北朝鮮がレッドラインを越えたかどうかはアメリカが決める

 
今日はこの話題です。

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7月4日、北朝鮮は「特別重大報道」を発表し、大陸間弾道ミサイル「火星14」の発射実験に成功したと発表しました。

北朝鮮メディアによれば「火星14」は通常よりも発射角度を上げる「ロフテッド軌道」で打ち上げられた後、最高高度2802キロに達し、39分にわたり933キロを飛行した後、日本海に設けた目標水域に正確に着弾した」と主張。金正恩も現地視察したとしています。

北朝鮮国防科学院は「核兵器とともに、世界のどの地域も打撃できる最強のICBMを保有する堂々とした核強国として、米国の核戦争による脅威を根源的に終わらせ、朝鮮半島と地域の平和、安定を守る」とコメントしています。

一般に30分以上飛翔すれば、ICBM級の弾道ミサイルとみられることが多く、かつての米ソ戦略兵器制限条約(SALT)交渉に基づけばICBMの射程距離は一般に5500キロ以上と規定されています。

アメリカ太平洋軍は最初の声明で、北朝鮮のミサイルを中距離弾道ミサイルと特定したと発表していますけれども、試射飛距離933キロだけをみれば、確かに中距離弾道ミサイルといえます。けれどもこれは「ロフテッド軌道」での飛距離ですから、通常弾道では当然飛距離はもっと伸びます。

アメリカ科学者団体「憂慮する科学者同盟」のデービッド・ライト氏は自身のブログで、通常の角度で発射すれば約6700キロ飛んだと可能性があるとし「アラスカ州には届く」と指摘していますし、同じくアメリカの北朝鮮情報サイト「38ノース」の兵器専門家、ジョン・シリング氏は、火星14号が軽量の弾頭を搭載するならば1万キロまで到達可能との試算を示しています。

尤も、軍事専門家の間では、北朝鮮がICBM発射実験を行うだろうとの見方がありましたから、発射そのものには驚きは持っていないようなのですけれども、これまでアメリカはICBM発射をレッドラインに設定していましたから、いざICBMと認めてしまうと、何らかの行動を取らなければならなくなります。

おそらくアメリカはまだ行動を取れる準備が出来ていないのでしょう。時間稼ぎも含めて「中距離弾道ミサイル」としたのだと思いますね。

トランプ大統領はツイッターで「この男は他にましなことはやれないのか……韓国を信じる事は難しい。日本がいつまでも我慢しているとは思えない……場合によっては中国が北朝鮮に対して厳しい態度に出て、こうした愚行を終わらせてくれるだろう」と日中で圧力を掛けろと突き放したような発言をしています。

ただ、トランプ大統領は7月2日、中国の習近平主席と電話会談を行い、米軍は北朝鮮に対して一方的な行動を取ることも辞さない構えであることを告げたそうなのですけれども、その一方でトランプ大統領は中国が対北朝鮮政策を大幅に変えるとはもはや思っていないとも報じられています。

北朝鮮がミサイルを発射した7月4日はアメリカの独立記念日です。多分狙ってやっていると思います。

ただ、今回のミサイルで北朝鮮がレッドラインを超えたかどうかは、事実上、アメリカの胸先三寸に委ねられることになったと思いますね。ミサイルがロフテッド軌道でない場合は、アラスカに届くからICBMだと言う事ができますし、既に北朝鮮はICBMの発射に成功したと宣言していますしね。

日本は、憲法改正含めた防衛体制を整備することと、在韓邦人の引き揚げも視野に入れた準備を急ぐ必要があります。

半島有事は抜き差しならないところまで来ていると腹を括る必要があると思いますね。

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