切れ者トランプの重大発表

 
今日は感想エントリーです。

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11月14日、アメリカのトランプ大統領は。東アジアサミットへの出席を取りやめフィリピンのマニラから帰国の途につきました。アメリカ政府当局者によると、サミット開幕の遅れが理由としています。

元々、トランプ大統領は東アジアサミットを欠席する予定だったのですけれどもが、アメリカの存在感を低下させかねないと批判され、一転して出席すると発表していました。それが出席しないと転換。代理でティラーソン国務長官が出席するようです。

トランプ大統領の急遽の帰国。余程の事情があって戻らなければならなくなったか、出席しても意味がないと判断したか。

その真意は分かりませんけれども、トランプ大統領は「私のアジア訪問後、われわれの貿易相手国全てがルールが変わったと認識する。米国は公平かつ互恵的に扱われなければならない。大規模な貿易赤字は迅速に減らさねばならない」とツイート。中でもトレード(貿易)は大文字表記でした。

大統領はまた帰国次第、「重大発表」を行うともツイッターで表明しているのですけれども、この流れで考えれば、貿易に関することだと考えられます。

今回のASEANでの会合でアメリカを除く11ヶ国が参加するTPP11が大筋合意しました。オリジナルのTPPからは20項目を凍結したものの高水準の貿易ルールを維持。継続交渉の案件を詰めたうえで早ければ来年前半に署名し、2019年の発効をめざすようです。

このTPP11の正式名称はCPTPP、世界のGDPの12.9%、貿易額の14.9%を占める巨大なもので、合意には安倍総理のリーダーシップが相当働いたようです。

これに対し、TPP離脱を表明したトランプ大統領は10日の演説で「公正で互恵貿易の原則を守る国とは2国間の貿易協定を結ぶ。主権を放棄するような大きな協定には取り組まない」と述べ、2国間協定に軸足を移し、CPTPPに参加する11ヶ国との個別交渉に向かうようです。

先のトランプ大統領の「ルールが変わった」ツイートもこれに関連するのではないかと思いますね。

これ以外にもトランプ大統領の最近のツイートにちょっとした変化がありました。北朝鮮関連です。

12日、トランプ大統領は訪問先のベトナムで、金正恩について「私は彼のことを『チビでデブ』と言わないのに、どうして彼は私のことを『老いぼれ』と呼んで侮辱するのか……仕方ない、私は彼の友達になるように相当頑張ってみよう……いつかそれは実現するかもしれない!」と、これまでとは正反対のツイートをしています。

更に、トランプ大統領はハノイでの記者会見でも、「人生では不思議なことが起きる……もし実現したら、北朝鮮や世界にとって良いことだ」と語っています。

意味深ですね。

実は、アメリカのワシントン・ポスト紙は9日、国務省のジョセフ・ユン北朝鮮担当特別代表が、北朝鮮が核実験やミサイル発射を60日間行わないことを「米朝対話の条件」とする考えを示したと報じています。何でも、アメリカのシンクタンクが10月30日に開いた会合で「非公表」を条件に語ったようです。

北朝鮮の「核・ミサイル実験」は9月15日を最後に行われていません。それから60日後は11月14日です。

そしてトランプ大統領は帰国後「重大発表」を行うと述べました。

もしも、重大発表が北朝鮮関連であるとしたら、例えば「米朝会談」といった電撃的発表も考えられなくもありません。

興味深いのは、北朝鮮はトランプ大統領の発言を逐一チェックし、その真意を読み取ろうと苦心していることです。

北朝鮮の外交官はヨーロッパやロシア各地で、トランプ大統領についてアメリカの外交官に話を聞いているそうで、北朝鮮の高官と話した外交専門家スザンヌ・ディマジオ氏は「彼らはトランプ大統領がクレイジーなのか、そういう振りをしているだけなのかを知りたがっている……彼らはトランプ大統領のエンドゲームを本当に知りたがっている。彼らはニュースを非常に注意深くフォローしていて、CNNは毎日24時間見ているし、トランプ大統領のツイートなども読んでいる」と述べています。

また、北朝鮮のアメリカ政治担当パク・ソンイル氏は「トランプ大統領が話す時は、その意味と次に取るであろう動きを見抜かなければならない……これが非常に難しい……分別がないのか、切れ者なのか。我々には分からない」と語っています。

筆者は「煮詰まった北朝鮮」のエントリーで、トランプ大統領は、以前韓国とのFTA貿易交渉でより有利な条件を引き出すため「『大統領は本当にクレイジーだから、すぐにでも手を引くつもりだ』と言うんだ」と担当者に指示を出していることから、何をやってくるか分からない、という自分のイメージを巧みに演出して、それを持って北朝鮮に二の足を踏まさせているのではないかと述べたことがありますけれども、やはり、相当な「切れ者」ではないかと思いますね。

先に取り上げたディマジオ氏は、トランプ大統領の発言がしばしば矛盾することも、北朝鮮を混乱させ、行動の妨げになっていると述べていますけれども、やはり北朝鮮はトランプ大統領の術中に嵌っているのかもしれません。

トランプ大統領には当然、自身のツイートを北朝鮮がトレースしていることも伝わっているでしょうから、「金正恩と友達になる」発言もそれを十分に意識してのことである可能性は十分に考えられます。

トランプ大統領の「重大発表」。注目ですね。

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