ビビる北朝鮮
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4月11日、豪紙デーリー・テレグラフがアメリカ政府はオーストラリアなど同盟諸国に対し、北朝鮮が弾道ミサイルを発射した際には迎撃する態勢が整ったと通知し、厳戒態勢で備えるよう要請したと報じました。
アメリカは同盟国に通知したということですから、日本および韓国にも伝えられたことになります。
そんな折、韓国・イーデイリーは、韓国防衛事業庁が4月10日、アメリカ政府からの武器購入において行ってきた「折衷交易」を中断すると決定したと報じました。
折衷交易とは、政府間の武器取引において物資や技術を追加で提供する方式のことで、例えば韓国軍がアメリカから100億ウォンの武器を購入した場合、アメリカがこれに加えて10~50億ウォン相当の関連技術を韓国に移転したり、韓国企業への販路保証を受けたりできるもののようです。
韓国国防部によると、昨年までの10年間で、韓国政府は米国に対し折衷交易による2491件の技術移転を求めたが、実際に移転が行われたのはそのうち34%にすぎず、移転時期や約束を反故にしたことがあった為としていますけれども、筆者はアメリカから、今後一切技術移転はしないと通告されたのではないかと思いますね。技術その他の情報が北朝鮮その他の国にリークすることはもう許さないということでしょうね。
韓国はそれをそのまま発表できないものだから、自分から断ったという体裁を整えて発表したのではないかと思います。何も今このタイミングで発表しなくてもよいと思いますけれども、いよいよアメリカは韓国を見限って切り捨てに掛かったのかと穿ってみる国も出てくるかもしれません。
それにしても、アメリカから毎日着々と進捗報告されると日に日に緊張感が高まることは避けられません。4月10日のエントリー「トランプの次の一手と発動された作戦計画」で、金正恩の周囲を不安と恐怖に陥れ、内部クーデターを誘発させる作戦を行っているのではないかと述べましたけれども、逆に金正恩が逆上してミサイルをぶっ放すことがあったとしても、アメリカにとっては北朝鮮をボコる絶好の口実を得ることになりますからね。もしかしたら、そのように北朝鮮を挑発して先に手を出させる狙いもあるのかもしれません。
その北朝鮮は、一応言葉の上では、アメリカに抗戦の構えを見せています。
4月10日、北朝鮮外務省報道官はアメリカの原子力空母カール・ビンソンが朝鮮半島近海に急派されたことについて、「わが国に対する米国の無謀な侵略策動が深刻な実践段階に入ったことを示している……トランプ米政権が『力による平和』を叫び、朝鮮半島に戦略攻撃手段を次々と投入しているが、われわれは眉一つ動かさない……我々に手出しする者には『超強硬』に立ち向かい、強力な力で自らを守る」とコメントしています。
何処まで本気で何処からブラフなのかは判然としませんけれども、注意すべき点が一つあります。それは北朝鮮の声明が微妙にその色合いを変えているということです。
3月26日、北朝鮮は米韓合同軍事演習に反発し「北朝鮮の指導部を狙った韓米軍当局による先制打撃の試みが明らかになった以上、北朝鮮方式の先制打撃戦であらゆる策動を踏みにじる……米韓作戦の兵力が韓国やその周辺に展開されている限り、任意の時刻に事前警告なしに打撃を加える」と発表しました。
また、シリア攻撃直前にしたためられ6日に発表した備忘録でも「今のアメリカ政府の反朝鮮策動により、朝鮮半島は重大な戦争状況にある。 我々はやむを得ず、米国に再三送った警告を実践に移さざるを得なくなった……我々は先制攻撃ができる合法的な権利を有している」と述べています。
つまり北朝鮮による先制攻撃もあるぞと言っていたのですね。
ところが、シリアへのミサイル攻撃が行われた後には「我々に手出しする者には立ち向かう」とやられたらやり返すに変わりました。先制攻撃すると言わなくなったのですね。もちろん、そんなことをすれば即座に空爆されてしまうからです。そう判断できるだけの理性は残っている。見方によっては、アメリカの"警告"はある程度効いているとも言える訳です。
とすると、アメリカがもう待てないと、北朝鮮は脅威であると判断して先制攻撃をしない限り、次にくるのは、互いに互いを挑発し合うチキンレースです。
アメリカが空母二隻を投入して、いつまでもそんな事を続けるとも考えにくいのですけれども、戦端を切る口実にどのレベルのものがないといけないと判断するのか。それが北朝鮮空爆の鍵になるかもしれませんね。
この記事へのコメント
杉田邦晃