今日もこの話題です。


11月10日、安倍総理はトランプ次期大統領と電話会談し、17日(現地時間)にニューヨークで会談することで一致しました。正式な大統領就任前の会談は異例なのだそうです。
電話会談で安倍総理は、トランプ氏に祝意を伝えるとともに「日米同盟はアジア太平洋地域の平和と安定を下支えする不可欠な存在」と強調。トランプ氏は「日米関係は卓越したパートナーシップであり、この特別な関係をさらに強化していきたい」と受けました。
急遽決まった会談と、安倍総理の行動力とリーダーシップは見事でした。
というのも、官邸を始め日本政府はトランプ氏とのパイプが殆どないとされているからです。日本政府関係者はヒラリー氏が勝利すると予想。トランプ陣営とは、トランプ氏が在日米軍駐留経費の日本側負担増などを唱えると接触して日米同盟の重要性を訴える程度。10月に菅官房長官が、来日したトランプ氏側近とされるマイケル・フリン元国防情報局長と面会したと伝えられていますが、それ以上にどうこうという報道は見かけませんでした。
そもそも、去年の5月に安倍総理がトランプ氏について調べておくようにと指示していたにも関わらず、外務省は「泡沫候補に過ぎません」と軽くみていて、トランプ氏が共和党候補に指名されてようやく情報収集を開始したそうですから、あにはからんや。
11月9日の大統領選当日の午後3時前、トランプ氏が勝つと判断した安倍総理が河井克行首相補佐官を執務室に呼んで「トランプ氏の関係者に徹底的に会ってきてほしい。徹底的にだ」と指示。14~18日に訪米して関係づくりに着手するという段階でした。
この時、総理側近は「誰と話したらいいのか分からない……これから『よーいドン』でやる」と漏らしていたそうです。要するに、それ程パイプが用意されていなかったということです。
そこを打開したのが安倍総理でした。
10日の電話会談で安倍総理は、19日からペルーで開かれるアジア太平洋経済協力会議首脳会議を持ち出して、「ニューヨークを(政府専用機の)給油地にできる」と言って、直接会談を打診。トランプ氏は「そうなのか。17日にニューヨークにいるようにする。食事でもしようか」と応じ、日程調整はとんとん拍子で進んだそうですから、大したものです。
外務省始め、政府関係者は安倍総理に頭が上がらないですね。
電話会談でのトランプ氏は「アベノミクス」を高く評価し「いろいろなアドバイスをしてほしい」とコメント。政府関係者は「さすがビジネスマン……とてもまともな人だ」と頗る感触がよいようです。
一部で、トランプ氏の選挙選での過激な発言は演技ではないか、という指摘がありますけれども、その線が濃くなってきたように思いますね。
けれども、優秀なビジネスマンであっても、優秀な政治家であるかどうかは、また別の話です。というのも、トランプ氏自身、大統領職を務めることに一抹の不安を覚えているのではないかというフシがあるからです。
大統領選の行方を見守るトランプ陣営が、勝利が近づくにつれ湧きたっていくのに反して、トランプ氏本人はまるで喜んでいるように見えない画像がネットに出回って一部で話題になりましたし、こちらでは、大統領選勝利後、オバマ大統領と会談したトランプ氏の両手の動きから、ボディランゲージ専門家が「未知の世界に直面し、ドギマギしている」と指摘しています。
このボディランゲージのことは筆者は知らなかったのですけれども、非常に面白いですね。これが本当であれば、トランプ氏は"至極常識人"なのだなと思いますね。
逆にいえば、今のタイミングで安倍総理が訪米し、トランプ氏と会談することは非常に重い意味があると思います。なぜなら"刷り込み"ではないですけれども、"未知の世界にドギマギしている"トランプ氏に日本の立場、考え方を強烈にインプットできる可能性があるからです。
ネットの一部で評される「謎のコミュ力を発揮して」トランプ氏との会談を取り付けた安倍総理。うまくやってくれることを期待します。
この記事へのコメント
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拙者
トランプが当選したその夜にすぐ連絡。
幸福実現党の政策パクって人脈パクって強制捜査で潰そうとした党の元党首に
トランプとつないでもらう。本当、ご立派な総理ですよ。
安倍昭恵夫人のfacebookに会食の様子がUPされてます。
sdi
今は、会談の約束を取り付けるのみにして次期政権の構想が固まった段階でトランプ本人及び政権のキーパーソンと顔つなぎできるのが理想なんですけどね。今の段階では主要閣僚はおろか補佐官人事すら固まってないでしょう。
本人と顔つなぎできるだけでもマシ、というのは今後日米両政権のパイプ作りを一から始めなければならない、ということですね。上手くやってほしいものです。
それにしても外務省はホント使えないな。
ちび・むぎ・みみ・はな
一方とだけ面会したのだから, 外務省ガー
と言う前に安倍首相のグローバリストとしての
思い上がりがあったのは間違いない.
だからこそ, 大慌てで会談を設定したのだろう.
トランプ次期大統領とすれば, 何も要求しなくても
安倍首相が御機嫌伺いをしてくれるのだから気分が良かろう.
新聞等を見ると, トランプが TPP から撤退を
引っ込めたように見えるから日本にとってチャンスだ,
などと「阿呆な分析」をしているが, 事実は全く逆であろう.
オバマ大統領の時とは逆であり, 今度は日本が米国に
入って欲しいとお願いするために, 当然, 何らかの
譲歩は必然となる. 先の話しと同じである,
「トランプ次期大統領とすれば, 何も要求しなくても
安倍首相が御機嫌伺いをしてくれるのだから気分が良かろう.」
この様なドタバタは足元を見られるのであって,
必ずしも安倍晋三の外交手腕がすぐれていることを
示すものではない. 「安倍外交」なるものが実は
極度に米国依存であることを如実に示すもの.