安倍・トランプ日米首脳会談について

 
今日はこの話題です。

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2月10日、ワシントンを訪れた安倍総理は、トランプ大統領と日米首脳会談を行いました。

その模様はこちらの外務省のサイトで公開されていますけれども、共同声明は日米同盟と日米経済関係というシンプルかつ重要な声明になった印象ですね。

声明の中で日米同盟は「アジア太平洋地域における平和、繁栄及び自由の礎」と位置づけ、「あらゆる種類の米国の軍事力を使った日本の防衛に対する米国のコミットメントは揺るぎない」としています。

日米同盟はこれまでどおり揺るがないと宣言した訳です。

特に、安保に関する部分は注目してもよいと思われます。次に引用します。
両首脳は、日米安全保障条約第5条が尖閣諸島に適用されることを確認した。両首脳は、 同諸島に対する日本の施政を損なおうとするいかなる一方的な行動にも反対する。
 日米両国は、東シナ海の平和と安定を確保するための協力を深める。両首脳は、航行及び上空飛行並びにその他の適法な海洋の利用の自由を含む国際法に基づく海洋秩序を維持することの重要性を強調した。日米両国は、威嚇、強制又は力によって海洋に関する権利を主張しようとするいかなる試みにも反対する。日米両国はまた、関係国に対し、拠点の軍事化を含め、南シナ海における緊張を高め得る行動を避け、国際法に従って行動することを求める。

 日米両国は、北朝鮮に対し、核及び弾道ミサイル計画を放棄し、更なる挑発行動を行わないよう強く求める。日米同盟は日本の安全を確保する完全な能力を有している。米国は、あらゆる種類の米国の軍事力による自国の領土、軍及び同盟国の防衛に完全にコミットしている。両首脳は、拉致問題の早期解決の重要性を確認した。両首脳はまた、日米韓の三か国協力の重要性を確認した。さらに、日米両国は、北朝鮮に関する国連安保理決議の厳格な履行にコミットしている。
明らかに中国、北朝鮮に対する牽制です。

尖閣が日米安保の対象になることを明記するだけでなく、「同諸島に対する日本の施政を損なおうとするいかなる一方的な行動にも反対する」と記載させたのは大きいですね。

なぜなら、中国船が尖閣に対して領海侵犯を繰り返すことで、日本が施政権を持っていることを曖昧にし、それによってアメリカの介入を阻止しようとする狙いに対する強烈な批判になっているからです。

更には、「威嚇、強制又は力によって海洋に関する権利を主張しようとするいかなる試みにも反対する」と、中国の南シナ海への軍事進出を批判し、「国際法に基づく海洋秩序の維持」を強調しています。

そして、北朝鮮に対しては名指しで批判ですからね。日本にとっての喫緊の安全保障上の課題についてアメリカのコミットメントを取り付けたわけです。

一方経済については、アメリカのTPP離脱に対しても、「自由で公正な貿易のルールに基づいて、日米両国間及び地域における経済関係を強化することに引き続き完全にコミットしていることを強調した」とした上で、互いに最善の解決先を探していくという点を落とし所としたのですけれども、その前段で「アジア太平洋地域における、貿易及び投資に関する高い基準の設定、市場障壁の削減、また、経済及び雇用の成長の機会の拡大を含むものである」と断り書きを入れています。

外務省はTPPについての協定交渉の資料を公開していますけれども、その中で、TPPの基本的考え方として次のように規定しています。
1.高い水準の自由化が目標
 アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)に向けた道筋の中で実際に交渉中のものであり、同地域における高い水準の自由化が目標。

2.非関税分野や新しい分野を含む包括的な協定
 FTAの基本的な構成要素である物品市場アクセス(物品の関税の撤廃・削減)やサービス貿易のみではなく、非関税分野(投資、競争、知的財産、 政府調達等)のルール作りのほか、新しい分野(環境、労働、分野横断的事項等)を含む包括的協定として交渉されている。

これと、先の日米共同声明での断り書きを比較すると、それが殆どTPPの理念に沿うものであることが分かります。この辺りは安倍総理がねじ込んだものかもしれません。

また、 為替を含む経済問題については麻生副総理・財務相とペンス副大統領をトップとする経済関係の対話枠組みを創設し「分野横断的に対話を行う」ことで合意しています。

分野横断的ですから、単なる経済協力に留まらず包括的な内容になるものと思われます。既に安倍総理は「日米成長雇用イニシアチブ」構想を打ち出していますから、それを踏まえてのことかもしれません。

共同声明を見る限りでは、一方的にアメリカの要求を突き付けられ、日本がそれを飲んだという風には見えません。

詳細はこれから明らかになっていくでしょうけれども、今回の会談はまずます成功したとみてよいのではないかと思いますね。

この記事へのコメント

  • 通りすがり

    安倍政権は、しばしば、官僚主導によるアンポンタンな手を打つことがあるが、今回の結果には、ホッと胸を撫で下ろすことができた。
    2017年02月12日 07:45
  • ちび・むぎ・みみ・はな

    アホだ、アホとしか言いようがない。
    首相安倍グローバリスト晋三!
    世界はグローバリズムの具を知りはじめて
    国を守る障壁を作ろうとしているのに。
    中野剛志の『富国と強兵』をよく勉強すべきだろう。
    トランプも内心は鴨葱と思っているに違いない。
    2017年02月12日 12:11
  • a


    焦ってますね
    お困りなんですか?w
    2017年02月13日 15:25

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