今日はこの話題です。


7月2日、東京都議選の投開票が行われ、小池百合子都知事が代表を務める地域政党「都民ファーストの会」が49議席と大勝し、都議会第1党となりました。
都民ファーストは選挙協力をした公明党などと合わせると、過半数の64議席を大きく上回る79議席となりました。
各党の獲得議席数を見る限り、自民が大きく減らした議席がそのまま都民ファーストに流れた感じです。
マスコミや野党は、都民が安倍政権にノーという意思を示した、なんて息巻いていますけれども、その野党とて共産が微増した以外は議席を失っていますから、別に野党が支持された訳でもありません。
民進都連幹部は「権力の暴走を止めようとしているのは民進党なのに、なんで票が来ないのかな?」とコメントしたそうですけれども、 本気で言っているとしたら相当重症ですね。
都議選は都議会の議員を選ぶ選挙であって、国政選挙ではありません。あえて権力の暴走云々というのであれば、先の都知事選で小池氏が、自民都連との対立構造を作ってみせ、当時、都議会のドンであった内田茂都連幹事長を撃ち落とすことで、利権構造という名の暴走を止めて見せたともいえる訳です。
実際、小池都知事は、今後の自民党や安倍政権との連携について「政府とは、東京五輪・パラリンピックで協力関係をより深めていかなければいけない。しっかりと連携を取っていくべきところは取っていく」とした上で「私が戦ったのは自民党都連のみなさんだ」とあくまで、地方議会選挙として戦ったという認識を示しています。
国政と地方選挙を混同した民進党と、国政と地方議会選挙の線引きをした小池氏の都民ファースト、もしかしたら、この双方の選挙戦略の違いが、今回の都議会選の明暗を分けたのかもしれませんね。
その小池都知事は、都議選が明けた3日、「都民ファーストの会」の代表を辞任し、野田数幹事長を代表に再任させると発表しています。
小池都知事は「知事に専念し、代表は戻していきたい」と、自身が都議会第1党の代表となっていることで、首長と議員が別々に選ばれ緊張関係を保つ「二元代表制」への懸念が指摘されていることを受けての辞任だとしていますけれども、上手く身を引きましたね。
建前上、抑えるべきところは抑えながら、自身の影響力を見せつけることに成功しました。これで、自民も小池氏を無碍に扱うことは出来ないでしょうね。
自民党は3日、小池都知事、若狭勝衆院議員、保坂三蔵元参院議員が6月に提出していた離党届を受理することを決めていますけれども、除名ではなく離党の受理ですから、自民に復党する道も残しています。
また、力を見せつけたという意味では、公明党も上手く立ち回りました。都民ファーストと選挙協力して、大勝させました。自民党は「大敗を招く一因となった」として、公明党への不満を募らせていると報じられていますけれども、これは裏を返せば、公明を敵に回したら選挙に負けるということです。
ですから、これで次の国政選挙で自民は公明を外すことはやり難くなりました。公明も「自民党との対決は都議選限り」とちゃっかり、都議選と国政選挙は別であるという態度を示しています。おそらく次の衆院選を睨んで、公明の値段を吊り上げることに成功したと思いますね。
結局は、地方選であるにも関わらず、味噌もクソも一緒にして安倍政権叩きに奔走した野党が半分以上自爆した、ということではないかと思います。
ただ、そうは言っても安倍政権が無傷という訳ではありません。執拗なマスコミの偏向報道があったとはいえ、大敗を喫したことは事実ですし、従来の自民支持票の多くが都民ファーストに大分流れてしまったという結果は重く受け止める必要があります。
加計学園では、文科省や獣医師学会の既得権益問題が明らかになりましたし、都議選では自民都連が嫌われる結果となりました。安倍政権は今一度内政面を見直してみる機会に直面しているのかもしれませんね。
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