トランプ・ウォール

 
今日は感想エントリーです

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11月13日、アメリカ次期大統領に選出されたドナルド・トランプ氏はCBSテレビのニュース番組「60ミニッツ」で女性ジャーナリスト、レスレイ・スタル氏との選挙後初のインタビューに応えました。

その様子はこちらで公開されていますけれども、このインタビューで、筆者には、トランプ氏が大統領としてどのような政策を出してくるかちょっと見えたような気がしました。

勿論、これは筆者の単なる印象に過ぎないので、眉唾でよいのですけれども、それは何かと一言でいうと、"コストカット"です。

このインタビューでトランプ氏は公約に掲げていた「不法移民全員を強制送還すること」について、次の様に述べています。

「彼らはここに不法にいるのです。国境が確保され、すべてが正規化された後、素晴らしい人々の扱いは国境を万全にしてから決定します。決定前に非常に重要なことは国境を確保したい」

強制送還云々の前に国境を確保する、と言っています。これは逆に言えば、国境が曖昧になっているということです。現状は誰も彼もアメリカに入国できるようになってしまっている。それを整理して、線を引くと言っているんですね。要するに入国審査の厳格化・徹底化できるシステムを作るということです。

不法入国者がどのようなルートでどうやって入国してくるのかを把握して、整理する。そして送り返すべきは送り返す。これをやることで財政を圧迫するコストをカットしていくのではないかと感じますね。

トランプ氏は11月10日、連邦議会を訪れマイク・ペンス次期副大統領と共に、ポール・ライアン下院議長、ミッチ・マコネル上院院内総務とそれぞれ会談し、議会における共和党の優先課題について話し合いました。会談後、トランプ氏は「われわれにはやるべきことがたくさんある。……われわれは移民問題を重視していく。医療も重視していく。雇用もだ」と述べ、この三つを最重要課題に位置づけました。

不法移民を国外退去させればその分、国内雇用が生まれます。それをアメリカ国内に流すことで、富の流出を防ごうとしている。これも不要な支出を抑えるという意味ではコストカットです。放漫経営を止めるイメージですね。

更には、貿易を介した外国への富の流出を抑えるために、関税を貿易障壁として使う。

トランプ氏は大統領選挙中に「日本があまりにも円安に誘導するので、友人は、値段が高いキャタピラー社ではなく、コマツのトラクターを買っている。それは許されるべきではない」と発言したことがありますけれども、これも同じ文脈でしょう。

つまり、トランプ氏は一度、アメリカに経済的、人的「壁」を築いて、過剰支出を抑えつつ、国内のコストの掛かる部分、無駄な部分をカットして、経営の健全化を図る。そうした狙いがあるように思いますね。

では、それを独裁的にやるのかというと、ちょっと違うかもしれない。なぜなら、トランプ氏はこのインタビューで法を尊重する姿勢を見せているからです。

トランプ氏は同性婚についてどう考えるか質問され、「それについてはすでに決着済みです。それは法律です。最高裁で結論がでています。同性婚は合法で構わない」と答えています。

つまり、法的に結論が出た問題にはそれに従う。仮に不服があった場合には、新しく立法するなどしてきちんと手順を踏む。

先程の不法移民の強制送還にしても"法に基づいて"送り返す訳です。

その意味ではTPPについても、自己中で勝手に抜けるのではなく、再交渉という形で望んでくる。そんな気がしますね。

こうしてみると、トランプ大統領の初年度の動きは、指しあたって、アメリカに"トランプ・ウォール"を築いて、国内整備に結構力を注ぐのではないかと思いますね。

この記事へのコメント

  • ちび・むび・みみ・はな

    トランプ次期大統領の考え方を
    コストに集約するのでは
    トランプが選ばれた理由と
    整合しない.
    2016年11月15日 13:03

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