今日はこの話題ですね。


11月6日、安倍総理はアメリカのトランプ大統領と日米首脳会談を行いました。会談後、両首脳揃っての記者会見で安倍総理は、「北朝鮮をはじめ緊迫する地域情勢にあって、今回のトランプ大統領の初めてのアジア歴訪は歴史的な訪問だ。その最初の地が日本であり、2人で日米同盟の揺るぎない絆を世界に向かって示すことができた……十分な時間をかけて北朝鮮の最新の情勢を分析し、今後とるべき方策で完全に見解の一致をみた。『すべての選択肢がテーブルの上にある』というトランプ大統領の立場を一貫して支持する。改めて、日米が100%、ともにあることを力強く確認した……北朝鮮の政策を変えさせるため、日米が主導し、国際社会と緊密に連携して、あらゆる手段を通じて北朝鮮に対する圧力を最大限まで高めていくことで完全に一致した」と述べ、7日に、北朝鮮の35団体・個人の資産凍結を政府として決定することを明らかにしました。
更に安倍総理は日米の貿易について、両国の経済対話の枠組みでさらに対話を深化させ、貿易・投資の活性化に向けた議論を重ねることで一致したとし、「トランプ大統領とともに、2国間の貿易だけでなく、アジア太平洋地域に広がる、貿易・投資における高い基準のルール作りを主導していく」と述べました。
当初言われていたとおり、やはり北朝鮮問題と日米貿易が主たる議題だったようですね。
対するトランプ大統領の会見内容もこちらで報じられていますけれども、「実りの多い訪問」だとしています。
また、トランプ大統領は日米間の貿易について「アメリカと日本は公正で自由な貿易関係を築く。平等で信頼できる市場へのアクセスを確保し、貿易赤字を解消する。この目的に向け話し合い、大きな進展があった」と述べましたけれども、トランプ大統領は前日6日の午前、駐日米大使公邸で開かれた日米財界人との会合で「日本市場は公平でなく、開かれていない……アメリカは長年にわたって日本に対する貿易赤字に苦しんできた」と、日本との貿易不均衡をあらためて問題視する発言をしていました。
これは日米首脳会談を翌日に控えた牽制球だったかもしれませんけれども、首脳会談後の会見でトランプ大統領はアメリカの貿易赤字を解消する「大きな進展があった」としていますから、何某かの取決めが交わされたのかもしれません。
安倍総理は経済対話の枠組みを深化させ、貿易・投資の活性化に向けた議論を重ねると述べていますから、市場開放や規制撤廃に絡んだものかもしれません。その一方で、安倍総理は「2国間の貿易だけでなく、アジア太平洋地域に広がる、貿易・投資における高い基準のルール作りを主導していく」と思いっきりTPPを意識したかのようなコメントをしていますから、TPPについても話し合われたと思いますね。
更に、防衛について、トランプ大統領は「日本は最新鋭のステルス戦闘機F35など、アメリカの兵器を大量に買う。これは日本の安全のためだ」と述べており、安倍総理も「アジア太平洋地域の安全保障環境が厳しくなる中で、日本の防衛力を質的に、また量的に拡充していかなければならない。F35もそうだし、新型の迎撃ミサイル『SM3ブロック2A』もアメリカからさらに購入していくことになるだろう」と応えています。
国防強化は今の日本にとって重要なイシューですから、これは当然の対応ですね。
あと、気になったのは、拉致問題についてトランプ大統領が「拉致被害者を返せば、それは、何か特別な始まりになるだろう」と述べたことです。明らかに北朝鮮に対するメッセージですけれども、水面下で行われているであろう、北朝鮮との交渉のカードとして出したような雰囲気を感じます。
果たして「特別な始まり」とは何なのか。今後の進展を見守りたいと思いますね。
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