北朝鮮をめぐる国際的対立構造

 
更に昨日の続きです。

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7月5日、アメリカの ヘイリー国連大使は国連安全保障理事会の緊急会合で、北朝鮮による弾道ミサイル発射について「外交的解決の余地が急速になくなってきている……我々の能力の1つが少なからぬ軍事力であり、そうせざるを得なければ、行使する。ただ、そうした方向に進む必要がないことが好ましい」と述べ、アメリカは自国と同盟国を守る用意があると強調すると共に、中国に対して一段の影響力行使を要請する発言をしました。

ヘイリー国連大使は、「国連決議を実施する責任の多くは中国にかかっている。我々は中国と協力し、平和を信じるすべての国と協力する。しかし、現在のような暗黒の日をもたらした過去の不適切なアプローチは繰り返さない」と、北朝鮮に対する新たな制裁を今後数日中に国連に提案するとし、ロシアと中国が制裁を支持しなければ「我々は我々の道を行く」と述べています。

アメリカがどのような追加制裁を提案するのか分かりませんけれども、これ以上の制裁となると、先日、中国の銀行に金融制裁をしたように、北朝鮮に付き合いのある金融機関に対して一斉に制裁を掛けてくる事が考えられます。

これに対し、中国の劉結一国連大使は、ミサイル発射は国連決議の「目に余る違反」で「受け入れられない」と批判する一方で、関係国すべてに自制や挑発的行動の回避、無条件の対話、緊張緩和に向けた一致した行動などを呼び掛けました。まぁ、軍事制裁および金融制裁を含む兵糧攻めには反対の姿勢です。

また、ロシアのサフロンコフ国連次席大使も、北朝鮮に対する軍事力の行使は検討されるべきでないと発言。さらに北朝鮮を経済的に窒息させることは「受け入れられない」とし、制裁は問題解決につながらないと述べています。こちらも中国と同じ立場ですね。

つまり、軍事オプション付きの制裁で核・ミサイル開発の放棄を企図するアメリカ、日本と対話という名の現状維持を目論む中露の構図となっているという訳です。

そしてこの中露と日米の間をフラフラと行ったり来たりしているのが韓国です。

先日、米韓首脳会談でTHAAD配備は予定通り行う、既存の制裁の他、新手段を用いて挑発を止めさせる、と述べた韓国の文大統領は訪問中のドイツベルリン市内のホテルで行われた在独韓国人らとの懇談会で「北の核問題と朝鮮半島の安保問題について、私と新政権を信じ、対話による平和的な解決を後押ししてほしい……韓国が地球上から冷戦を完全に終息させる国になるようにする」とコメントしています。

その場その場で一番調子のいいことをいう。正に鳩山元首相を彷彿とさせますね。

しかも、その裏で、北朝鮮で防衛を担う人民武力省の建物に攻撃を加え、北朝鮮の旗や平壌にある金日成広場とされる場所が焼け野原になるイメージ映像を公開する八方美人振りを発揮しています。

けれども、この手の映像公開は、本当にやるかもしれないと思える人がやるからこそ効果が期待できるのであって、八方美人がやったところで、ただの点数稼ぎにしか見られかねないという弱点があります。無論、文大統領は後者です。

日米vs中露とどっちつかずの韓の対立構造を抱えたまま、トランプ大統領は断を下すのか、それとも中露を引き上がして北朝鮮を丸裸にするのか。

今しばらくは、水面下の攻防が続くのではないかという気がしますね。

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