女性起業家資金イニシアティブとミスリード

 
今日はこの話題です。

画像

 ブログランキングに参加しています。応援クリックお願いします。
画像「絶対無敵の聖剣使いが三千世界を救います」連載中!

11月3日、安倍総理は東京プリンスホテルで行われた国際女性会議WAW! にてスピーチを行いました。

WAW!とはWorld Assembly for Womenの略で、世界の様々な地域,国際機関から女性の分野で活躍するトップ・リーダーが参加し,日本及び世界における女性のエンパワーメント,女性の活躍促進のための取組について議論を行う会議です。

この会議は安倍政権の最重要課題の1つである「女性が輝く社会」を国内外で実現するための取組の一環として2014年から開催している国際会議で今回で4回目の開催になります。

この会議にはトランプ大統領に先んじて来日したイバンカ大統領補佐官も出席して注目を集めました。

安倍総理のスピーチ全文はこちらで公開されていますけれども、その中で安倍総理がイバンカ補佐官が関わった基金に日本政府が資金を供出すると述べたと報じられ、一時騒ぎになりました。

というのも、マスコミが「イバンカ基金に57億」と報じた為、安倍総理が日本政府としてイバンカ氏個人の基金に57億円を寄付すると表明したかと受け取られてしまったからです。

この基金の正式名称は「女性起業家資金イニシアティブ」といい世界銀行が管理運営する基金です。その目的は途上国の女性起業家や女性が運営する中小企業を支援するというもので、アメリカや日本、イギリス、カナダ、ドイツ、韓国など計14か国が支援を表明しており、総額3億2500万ドル以上の拠出が予定されています。

この基金は今年7月にドイツで開かれたG20サミットで立ち上げが決まり、10月の世界銀行・IMFの年次総会で設立されました。

イバンカ補佐官はこの基金の立ち上げには関わりましたけれども、立ち上がった基金そのものにはタッチせず、世界銀行のプレスリリースには「本ファシリティの構想に貢献し、女性の起業という課題を強く支持してきたイバンカ・トランプ米国大統領補佐官は、本ファシリティの運営管理または資金調達には関与しない」と記されています。

また、日本が57億円を拠出する予定であるということも、7月のサミット中に外務省から発表されています。

つまり国際社会の合意のもとに設立された世界基金であって、イバンカ氏の個人基金などではないということですね。

先の国際女性会議WAW! での安倍総理のスピーチで資金供出に触れた部分を次に引用します。
自らもビジネスを立ち上げた実業家として、また、トランプ大統領が信頼する補佐官として、イバンカさんは、本年のG20ハンブルク・サミットで、女性起業家資金イニシアティブの立ち上げを主導されました。日本は、このイニシアティブを強く支持します。そして、最大拠出国の一つとして、5000万ドルの支援を行うことを決定しました。
安倍総理は、イバンカ補佐官は基金の立ち上げに関わったと紹介していますけれども、個人基金だと受け取れるような文言はありません。やはりマスコミの勇み足というかミスリードと見做されても仕方ないですね。

このミスリードについては、例によってたちまちのうちにネットで検証され、間違いだとの声が上がっていますけれども、一度報じられてしまった以上、それに引っかかる人も当然居るでしょうね。

11月3日、社民党の福島みずほ参院議員はツイッターで「安倍総理のイバンカさんの基金に57億円拠出するという表現には違和感がある……トランプ大統領にプレゼントをしたように見えかねない。しかも個人的なプレゼントではない。みんなの血税だ」と批判していますけれども、先に紹介した通り、安倍総理は「イバンカさんの基金」とは発言していません。

マスコミのミスリードに引っかかったのか、それとも、ミスリードだと知ってわざと世論操作を狙って発言したのかはわかりません。けれども、フェイクニュースは元より、ミスリードであっても、情報の波に晒されている我々国民は、少しでも事実に近いものを求めて検証・確認し、自分で判断していく姿勢が益々大事になってくるかと思いますね。

この記事へのコメント


この記事へのトラックバック