米韓共同声明と逃げ場が無くなる文在寅

 
昨日の続きです。

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6月30日、訪米中の韓国の文在寅大統領はトランプ大統領とホワイトハウスで初の首脳会談を行い、会談後に共同声明を発表しました。

既に、共同声明の内容については報じられていますけれども、其の要旨は次の通り。
一、米韓の協力はこれまでで最も強固。両首脳は同盟をさらに前進させる

一、米国は韓国に拡大抑止を提供する責任を強調。韓国は北朝鮮の核・ミサイルの脅威からの防衛に必要な軍事的能力を取得する

一、外務・防衛閣僚の「2プラス2」を定例化

一、完全で検証可能で不可逆的な朝鮮半島非核化の平和的な達成は両国の共通目標。北朝鮮に挑発行為を止め、国際義務を果たす戦略的選択を求める

一、既存の制裁の完全な履行や最大限の圧力をかけるための新手段で北朝鮮に挑発行為を止めさせ、誠実で建設的な対話に戻す。中国の役割が重要。

一、両首脳は、正しい環境の下なら北朝鮮と対話する可能性があると強調

一、トランプ氏は、文氏が人道的問題など特定の課題で南北対話を望んでいることに対して支持を表明

一、日米韓の協力を強化。7月の20カ国・地域(G20)首脳会議の場で3カ国首脳会談を開催

一、鉄鋼などの世界的な過剰生産能力や非関税障壁の削減を通じ、公平で平等な競争条件を作るため協力

一、トランプ氏が2017年中に韓国を訪問
ぱっと見、ほぼトランプ大統領の主張通りの内容となっています。多少ぼやかした表現ながらも、「韓国は北朝鮮の核・ミサイルの脅威からの防衛に必要な軍事的能力を取得する」はTHAAD配備のことでしょうし、「新手段で北朝鮮に挑発行為を止めさせ、誠実で建設的な対話に戻す」は現状より更なる圧力を掛けるという事ですね。文大統領はTHAAD配備撤回は盛り込めず、北朝鮮との対話も"挑発行為を止めさせ、正しい環境下"に入って初めて対話の"可能性"があるレベルに留まっています。

共同声明は文言調整で難航し、記者会見終了から約7時間後に発表されたそうですけれども、韓国側も精一杯抵抗したのかもしれません。それでも、ここまで押し込まれてしまったということは、相当圧力を受けたのかもしれませんね。

取り分け、朝鮮半島非核化については「完全で検証可能で不可逆的な」という枕詞がついています。慰安婦合意と同じ「不可逆的な」という文言を使われたということは、反故は絶対許さないというアメリカの意思を感じます。

それでも、一部の文言に曖昧な部分がある為「解釈の相違」という意味での齟齬はあるかもしれません。この手の自分の都合の良いように解釈するのは韓国の得意技ですからね。

トランプ大統領は首脳会談終了後の共同記者会見でFTAの再交渉について触れましたけれども、韓国の張夏成青瓦台政策室長は30日、「韓国の一部メディアが、韓米首脳会談でFTA再交渉に合意した、または再交渉が正式に表明されたと報じたが事実と異なる」と否定しています。

更には文大統領本人が「首脳会談で韓米FTAの効果を調査するよう逆提案した。トランプ氏は満足できなかったのか、別途、再交渉の話をした。合意外の話だ」と述べています。早速、独自解釈を初めてますね。尤も、これはトランプ大統領も同じかもしれませんが。

いずれにせよ、再交渉くらい大きな動きとなれば、隠し通せる筈もありませんから、その真偽は直に明らかになるでしょう。

昨日のエントリーで、筆者は、トランプ大統領は、会談で約束したことについては、期限を設けて厳しくチェックを入れると述べましたけれども、今回も同じく期限を設けているのではないかと思いますね。

というのも、共同声明に「トランプ氏が2017年中に韓国を訪問」という文言が入っていますけれども、THAAD配備含めて、2017年中を期限として設定したのではないかと思いますね。

もし、そうだとするならば、仮にアメリカが北朝鮮へ攻撃するとしても、年内一杯までは我慢するということなのかもしれません。

何れにしても「不可逆的な」と宣言された半島の非核化について、文大統領がトランプ大統領が満足する答えが出せるのかどうか。

文大統領は、就任早々大きな課題を背負ったと思いますね。

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