昨日の続きです。


先月末発表された中韓両政府の関係改善合意がアメリカでも波紋を広げているようです。
11月1日、アメリカのニューヨーク・タイムズ紙は、韓中合意に関する記事で「公式的にはトランプ政権は雪解けを歓迎した。しかし、米政権のある高官は、この合意が問題を複雑にする可能性があることを認めた」と報じました。
また、米戦略国際問題研究所(CSIS)のマイケル・グリーン副所長ワシントンDCで行われたトランプ大統領のアジア歴訪に関するセミナーで「トランプ政権は米日だけでなく韓米日の安保協力を強化しようとしている。そのような状況で韓国政府が中国と共に発表した声明は、人々を非常に驚かせた……中国政府によると、韓国はTHAADの追加配備、韓米日3か国の軍事同盟、米国のミサイル防衛(MD)システムへの参加を否定した……韓国の発表文では曖昧になっているが、万が一これが事実なら、韓米日の協力を堅固にして中国を通して北朝鮮に圧力をかけようとしていたトランプ政権の努力を阻害するだろう」と指摘しています。
更に米外交問題評議会(CFR)のスコット・スナイダー上級研究員も1日の電話説明会で「韓国の約束のうち一部は魔日米韓3ヶ国間の安保協力への期待に相反する可能性がある……韓国側が今後、中国との合意に関連して韓米関係でどのような振る舞いを見せるのかが注目される」と述べています。
韓国に対して、思いっきりレッドチームに入ったのではないかと疑っていますね。
そして、それを裏打ちするかのような発言が韓国から飛び出しました。
3日、韓国の文在寅大統領は東南アジア歴訪を前にシンガポールメディアと行ったインタビューの中で、日米韓3ヶ国の連携について、「米国だけでなく、日本との協力も重要になってきているが、あくまでも北の核とミサイルに対応するためのもの……日本が北の核問題を理由に軍事大国化の道を歩もうとするなら、東南アジア諸国連合(ASEAN)の国々との関係においても望ましくない」と発言しました。
例の韓国と中国を交わした「約束」のうちの一つに「韓米日3カ国の協力関係は軍事同盟に発展しない」がありますから、文大統領のこのタイミングでの発言は注視されるでしょうね。
また、米韓同盟についても「北の核問題を解決する上で何よりも重要」とする一方で、「中国との協力は経済面だけでなく、北の核問題の平和的解決に向けた戦略的な意味で非常に重要だ……米国との関係を重視しながら中国との関係も一層深め、バランスの取れた外交をしていく」との意向を示していますから、こちらも、片足をレッドチームに突っ込んだと捉えられてもおかしくありません。
そのトランプ大統領は11月2日、アメリカ・FOXニュースのインタビューで、中国の習近平国家主席は北朝鮮問題で「相当素晴らしい」働きを続けており、「中国はわれわれを助けてくれている」と発言する一方で、「日本は武士の国だ。私は中国にも、それ以外に聞いている皆にも言っておく。北朝鮮とこのような事態が続くのを放置していると、日本との間で大問題を抱えることになる」と述べています。
これは捉え方によっては、日本に対して憲法改正は元より、核武装をも容認したとも受け取れる内容ともいえ、特に、名指しされた中国に対しての強力な外交メッセージです。
先の中韓合意の直後のタイミングでのこの発言は「中国が韓国を取り込んで好き勝手しようとするのなら、こちらは、日本の軍事力強化を後押して、日米連携をさらに強化し、韓国なしでも事に当たる、ということですからね。或いはトランプ大統領は韓国に見切りを付けているのかもしれません。
韓国はまたぞろ、お得意の「蝙蝠外交」をやる積りなのかもしれませんけれども、はっきりモノをいうトランプ大統領が、訪韓時にどういう対応をするのか。元々韓国を訪問する積りはなかったとされていますからね。注目が集まります。
万が一、トランプ大統領が訪韓取りやめにしようものなら、完全に三行半を突き付けることを意味すると思いますね。わざわざ敵対国を訪問する理由はありませんから。
現在訪日している、イバンカ大統領補佐官の訪韓が急遽取り止めになっていますけれども、その意味では、アメリカからの韓国に対する「縁切り」一歩手前の外交メッセージなのかもしれません。
韓国の「蝙蝠外交」は高くつくのではないかと思いますね。
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