米朝直接会談が意味するもの
今日はこの話題です。
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5月1日、アメリカのトランプ大統領はブルームバーグのインタビューに応じ、「金委員長に会うことが自分自身にとり適切なら、当然、会談を行うことを光栄に思う……適切な状況下で会談する」と述べました。
同じくホワイトハウスは、トランプ大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との会談を検討するには、前提として北朝鮮が多くの要件を満たす必要があるとの見解を示した上で、北朝鮮が挑発的な行動を即時に控えることを米国は確認する必要があるとし「現時点でこうした要件が満たされていないことは明白」とコメントしました。
対話の期限は終わったとしながら、此処に来て対話の可能性を仄めかし始めました。一部にはトランプ大統領がヘタレた、という意見もあるようですけれども、散々軍事的圧力を掛けた末の会談の可能性提示で、いよいよ具体的な取引の段階に入ったと見る事も出来ます。
ただ、このタイミングでの会談に含みを持たせる発言は米朝双方にとって意味があります。それは会談によって、核の放棄や金正恩体制の維持といったもの以外にも大きな意味があります。
それは、中国の影響力の排除です。
米中首脳会談以降、中国は北朝鮮に自制を促すよう、様々な圧力を掛けてきましたけれども、北朝鮮は反発し、ミサイル発射を繰り返しました。4月29日に発射して失敗したとされるミサイルは"北東"方向に発射されたことから、ロシア或は中国に対する牽制だとする見方もある程です。
北朝鮮に言う事を聞かせられない中国は、中国は北朝鮮問題のキープレイヤーではない、米朝間の問題だ。全てを中国に押し付けるな、と泣き言を言い出す始末です。
其処に来て、米朝直接会談を示唆する発言。もし、今の段階で米朝が会談を行ったとしたら、中国を抜きにした二国間会談ということになります。中国も米朝間の問題だといった手前、反対できません。
もし、会談が行われたとして、その結果がどうなるかは分かりませんけれども、少なくとも、中国は今以上に北朝鮮に対する影響力を失うことになりますね。
アメリカとしては、本土にまで届くICBMと核を放棄させれば良い訳ですから、米朝直接会談もオプションの一つとして考えているのでしょう。
けれども、肝心の、会談の為の条件は明らかになっていません。
大方の見方では、核放棄(査察受け入れ)、弾道ミサイル開発中止あたりなのでしょうけれども、北朝鮮はこれまで散々、口約束して破ってきた前科がありますし、これらの条件を飲む可能性は低いと思われます。
また、影響力が低下し、事と次第によっては、北朝鮮という緩衝地帯を失う可能性すら出てきた中国が、更に苛烈な圧力を掛けることも考えられなくもありません。
米朝中の思惑が絡んだ今後の動きは要注意ですね。
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