北朝鮮がグアムをミサイル攻撃すると公表した狙いは何か

 
昨日の続きです。

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8月10日、朝鮮中央通信は、北朝鮮軍戦略軍司令官が、前日9日に新型中距離弾道ミサイル「火星12」によるグアム島周辺への包囲射撃態勢を8月中旬までに完成させ、総司令官の発射命令を待つと発表したと伝えました。

それによると、射撃は「火星12」を4発同時発射するもので、島根県、広島県、高知県の上空を通過し、米軍基地のあるグアム島周辺の30~40キロの海上水域に着弾すると説明。射程は3356.7キロで、飛行時間は17分45秒としています。

随分と細かい指定です。発表をそのまま信じれば、射程精度は100メートル単位、着弾ポイントの精度は10キロ以内ということになります。

巷では、今月15日から来月に掛けてアメリカと北朝鮮との戦争が始まるとの噂が流れています。

8月7日発売の週刊現代は、7月31日に行ったトランプ大統領と安倍総理との電話会談で、トランプ大統領が「4月にシリアを叩いたように、北朝鮮を一発叩いてやろうと考えている……奴らの建国記念日は、9月9日なんだろう? 幹部が首を揃えて記念式典をやるそうじゃないか。その現場を叩くのが、一番手っ取り早い。金正恩がその場にいようがいまいが、関係ない。奴らに思い知らせてやるのだ」と述べたとしています。

この話に青ざめた安倍総理は8月3日の改造内閣を『有事対応内閣』にシフトチェンジしたともされていますけれども、こんな大事な話が外に漏れること自体が怪しいですし、眉唾半分の感があります。

万歩譲ってそれが本当だとしたら、今の内に半島から脱出せよ、と暗に促す狙いが考えられるかもしれません。

実際アメリカは、9月1日以降、アメリカ人の北朝鮮への渡航が原則禁止となり、北朝鮮にいるアメリカ人も、9月1日までに国外退去するよう呼び掛けていますから、9月空爆の可能性はゼロではありません。

北朝鮮に対するアメリカの警告もその度合いを強めています。

トランプ大統領は「世界がこれまで目にしたことのないような炎と怒り」発言の翌日には「私が米大統領として一番に下した命令は、米国の核兵器備蓄の刷新および近代化だった。かつてないほどに増強された……この威力を使う必要がないことを願うが、米国が世界最強の国でなくなる時は決して来ない!」とツイートしていますし、これまで北朝鮮に対する軍事行動は想像を絶する悲劇につながるとしていたマティス国防長官も9日、「北朝鮮は孤立をやめ、核兵器の追求を放棄することを選ぶ必要がある……北朝鮮は体制の終焉、および自国民の破滅につながるようないかなる行動の検討もやめる必要がある」との声明を発表しています。

尤も、先のトランプ大統領の強硬発言について、ティラーソン国務長官は「大統領は金正恩委員長が理解する言葉で強いメッセージを送ろうとしている。彼は外交的な言語を理解するようには見えないからだ」と半ば火消の発言をしていますけれども、大統領が軍事力行使寄り発言をして、国務長官が対話重視路線発言をする、という具合に役割分担をしているように見えなくもありません。

アメリカが先制空爆を行うのかどうかはまだ分かりませんけれども、仮に、北朝鮮がグアム近海にICBMを打ち込んだらどうなるか。

ネット等では即開戦だという声が多数ですけれども、もしも、アメリカがそのミサイルを迎撃し撃ち落とせば、まだ即時攻撃はなく、いま少し様子を見ると思います。逆に何もしなければ、北朝鮮を空爆する口実を得たことになりますから、開戦の可能性はぐっと高まることになると思いますね。

北朝鮮が態々グアムに向けてミサイルを撃つといい、その場所と飛翔時間まで明かすのは、アメリカに対して撃ち落としてくれとメッセージを送っているのではないかとさえ、邪推してしまいます。

北朝鮮にしてみれば、事前公表した通りにぴたりと落としてみせれば、自身のミサイルの性能誇示になりますからね。それだけでなく、アメリカとの交渉に際しても有利になると計算しているのかもしれません。

これが本当だとすると、北朝鮮にしてみれば、国内のアメリカ人に退去するよう定めた9月1日より前に、グアムにミサイルを発射して、アメリカに"撃ち落として貰う"のがベストシナリオだということになります。

けれども、この手とて大きなリスクがあります。それはいうまでもなく、ミサイル発射を口実にして、アメリカがいきなり先制空爆を掛けてくることです。

相手がトランプ大統領であるだけに、そこは"慎重に"検討しているのだと思いますけれども、北朝鮮が自分から核開発放棄することはほぼ考えられません。やはり、最終的には大統領の決断ということになるかと思いますね。

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