流行語大賞は流行った言葉なのか、流行らせたい言葉なのか
今日はこの話題です。
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12月1日、「ユーキャン新語・流行語大賞」のトップテンが都内のホテルで発表されました。
年間大賞は「神ってる」。
これは、25年振りのリーグ優勝を果たしたプロ野球・広島の緒方孝市監督が2試合連続でサヨナラ本塁打を放った鈴木誠也外野手を評して言った言葉です。鈴木選手は「僕自身が言った言葉ではないので、どうやって喜んでいいかわからないんですが、本当に嬉しいと思っています。優勝していい年になったと思うので、その年に"神ってる"受賞したことは一生忘れないと思います」と語り、大賞に「信じられないの一言です」とコメントしています。
去年の大賞は「トリプルスリー」でしたから、プロ野球界から2年連続の大賞受賞と持ち上げるメディアもありますけれども、野球を見ている人でないと、今一つピンと来ない選出であることは間違いありません。
因みに一昨年の流行語大賞のトップテンには「カープ女子」がランクインしています。選考委員の中に"カープファン"が居るのかどうか分かりませんけれども、ここ数年なんとなく"広島"にフォーカスが当たってきているような気がしないでもありません。そういえば、オバマ大統領の広島訪問も今年でしたね。
一部には、こちらのように、流行語が本当に流行っていたのか、グーグルに聞いて検証してみた人もいます。その結果、ダントツで検索されたのは「ポケモンGo」であり、他の単語は桁が二つ少ないのだそうです。
さて、流行語大賞には、毎年、政治関連の言葉がランクインしたりするものですけれども、今年は「保育園落ちた日本死ね」で、匿名ブログで待機児童問題への強い不満を訴えた言葉です。これについては今年3月1日のエントリー「待機児童と景気」で触れましたけれども、衆院予算委員会で、民主党の山尾志桜里氏が取り上げて広まったという経緯があります。
それでなのでしょうか、山尾議員は表彰されることになったようです。
尤も、山尾議員が表彰を受けることについては「山尾議員が作ったわけではない」と多くの批判の声があがり、"死ね"というネガティブな言葉が流行語として選ばれたことについても「審査はどうなっているんだ?」という指摘もあるようです。
ネガティブな言葉という意味では、ヘイトスピーチなどもそれに該当すると思いますけれども、果たして「保育園落ちた日本死ね」はヘイトスピーチではないのか、という声も上がっていますね。
こちらのブログでは、「『日本死ね』はなんでヘイトスピーチにならないの?」と問題提起し、ヘイトスピーチの被害者になり得るのは「本邦外出身者」だけという法律上の定義から、ヘイトスピーチに当たらないことに疑問を呈しています。
上述のサイトでは「流行っている言葉を紹介するというより、流行らせたい言葉を紹介しているとしか思えなくなってきた」と指摘していますけれども、筆者も同じ思いですね。
2014年12月のエントリー「印象操作はダメよ~ダメダメ」でも述べたことがありますけれども、今や国民がテレビ報道を監視し、疑問や批判の声をネットで広く配信できるようになりました。そんな時代に「流行らせたい言葉を紹介」するのは、宣言または誘導に堕する危険が伴います。
流行語だからどうだ、という積りはありませんけれども、流行語大賞は世相を反映しているとは必ずしも言えないようになってきているのかもしれませんね。
この記事へのコメント
おじさん
高史明や古市憲寿あたりの社会学者が例によって屁理屈をこねて正当化してますが、ああいう理屈が通るならもし立場が入れ替わって自分たちに呪詛や怨嗟あるいは対抗暴力(無許可のカウンター行為を正当化した時に言い出した概念)が向けられた時に自分を守ってくれるもが無くなるということをまるでわかっていないのですから呆れる他ないですね。
とおりすがり