トルコとオランダの対立について

 
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オランダとトルコで外交対立が発生しています。

先週末、オランダ政府がトルコ外相のオランダ入国を拒否する事件が発生しました。

これは、トルコで来月、憲法改正法案の是非を問う国民投票が行われるに当たり、オランダで暮らすトルコ系住民に在外投票で賛成票を投じるよう働きかける為に、チャブシオール外相がオランダに空路で向かったのですけれども、「国内対立を持ち込むべきではない」とオランダ政府がトルコのチャブシオール外相の搭乗機にロッテルダム空港への着陸許可を与えなかった事案が発端になっています。

続いて、オランダ政府はドイツから陸路で入国したトルコの家族相がロッテルダムのトルコ総領事館も入ろうとしたのを阻止。ドイツに送り返してしまいました。

これを受けたトルコは激怒。エルドアン大統領はオランダを「ファシスト」、「ナチスの残党」と非難し、オランダ側が謝罪を求めるなど対立。13日には、トルコ政府がオランダとの2国間の高官レベルの交渉を一時、中止するとしています。

これについてトルコのチャブシオール外相は13日、CNNとのインタビューで、なぜ自分がテロリスト扱いされているのか、トルコ人はテロリストなのかと問い掛け、オランダ側が指摘する治安上の問題とは何だったのか、同国から詳しい説明はないとし、「本当の理由を隠すための口実にすぎない」と非難しました。

何だか泥仕合の様相を呈していますね。

けれども、一見外交問題にみえるこの問題も元を質せば、オランダ、トルコ両国の国内問題だという見方があります。

オランダでは、3月15日に総選挙が実施されるのですけれども、現与党は右派勢力から激しく突き上げられています。彼らを宥めるためにも、オランダの現与党はトルコに対し厳しい姿勢を示さざるを得ないのではないかという見解があるのですね。

一方、トルコにしても、大統領への権限集中を認める憲法改正案の国民投票が3月15日に行われます。オランダに住む在外トルコ人でも、投票権は当然ありますし、投票もしたいと思われます。それ故に、オランダに入って、在外トルコ人に対して投票を呼び掛けるのは自然な選択だと思いますね。

つまり、トルコとイタリアは自分で抱えている国内問題を外交的要素にして対立しているという訳です。

全く持って不毛な対立だと思いますけれども、トルコの国民投票、オランダの総選挙が終われば、対立要素はなくなります。

外野は黙ってみている事しか出来ませんけれども、トルコの国民投票、オランダの総選挙が終わった後には、両国の対立関係が解消していることを望みます。

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