北朝鮮の短距離ミサイル発射と多連装ロケット弾砲について
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8月26日早朝。北朝鮮が3発のミサイルを発射しました。
ミサイルは南東部の江原道旗対嶺付近から発射された短距離弾道ミサイルで、1発目と3発目が約250キロ飛行して北東部の咸鏡北道金策沖に落下、2発目は発射直後に爆発したと見られています。
朝鮮労働党機関紙の労働新聞は「軍事挑発を仕掛けてくれば、無慈悲な報復と容赦ない懲罰を免れない」と反発していたことから、今回の発射は、21日から31日まで行われている米韓合同軍事演習「乙支フリーダムガーディアン」に対抗したものと見られています。
韓国政府は今回のミサイルについて「改良型で300ミリ多連装ロケット砲」と発表。韓国政府当局者は「北朝鮮のロケット砲は改良が次々に進められており、今回の試射によって飛距離を50キロ程度伸ばしたのではないか」と指摘、分析を続けています。
これに対し、日本政府関係者は発射されたのは、「短距離弾道ミサイル」と「多連装ロケット砲」の両方ではないかとの見方を示し、ロケット砲について250キロ余り飛行したのであれば新型を開発した可能性があるとしています。
これまで北朝鮮はミサイルをグアム沖まで飛ばすことを検討していると挑発を続けていたのですけれども、その後、金正恩が「米国の行動をもう少し見守る」とトーンダウン。
今回の発射が短距離ミサイルで日本海に落下させたことから、米韓合同軍事演習への対抗姿勢をみせつつ、必要以上に緊張を高めないよう加減したのだという見方が有力です。韓国大統領府高官も「ロケット砲であれミサイルであれ、ICBMではなかったことが重要だ」と指摘しています。
アメリカ太平洋軍は「今回の3発の弾道ミサイルはグアムに脅威ではなかったと判断している」とし、「同盟国である日本、韓国の安全保障に対する揺るぎないコミットメントを保証する」とコメントしています。
それでも韓国にとってみれば、多連装ロケット砲は十分な脅威です。
ロケット砲は、ロケット弾の発射に特化した大砲の総称のことで、多連装ロケット砲とは、その名の通り、複数の発射器を持つものです。
一般にロケット弾は榴弾に比べて命中精度に劣るのですけれども、多数の子弾をばら撒くことでそれを補う思想の兵器です。多連装ともなれば、短時間でより広い地域を制圧することが可能となります。
2010年、北朝鮮による延坪島砲撃がありましたけれども、北朝鮮が撃ったロケット砲約170発のうち約90発は海上に、残りの約80発は延坪島内陸に落ちたとされています。
金正恩は、延坪島砲撃では命中率が良くなかったため、中国軍の放射砲(WS-1B)を模倣した新型放射砲(KN-09)の開発を指示したとされ、昨年3月、北朝鮮官営メディアが金正恩第1書記が実戦配備を控えた多連装ロケットの最終射撃実験を現地指導したと伝えています。
この多連装ロケット砲の口径は従来の240ミリから300ミリに上がり、最大射程は200キロとされていました。従って今回250キロも飛んだのであれば確かに改良されたことになります。
ソウルと平壌間の距離が約200キロであることを考えると十分射程内に収めることになります。
ただ、韓国にとって問題なのは飛距離よりも精度と弾道です。新型ロケット砲には、砲弾にロシア製の全地球測位システム「グロナス」を装着することで、着弾精度を飛躍的に向上させ、平均誤差半径を約10メートルまで縮めたと韓国軍は分析しているようですし、弾道も弾道ミサイルに比べて飛行高度が低く、韓国軍が保有するパトリオット「PAC-2」や、2020年代に構築される韓国型ミサイル防衛(KAMD)でも迎撃は不可能とされています。
朝鮮戦争再開ともなれば、当然北朝鮮はこれらロケット砲でソウルを狙ってくるでしょう。
在韓邦人や企業もその時に備えたシミュレートや脱出経路の確保等、前もっての準備を進めておくべきだと思いますね。
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泥田の落武者