今日はこの話題です。


7月10日、加計学園の獣医学部新設計画をめぐる真相解明に向けて、衆院文部科学、内閣両委員会による閉会中審査が衆院第1委員会室で行われました。
渦中の前川前事務次官は参考人として呼ばれ、表面化した件の内部文書に関し、自民党の平井卓也議員に「前川さんが流出させたのではないかと言われている。まさかそんなことはないですね」と問われ、「お答えを差し控えたい」と否定も肯定もしませんでした。
平井議員が重ねて「あなたのためを思って言っている。ないとお答えできないのか」と質すと前川氏は「さまざまな文書が世の中に出ている。誰が、どういう経路で、誰に提供したか、臆測はあると思うが、私が明確な答えをすべきではないと思う」と口を噤みました。
無茶苦茶怪しいですね。なければないとはっきり言えばいいだけです。それが言えない。自分がリークしたか、誰かを庇っているのでなければ、こんな答弁をする必要がありません。
筆者が特に注目したのは、青山繁晴参院議員の質問です。青山議員は加戸守行前愛媛県知事を参考人として招致したのですね。
加戸氏は、愛媛県知事に就任する前は文部省の大臣官房長を務めたこともある官僚で、前川氏の先輩に当たる人物です。
加戸氏は加計学園の獣医学部新設を巡る岩盤規制と闘った当時の知事であり、一番当時の内情を知る人物です。その加戸氏が思いのたけを述べているのですね。質疑の内容の一部を次に示すと次のとおり。
青山議員「鳥インフルエンザ、BSEという新たな危機が生まれている……獣医師が不足していないから獣医学部を作ることが行政をゆがめると言うのか」このように加戸氏は、獣医学の分野が世界の潮流に取り残されていることを危惧し、国民に必要なことをやるべきだと訴えていたのが非常に印象に残りましたね。
前川氏「違います。獣医学部の新設について一律、受け付けないという告示があるが、政策論議をすべきだ。規制緩和をすべきかと、加計学園に獣医学部の新設を認めるかは別次元の問題だ」
加戸氏「知事として一番苦労したのが鳥インフルエンザと口蹄疫対策だった……獣医学部の新設を岩盤規制で跳ね返され、特区で実現を見るようになり、喜んでいる……ゆがめられた行政がただされたのが正しい発言だ」
前川氏「既存の大学で養成する獣医師を増やすことができる」
加戸氏「(四国は)獣医師が確保できない。ブレーキをかけるのは理解できない」
青山議員「加計学園に決まる経緯の中で獣医師会の働きかけがあった事実を当時承知していたのか」
前川氏「なぜ平成30年4月が開学の大前提なのか。内閣府で説明していただかなければならない。しかし、4条件を守る必要がある。今治市からの提案は4条件は満たしていない。その後は決めるということだった」
加戸氏「今治は意欲を持って取り組もうとしている。イビリ婆さんのようだ。薬学部はドンドン作っていい。獣医学部はびた一文駄目です、こんなことが有り得るのだろうか。屁理屈はいい。決まったことに進むのは霞が関の文化だ。それを感じられない。霞が関は変わったのか。獣医学部がおもちゃになっていることが残念だ」
今回の閉会中審査で、文科省の闇が浮かび上がったと同時に、加戸氏が最後に指摘しましたけれども、youtubeに上がった国家戦略特区諮問会議の会見の内容を広く国民が知る事が大事だと思いますね。
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