半島を巡る米中対立にはあらゆる手段が使われる

  
今日はこの話題です……

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先日、安倍総理が訪米した際、アメリカのトランプ大統領が、北朝鮮の弾道ミサイル開発を阻止するために、あらゆる手段をとるという厳しい姿勢を示していたことが明らかになりました。

今年1月、北朝鮮の金正恩委員長は新年にあたって「ICBM(大陸間弾道ミサイル)の発射実験が仕上げの段階に入った……国防力強化において画期的転換を遂げた」と演説。今年の2月から3月に予定されている米韓合同軍事演習についても「演習をやめない限り、核による先制攻撃能力を強化する」と述べています。

トランプ大統領のコメントはこれに対するものなのですけれども、その「あらゆる手段」の中には北朝鮮への直接攻撃も含まれると認識されていて、ある政府高官も「トランプ大統領は絶対に唯々諾々とミサイルの完成を待たない」と述べています。

また官邸関係者は「北朝鮮がICBMの実験に成功すれば大きな節目になる」とコメントしているそうで、俄かに半島情勢が緊迫してきました。

2月14日、安倍総理は衆院予算委員会で、日本が攻撃される前に敵のミサイル発射基地などを破壊する「敵基地攻撃」について、「わが国は敵基地攻撃能力を有していないし、有する計画もない」と述べたうえで、「どのように国民を守るか常に検討する必要がある。今までの硬直した考え方でいいとは思っていない。不断に検討しなければならない」と検討を排除しない考えを示しています。安倍総理は同種の発言を今年1月26日の衆院予算委員会でも発言していますから、何等かの情報が上がっているのかもしれません。

更に、それと呼応するかのように「米軍も特殊部隊が 北朝鮮に攻撃を仕掛け、金正恩氏の殺害を計画か」などという記事もちらほらとメディアに上って来るようになりました。

まぁ、でもこんな記事を見かける内は何も起こらないというのはよくある話です。けれども、全くのゼロかというと、そうとも言い切れない。

ここから先は全くの憶測にしか過ぎないのですけれども、トランプ大統領はその"Xデー"に向けて準備を始めているのではないかという気がしないでもありません。

2月9日、トランプ大統領は中国の習近平国家主席と電話協議をしましたけれども、そこで「一つの中国」政策を維持する考えを表明したと伝えられています。巷では、これまで、一つの中国に捉われない発言をしていたトランプ大統領がヘタれたなどという声もあるようですけれども、筆者はこの時、トランプ大統領は中国と何等かの取引をしたのではないかと思っています。

それは何かというと、中国に北朝鮮を切り捨てさせる、という取引です。

1月6日のエントリー「朝鮮半島有事とトランプ大戦略」で、筆者はトランプ大統領の「一つの中国に縛られない」発言は、「"一つの中国"を認めて欲しければ、北朝鮮への援助を止めて手を切れ」という踏絵なのではないかと述べましたけれども、中国はその取引に応じ、北朝鮮を切り捨てる選択をしたのではないか、ということです。

実際中国は、2月18日に北朝鮮からの石炭の輸入を年末まで停止すると発表しました。表向きは、弾道ミサイルの発射と金正男氏殺害事件に対する不満の表れだ、ということになっていますけれども、裏ではアメリカに「一つの中国」を認めさせた見返りと見ることも出来ると思うんですね。

トランプ大統領はその過激な発言とは裏腹に、意外と気配りと根回しをするタイプではないかと筆者は見ています。それは軍事でも同じで、戦を仕掛ける前に、まず補給路を断っておくという実にセオリーな攻め方をするように思います。

つまり、トランプ大統領が本気で北朝鮮を落とす積りがあるならば、まず後背の中国に手をださせないようにしてから断を下す。そういう段取りを取ってくるように思います。であるならば、アメリカ軍による北朝鮮攻撃はないとはいえない。その可能性はあると見た方がいいように思われます。

けれども、仮にそうなった場合、中国が指を咥えてそれを見ているのかというと、とてもそうは思えません。中国は、金王朝が斃れた後も北朝鮮に自分の息の掛かった傀儡政権を建てて置きたい筈です。けれども、その一番の手駒であった筈の金正男が金正恩に消されてしまったのだとすると、水面下では相当なバトルが発生していることも考えられます。

さらに、この中国の思惑を推し進めると、韓国もターゲットになる可能性も十分にあります。金正恩亡き後の北朝鮮を想像すると、もしも後継政権が建てられなかった場合は、国連による信託統治か、韓国による半島統一が考えられます。

前者の国連の信託統治の場合は北朝鮮の緩衝地帯化になるでしょうけれども、後者の韓国による半島統一となった場合、韓国が西側にいるかどうかで、中国にとっての脅威度はまるで違います。THAADの韓国への配備をあれ程嫌がっているのが何よりの証拠ですね。

となると、仮に韓国による半島統一の流れになった場合、中国は韓国を属国にすべく圧力を掛けてくることが考えられます。仮に北朝鮮を潰されたとしても、半島を統一した韓国を属国にしてしまえば、同じ事です。むしろ半島全域を勢力下における分、状況は良くなったとさえ言えます。

こうして考えてみると、半島をめぐって大国同士の大きな駆け引きが既に始まっている可能性は大いにあります。

これらの仮説はあくまでも憶測にしか過ぎませんけれども、一応日本もその可能性を頭の片隅に置いておくべきではないかと思いますね。

この記事へのコメント

  • 金 国鎮

    誰が何お言おうと北朝鮮の将来は北の人々が決めることです。
    どの記事を読んでも北朝鮮の人々の情報が分からないのはお粗末すぎる。

    誰かが暗殺されたと言っては連日連夜マスコミで大騒ぎをしながら何一つ北の人々の情報が出てこない状況はトランプ政権誕生の前にトランプを支えていたアメリカの人々の情報が全く出てこなかった状況と酷似している。

    北の情報はアメリカと韓国の情報機関が一番よく知っているはずです。
    北の反体制勢力がどう動くかにかかっている。
    北の核兵器で踊っているのは金正恩と日本のマスコミだけです。

    朝鮮総連は北の対日工作員と直接関係ない。
    彼らは朝鮮人でもないというのが常識です。
    2017年02月21日 09:44
  • 中狂そっ閉じ

    >朝鮮総連は北の対日工作員と直接関係ない。
    >彼らは朝鮮人でもないというのが常識です。

    お前がそう思うんなら、そうなんだろう。
    お前の中ではな。
    2017年02月21日 14:22

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