ミサイル発射失敗に対処する必要はないか

 
今日はこの話題です。

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4月16日午前6時21分、北朝鮮が東岸の咸鏡南道新浦付近から弾道ミサイル1発を発射したと、米韓両軍が明らかにしました。ミサイルは発射から4、5秒後に爆発。北朝鮮から東に50km付近に落下したとみられ、落下地点は、日本のEEZ内ではなかったようです。

アメリカ国防総省は、発射されたのは、射程が1000キロの中距離弾道ミサイル「スカッドER」だったと見られ、発射後まもなく制御不能に陥って、発射に失敗した可能性が高いとしています。

ペンス副大統領は韓国に向かう機内で報告を受け、トランプ大統領と連絡を取ったようです。

ホワイトハウス当局者は、発射が失敗に終わったことから、「アメリカとして国力を費やす必要はない」として、軍事行動などを取る考えがないとコメントしています。当然トランプ大統領承認の上でのことでしょうね。

アメリカは原子力空母カールビンソンを朝鮮半島近海に向かわせていて、ペンス副大統領も16日に韓国に到着することから、これらを牽制する狙いだったのではないかとされています。いずれにせよ、北朝鮮はチキンゲームを継続する意思を示した訳です。

もし、ホワイトハウス当局者がいうように、今回のミサイル発射でアメリカが動かないとなると、その理由は、北朝鮮のミサイルが途中で爆発せず、狙ったポイントに着弾させるとか、あるいは核実験を行うなど、アメリカが設定しているレッドラインがもっと高いところにあるか、中国に北朝鮮を説得させるというミッションの結果を待っているか、そのどちらかであると考えられます。

まぁ、それ以外にトランプ大統領に元々やる気がないという線も可能性としては考えられるのですけれども、それならば、ここまで軍を動かした手前、後始末が大変になります。生半可な決着では、またぞろ批判が噴き出すでしょう。あるいは中国からきっちりカタを付けると確証を貰っているか。

けれども、これまでの動きを見る限り、中国がカタを付ける説も微妙です。

武大偉・韓半島問題特別代表が「米中首脳会談の結果を説明する」などの名目で、平壌に向かうという観測が出ていますけれども、北朝鮮は一貫して無反応で、事実上拒否しているようです。

北朝鮮は先日、19年振りに外交委員会を復活させ、党の国際部長や朝日友好親善協会の顧問を務めるリ・スヨン党副委員長を外交委員会の委員長とし、委員には長年、アメリカとの協議に携わり、北朝鮮の核問題をめぐる六か国協議の首席代表も務めたキム・ケグァン第1外務次官、韓国との窓口機関、祖国平和統一委員会のリ・ソングォン委員長、前対外経済相のリ・リョンナム副首相を据えるなど、対外外交窓口を設けましたけれども、中国とのパイプ役を務める人物についての報道がないのが引っかかります。或は該当する人物を選んでいないのかもしれませんけれども、そうだとしたら、中国の説得には応じないというメッセージを送っていることになります。

もしも、アメリカが中国による北朝鮮への説得ないし制裁を期待し、北朝鮮が中国の言葉に一切耳を傾ける気がないとするならば、アメリカと北朝鮮が直接対話する以外に衝突コースとなります。

比喩的ですけれども、今の状況は、物凄く細い綱渡りをしている感を覚えますね。

まだまだ緊迫の状況は続くとみるべきだと思いますね。

この記事へのコメント

  • kazusa

    こんにちは。
    失敗ではなく計画された失敗ではないかと思います。
    観測気球ならぬ観測ミサイル。
    次の本命の計画のハードルを低くくするためと思います。
    失敗なら攻撃はしないとの読み、一歩ずつギリギリの前進を繰り返し、周りが気が付けばいつの間にか事をなす。
    いつものやり方です。
    2017年04月17日 09:15
  • opera

    おそらく現時点では、中国が一定の結論を出すまでは、アメリカは北朝鮮を攻撃しないのではないでしょうか。いきなり核実験をしたような場合は別ですが、ミサイル発射実験程度では、成功・失敗に拘らず、明らかなICBM実験と分かるものでない限り、行動は控える気がします。
     中国がアメリカの宿題をこなすには内部の権力闘争が不可避ですが、中国の内部事情については、以下が参考になります。
    https://www.youtube.com/watch?v=Xhpa_WMMEC4
    https://www.youtube.com/watch?v=RRKWGIhjo_E
     ともに後半部分の河添恵子氏の解説。

     まぁ、中国がアメリカの要求に充分に答えることは出来ないと思いますが、その間にアメリカは、金正恩排除に向けたタイミングを図っていくのでしょう。ヨーロッパでは、すでに金正恩後の国際的な信託統治の話も出ているそうですから(青山繁晴氏は日本も関わらざるを得ないとしていますが、どうでしょう?)。

     それにしても、この期に及んでも、韓国の当事者能力の欠如は深刻ですね。以下のようなニュースを見ると、アメリカは韓国も中国とのディールの対象にしてしまっている感じがします。
    https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170416-00000089-jij-kr
    2017年04月17日 16:14

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