だけではなく、北朝鮮問題、あるいはシリア、ウクライナ問題といった国際社会が直面する諸課題について、ゆっくりと時間をかけて議論を行いました。特に、平和条約については、2人だけでかなり突っ込んだ議論を行うことができたと思います」と述べ、新しいアプローチに基づく交渉を今後具体的に進めていくとしています。
会談の中で、11月のペルーでのAPEC首脳会議に合わせて首脳会談を行うことと、12月15日に山口で日露首脳会談を行うことが決まりました。
プーチン大統領との会談は通算14回、今年に入ってから今回の会談で早くも4回目になります。今年はあと2回も予定されています。一年に6回も首脳会談をするというのは相当です。水面下では色んな協議が行われている筈ですね
会談の前日プーチン大統領はブルームバーグのインタビューで「交換や売買ではなく、解決策を模索すべき。いずれの国も損したと感じないような、いずれの国も勝者または敗者と感じないような解決策を」とコメントしています。
昨日のエントリーで、日本政府が北方領土の日本の帰属が確認された場合は北方領土で暮らすロシア人の居住権を容認する方針を固めたと紹介しましたけれども、プーチン大統領の「勝ち負けを感じさせない解決策」はこれと見事に符号しているようにも感じますね。
また、これに合わせて、外務省がロシア国民の多くが、日本との関係を友好的だと考え、重視しているとの世論調査の結果を発表しています。
これは外務省が「全ロシア世論研究センター」に依頼して行ったもので「日本とロシアは現在どのような関係にあるか」との設問に、78%のロシア人が『友好的』または『どちらかといえば友好的』と答え、両国の友好関係を「重要」または「どちらかといえば重要」と答えたロシア人は97%いたそうです。
更に北方領土については、ロシア人の53%がロシア連邦内のままであるべきと考える一方で、42%が双方に受け入れ可能な解決が必要だとする結果となっています。
何やら世論作りに入ってきている感じがしますね。やはり今年12月のプーチン大統領の訪日で何某かの発表があるのではないかと期待してしまいますね。
この記事へのコメント
おじさん
となると歯舞色丹の二島返還ということにして、ロシアは4つのうち2を手放し日本は4つのうち2を取り返したことで良しとして今と将来を生きるロシア人島民に配慮したという形でどちらも互いに譲歩したということになるのではないでしょうか。
個人的にはそれで十分だと思います。あと北方領土周辺のややこしい漁業権問題とかにはっきり線引も出来るでしょうしね。
安倍総理は良くも悪くも現実主義者なので過去の交渉経緯やこだわりとはあっさり決別しそうな気がします。
言っちゃなんですが、旧島民の郷愁とか思い出とかいう糞の役にも立たないようおセンチなもので今と将来に生きる人間の暮らしをひっくり返すようなことをしては日本国と日本人は誰からも相手にされなくなるでしょう。
事程左様に時の流れと実効支配の事実は重いので尖閣と竹島についてはもっと厳しく対処して欲しいと思いますね。
おじさん
中共の策動はWW2の結果を踏まえて決められた世界秩序・主権範囲の線引に真っ向から挑戦し壊そうとしていますね。
ここで日露が長年の未確定事項だった北方四島の帰属にケリをつけることができればそれはWW2後の秩序の再確認として中共の現状変更の試みに対する警告にもなりうると思うのです。
それだけに中共は色々妨害や離間工作をして来るでしょうがなんとか跳ね返してほしいものです。
aqa
冒頭の「極々簡単に……」という決まり文句は、あまり受けが良くないかもしれません。少なくとも自分は不快です。
土産物を渡すとき、慣用句として使われる「つまらないものですが」に、外国人が苛立つのと同じ感覚かもしれません。充分に下調べを行った上で書いているのは、傍目にも分かります。それを「簡単に」と総括してしまうのは、過剰なへりくだりに思え、卑屈な印象を与えるんですね。
ご自分の書いた記事に自信があるのなら、こうした決まり文句は使わない方がいいと考えます。ブログに個性を出したいのなら、別のフレーズを採用すべきでしょう。
日比野
御指摘ありがとうございます。配慮が足りず大変失礼いたしました。以降気をつけます。
今後ともよろしくお願いいたします
opera
この点で、竹島問題は韓国側に①の要件が完全に欠缺しているので、本来は実効支配ではなく不法占拠と呼ぶべきものです。また、尖閣諸島周辺でいくら中国が争乱を起こそうとも、国際的に通用する①の要件を主張できない以上、単なる侵略行為に過ぎず、実効支配は成立しません。
北方四島が厄介なのは、その占拠について一定の歴史的な権限があったことですが、これは先の大戦後の占領権限の一種に過ぎません。したがって、平和条約の締結等の戦後処理と同時に(実はソ連及びその後継であるロシアとは、先の大戦の戦後処理が終了していなかった)四島の一括返還は当然のことで、この原則を譲ることはできません。二島返還等の中途半端な妥協は、むしろ尖閣諸島の領有問題等にも悪影響を及ぼすことになるでしょう。
四島返還後のロシア人住民の扱いについては、以前から台湾領有時の先例を考慮し、そのことをロシア側に説明すべきだと言われてきました。日本は台湾領有に際し、とくに大陸系の住民に対しては、土地等の財産を処分して大陸に退去するか、台湾に留まるかの選択権を与え、台湾に残留した者に対しては日本国籍を付与しました。
四島返還に対するロシア側の恐れの一つに、住民の資産は没収され強制的な立ち退きを要求させれるのではないか(ソ連時代は国内で普通に行なわれ、四島の住民自体がその対象者だった)という点があり、そうではないということが明らかになれば、住民の意識も大分変わるだろうと言われてきました(日本の永住権の獲得は、むしろ特権に近い扱いを受ける可能性すらあります)。
その意味で、今回の政府の発表は、実に的を得たものと言えます。