今日はこの話題です。


9月23日、アメリカ国防総省のホワイト報道官が米空軍の戦略爆撃機B1Bが北朝鮮東方の国際空域を飛行したことを明らかにしました。
B1Bはグアムの米軍基地を飛び立ち、在沖米軍基地所属のF15戦闘機と合流。B1B二機とF15五機の七機の編隊で朝鮮半島東海岸の北方限界線より北側の、北朝鮮の領空に接した空域を飛行。北朝鮮の元山から300キロの地点の上空を旋回しました。
ホワイト報道官によると、アメリカの爆撃機として「今世紀で最も北まで飛行した」とのことです。
ホワイト報道官は「北朝鮮の無謀な行為の深刻に受け止めていることを明確に示したものだ」と指摘し、アメリカがどのような脅威も打破する軍事的な選択肢を持っているという明確なメッセージと決意を示すもの」と警告しました。
米軍機はこれまでに5回、北朝鮮に撃墜された過去があります。故に今回の作戦行動は撃墜リスク覚悟のものであったのですけれども、韓国の国情院は、北朝鮮軍は「対応できなかった」との見解を示すと共に、「真夜中の飛行を予想できず、爆撃機をレーダーでしっかりと把握できなかった模様」と分析しています。
その理由は定かではありませんけれども、「電力難でレーダーが稼働していなかった説」や「設備老朽化によるキャッチ失敗説」はては「防空レーダー管制要員の勤務怠慢説」まで飛び交っているようです。
北朝鮮軍は、韓国とその周辺を飛行する航空機を監視するレーダーを非武装地帯付近の山岳地帯に配備してます。
これらのレーダーが作動しているかどうかは、北朝鮮軍のレーダーが発する信号を傍受することで分かります。更にはレーダー基地が指揮所へ送る通信を傍受することができれば、北朝鮮軍のレーダーに何が映っているのかも知ることもできます。
北朝鮮は、SA-5地対空ミサイルのシステムの一部であるP-14/5N84Aレーダーを使い、600キロの範囲で追跡、監視を行っており、原則レーダーは止めないと見られています。なぜなら在韓米軍が24時間体制で警戒に当たっており、それに備える必要があるからです。
もしも、北朝鮮が米爆撃機をキャッチできなかったのが「電力不足」だったとすると、経済制裁が効いていることになります。なんとなれば、米軍機に今回と同じような飛行をなんどもやらせて北朝鮮を疲弊させるという手だった考えられます。
けれども、たとえその原因が電力不足にせよ、職務怠慢だったにせよ、北方限界線の北をアメリカの爆撃機が飛んだことは事実です。これは爆撃などいつでもできるというデモンストレーションにもなりますから、金正恩の胸中は穏やかではないでしょうね。
そんな中、10月2日、英紙デイリー・スターは、中国政府は北朝鮮と西側の強国との核戦争が始まれば、北朝鮮から大量の難民が中国国内に流入し、同時に強大な米軍が国境を圧迫することになるため、金委員長を政権から排除し、他の家族をリーダーに据える方法を考えていると伝えています。
右も左も中国さえも敵に回したとすると、北朝鮮は孤立への道をまっしぐらです。金正恩は、やはり降伏するか亡命するか以外に道は残されていないように思いますね。
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