今日はこの話題です。


11月29日、韓国の朴槿恵大統領が国民向けの談話を発表し、条件付きでの辞任の意向を示しました。これは無論、先の崔順実被告らによる国政介入事件での責任を追及されたことを受けてのことです。
内閣支持率が1桁パーセントにまで落ち込む中、尚も大統領として粘りを見せていたのですけれども、とうとう力尽きたという感じですね。
尤も、朴大統領に対して、野党各党が弾劾を目指す動きを加速させ、12月2日にも国会の本会議で弾劾を求める議案が可決される公算が高まっていましたから、或いは、不名誉の名札を付けられる前に、自ら身を引くことを選択したのかもしれません。
朴大統領が国民向けに発した声明の全文は次の通りです。
尊敬する国民の皆さん、このように朴大統領は辞意を表明したものの、辞任の手続きについて「大統領職の任期短縮を含む進退の問題を国会の決定に任せる」とぶん投げました。
私の不覚で国民の皆さんに大きな心配をおかけした点を、再び深くお詫びいたします。
今回のことで心を痛める国民の皆さんの姿を見ながら、私自身、100回でも謝罪するのが当然の道理だと考えています。
しかし、そのようにしても、その大きな失望と怒りをすべて解くことはできないという考えに至れば、さらに悲しい思いです。
国民の皆さん、
振り返ってみると、過去18年間、国民の皆さんと共にした旅は、これ以上ない、ありがたく貴重な時間でした。
私は1998年に初めて政治の道に入ったときから、大統領に就任して今日この瞬間に至るまで、ひたすら国と国民のためを思う心で、すべての努力を尽くしてきました。
ただ一瞬も私の私益を追求しておらず、小さな私心も抱かずに生きてきました。
今行われているいくつかの問題も、私としては国のための公的な事業だと信じて推進したことであり、その過程でどのような個人的な利益も得ませんでした。
しかし、周辺を適切に管理していなかったのは、最終的に私の大きな誤ちです。
今回の事件の経緯は、近いうちに詳細に話をさせていただきます。
国民の皆さん、
これまで私は、国内外の条件が厳しくなっている状況で、国と国民のためにどうするのが正しい道なのか、多くの夜を明かし悩み抜きました。
私は今、この場で私の決意を明らかにしようと思います。
私は、私の大統領職の任期短縮を含む進退の問題を国会の決定にお任せいたします。与野党が議論して国政の混乱と空白を最小限に抑え、安定して政権を移譲できる方法を作っていただければ、そのスケジュールと法的手続きに基づいて大統領職から退きます。
私は今、すべてのものを降ろしました。一日も早く大韓民国が混乱から抜け出し、本来の軌道に戻ることを望む心だけです。
もう一度、国民の皆さんに心から申し訳ないという言葉を申し上げ、大韓民国の希望に満ちた未来のため、政界でも知恵を集めてくださるよう呼びかけます。
これは韓国の憲法では任期途中の自発的な大統領の職務辞任について明確な規定がない為です。但し、第68条や第71条に大統領の「欠位」に関する条文があり、これが辞任でも該当するという見方があるようです。
その第68条、第71条は次のとおりです。
第68条① 大統領の任期が満了するときは、任期満了70日前から40日前までに、後任者を選挙する。これらの条文を今回の朴大統領の辞任に当てはめると、黄教安首相が大統領の職務を代行し、辞任から60日以内に大統領選挙が行われることになります。
② 大統領が欠位となったとき又は大統領当選者が死亡し、若しくは判決その他の事由により、その資格を喪失したときは、60日以内に後任者を選挙する。
第71条 大統領が欠位になり、又は事故により職務を遂行することができないときは、国務総理、法律で定められた国務委員の順序で、その権限を代行する。
次期大統領については、例の"無能"国連事務総長、潘基文氏が産経新聞など日本のメディアとのインタビューで、事務総長退任後に韓国の大統領選に出馬する可能性を問われ「私人として来年1月に韓国に戻った後、母国のために何ができるか、何をすべきか、友人や韓国社会の指導者たちと議論したい」と答えています。色気たっぷりに見えます。
上手い具合に事務総長の任期は今年一杯で終わりですから、韓国大統領選挙が来年行われるであれば、ばっちり間に合う訳です。
潘基文氏は朴大統領に近い後継候補と言われていましたからね。
もしかしたら、朴大統領は、年内の大統領選挙を避け、潘基文氏が大統領選に出馬できるように、自らの進退を国会に預ける形を取って、時間稼ぎをするという思惑もあるのかもしれません。
半島情勢もまたまた流動化してきました。
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