政府の中にあるものと外にあるものでは相当な違いがある

 
今日はこの話題です。

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5月3日、韓国ギャラップが大統領選の支持率世論調査を行い、「共に民主党」の文在寅候補が38%と首位を守っていることを発表しました。2位は「国民の党」の安哲秀候補で20%、3位が旧与党「自由韓国党」の洪準杓候補の16%とのことです。

本番一週間前で、文在寅候補が2位にダブルスコア近い大差ですから、ほぼこれで決まった感があります。

もっとも、コリア・レポート編集長でジャーナリストの辺真一氏によると、国の世論調査は民意を反映してないため外れるケースが多いこと、過去の大統領選挙では直前の異変で逆転するケースが何度もあったことから、まだ当確は打てないと述べています。けれども、1位の文在寅氏が大統領になろうと、2位の安哲秀氏が大統領になろうと、対日、対北政策は同じと述べています。つまり、反日・親北ということです。

既に、日韓慰安婦合意は風前の灯。ただ、それを懸念する声が現韓国政府内から上がっています。

5月1日、外交部の尹炳世長官が記者会見で「誰が政権を引き受けても、難しい問題であることを認識しなければならない……快刀乱麻の解決ができると考えたら、さらに難しくなる……政府が変わっても政策をめぐる困難はそのまま残るため、その客観的な現実を無視してはならない……政府の中にあるものと外にあるものでは相当な違いがある」と指摘しました。

政府の内外で相当違いがある、というのは、国家間合意の意味と韓国国内の世論にギャップがあるということでしょうね。無論、国家間合意が遥かに重いことはいうまでもありません。

更に、尹炳世長官は、慰安婦問題について「日韓の過去史の中で最も敏感な問題だが、なぜ解決しないかについてとどう解決させるかについて悩まなければならず、総合的な視覚が必要……一方だけを見過ぎるとバランス感覚が失われ、正確な判断ができなくなる……被害者1人1人が大切だが、政府の立場を指示し、同意し、参加したおばあさんが34人いるという事実を見ようとしていない」とコメントしました。

実に真っ当なコメントです。批判だけしていられる野党の立場から与党になればと全然違うぞ、という忠告のようにも受け取れます。

同じく、外交部のチョジュンヒョク報道官は、2日の定例ブリーフィングで、労働者像関連の政府の立場を聞かれて「外交公館近くに造形物を設置するのは、外交公館の保護に関する国際礼譲と実践の面で望ましくないと思う」と答えています。国際合意を重視する立場で、極めて普通のことですね。

今回の大統領選で、主要候補はこぞって慰安婦合意の見直し・再交渉を主張していますけれども、アメリカの元高官も懸念を示し始めました。

2日、ラッセル前国務次官補はワシントンでのシンポジウムで、日韓政府が「最終的かつ不可逆的な解決」で合意したと指摘し、破棄や見直しは、アメリカの安全保障にとっても重要な日韓関係に「穴を開ける」と述べています。アメリカも日韓慰安婦合意に絡んでいますから、このコメントも至極妥当なものです。

日本はいうまでもなく日韓合意の順守を求めています。日米は慰安婦合意の履行を求め、破棄や見直しなどとんでもないという立場です。

韓国は対日だけでなく、ここにきて対米でも、米韓FTA見直し、THAAD配備費用負担に関するトランプ大統領発言で沸きたっていますけれども、韓国次期大統領には、世論に流されることなく、的確に問題解決を行う手腕が求められるのは間違いありません。

ソウル大学で韓米関係史を担当するパクテギュン教授は、「韓米関係は、実際には穏やかだったこともないし、韓国が望んだ通りに進行したこともあまりありません。 『ウィッシュフルシンキング』が韓国外交の最大の問題です」と指摘しています。

ウィッシュフルシンキング(wishful thinking)とは、望み通りに進むだろうと考えること、という意味なのですけれども、パクテギュン教授は「アメリカは日本との歴史問題において韓国の味方をするだろう」「韓中関係が近づいても、アメリカは傍観しているだろう」「中国は北朝鮮を諦めるだろう」のような展望を、「ウィッシュフルシンク」の代表的な事例として挙げています。

この"自分に非常に都合のよい考え"で外交を進めてしまうという指摘は、確かにその通りですね。

けれども、慰安婦問題一つとっても既にアメリカは「合意を守れ」という立場であり、「アメリカは日本との歴史問題において韓国の味方をするだろう」とは相容れません。日韓慰安婦合意は"最終的かつ不可逆"に解決したことを合意するもので、既に歴史問題は終わったという合意だからです。

韓国の次期大統領および次期政権が、政府の中と外との違いに直面した後、どう振舞うのか。国家間合意を反故にするのは勝手ですけれども、その時はそれなりの報いを得ることは覚悟しないといけないですね。

この記事へのコメント

  • 傍観者

    韓国人に証拠を示して話しても,自分の思い込んでる事しか信じないからなあ。
    科学でノーベル賞無理なのは仕方ない。
    科学研究は従来の常識を覆すことだからね。
    おまけに遡及法と前政権の外交は継続しないと。
    いつの時代の国家かわからない。
    何を言ってきても適当にあしらって,儀礼的付きあいにとどめるのが賢明だろう。
    国交断絶状態でも全然OKだけど。
    2017年05月04日 10:53

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