朴大統領の弾劾訴追案に関する憲法裁判所の判断について

 
今日はこの話題です……

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3月9日、韓国の憲法裁判所は、朴槿恵大統領の弾劾訴追案について、罷免の可否を10日午前11時に宣告すると発表しました。

弾劾が成立し、朴大統領が罷免されれば、60日以内に大統領選挙が実施。棄却された場合は大統領として職務に復帰することになります。

韓国には一般の裁判所と憲法裁判所の二つがあり、それぞれ独立した機関です。

ただし、憲法裁判所は大法院と同等の地位がありながらも、違憲法律審判、弾劾審判、政党解散審判、権限争議審判、憲法訴願審判を担当とするなど制限があります。

韓国は伝統的に違憲法律審判や弾劾審判は一般の裁判所とは別の組織で行ってきたのですけれども、違憲、あるいは弾劾審判そのものが余り無かった上に、規定上の問題から違憲立法審査を出すことが難しかったという事情もあって殆ど機能しなかった経緯があります。

現行の憲法裁判所はこうした過去の反省を踏まえて設置されたもので、この時に「憲法訴願審判」という制度が導入されました。

この憲法訴願審判は、公権力の行使または不行使により憲法上保障された基本権が侵害された場合、国民が直接これを救済してほしいと請求をすることができる制度で、憲法訴願に十分な理由がある場合、憲法裁判所は、基本権を侵害する公権力の行使をとりやめさせるか、違憲の確認をすることが出来ます。

実際、憲法裁判所の発足以来、1998年4月30日まで総3607件の憲法訴願を受付して3161件を処理、そのうち、憲法訴願を受け入れ国民の権利を救済したのは159件にのぼるそうです。

今回、朴大統領が訴えられているのは弾劾審判と呼ばれるものです。

この弾劾審判は、大統領、国務総理、長官、裁判官などの政府高官が職務執行において、憲法または法律に違反し、国会で弾劾訴追の発議と議決の後、憲法裁判所が当該公務員の免職決定を宣告できるものです。

国会だけが弾劾訴追をする権利があり、一般国民は国会に対して弾劾訴追の申請をすることしかできません。

ここで注意しなければならないのは、韓国の憲法裁判所が出す判断は、他の一般の裁判所が出した判断を踏まえるということはなく、純粋に事実関係を独自に判断するのだそうです。

憲法裁判裁判所は元々国民の権利を保護する目的で設置された経緯があることから、国民の意思、或いは、国民の意思を反映して選出された国会議員の意向を尊重し、とりわけ、政治的に重大な事案について政治的多数の意見と一致させようとする傾向があるそうです。

果たしてどのような判断が下されるか分かりませんけれども、どちらの判決が出ても、穏やかには済みそうもありませんね。

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