北朝鮮ミサイルとPAC3配備
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先日、北朝鮮が、弾道ミサイルを日本の上空を通過させグアム島周辺に落下させるなどと発表したことを受けて、自衛隊は、防衛大臣の破壊措置命令に基づき、落下物などがあった場合に備えて、飛行コースと予告された中国・四国地方の4ヶ所に迎撃ミサイル、PAC3の部隊を配備することになりました。
派遣されるのは中部地方などの基地に所属する部隊。岐阜県各務原市にある航空自衛隊の岐阜基地から11日夜8時すぎ、発射機やレーダーなどを積んだ大型車両7台が中・四国方面に向かいました。
配備場所は、島根県の出雲駐屯地、広島県の海田市駐屯地、愛媛県の松山駐屯地、高知県の高知駐屯地になるようです。
上空を通過すると宣言された以上、PAC3の配備は当然のことですね。無論、これは、北朝鮮のミサイルが発射失敗して日本列島に落下した場合等に備えた措置で上空を通過するミサイルを迎撃するためのものではありません。
PAC3は、ターミナル・フェイズと呼ばれる弾道ミサイルが大気圏に再突入し標的に落下する最終段階の更に後半に後半に入った段階で迎撃するミサイルで射程も20km程度しかありません。
北朝鮮のグアムへのICBM発射が予定通りの軌道で行われたとすれば、北朝鮮からグアムまでの距離約3300km、北朝鮮から中国・四国地方までの距離が約700~1000km未満を考慮すると、北朝鮮のミサイルが日本列島上空を通過するのは、ミサイルがまだ上昇を続けている段階と思われます。それでも、日本上空を通過する高度は十分に高く、PAC3では対応不能です。
イージス艦搭載のSM3(ブロック1A:射高500km、ブロック2A:射高1000km)にしても弾道頂点を過ぎてから弾頭が落ちてくる辺りで迎撃する仕組みですから、イージス艦が日本近海に展開する限りではあまり出番はありません。
やはりポイントはグアム周辺でアメリカ軍が迎撃するかどうかでしょう。
8月10日、アメリカのトランプ米大統領は「グアムに対して何かすれば、誰も見たことのないような事態が北朝鮮で起きることになる……これは単なる挑発ではない。声明であり事実だ……金正恩はわが国を著しくおとしめてきたが、今や状況は変わった」と報復する考えを示唆していますけれども、これ以前の警告含めて、再三再四「誰も見たことのないような」という枕詞を付けているのが気になります。
一部には、新型兵器を投入するのだ、などという噂も流れていますけれども、現時点ではなんともいえません。
トランプ大統領は翌11日にもツイッターで「北朝鮮が愚かな行動を取るなら、軍事的解決策を取る準備は整っている……金正恩には違う道を見つけてほしい」とも述べています。
無論、外交的解決に勝るものはありませんけれども、今の今までそれで何も変わらなかったことも事実です。中国が完全に北朝鮮への石油供給をストップさせれば別かもしれませんけれども、現状ではその見込みも薄い。今月から来月にかけて十分な警戒が必要だと思いますね。
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