ティラーソン国務長官の無条件対話発言について

 
今日はこの話題です。

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12月6日、国連のフェルトマン事務次長は北朝鮮を訪問し、平壌で朴明国外務次官と会談しました。会談には国連開発計画の北朝鮮常駐代表らが同席しました。

会談内容については12日にフェルトマン事務次長が、ニューヨークの国連本部で記者団に答えています。

フェルトマン事務次長は、北朝鮮側に、国連安全保障理事会の決議を履行する必要性を強調するとともに、外交的、平和的解決の重要性を訴えたと説明し、「私の訪朝は始まりにすぎず、対話を続けていくべきだとの見解で一致した……扉は少し開いている」とも述べました。

更に北朝鮮側に「異なった方向に向かうという意思を示すことが必要」と核・ミサイル開発の方針転換を促したものの、北朝鮮からは「何の約束事も提示されなかった」と明かしています。

「扉は少し開いている」とはまた微妙な表現ですけれども、対話の目を残しているということですね。

フェルトマン事務次長から北朝鮮の反応は無論、アメリカにも伝えられているでしょう。

同じく12日、ティラーソン国務長官がワシントンでの講演で、北朝鮮との対話について「前提条件なしで北朝鮮との最初の会議を開く用意がある」と述べ、北朝鮮が非核化の意思を示すことを対話の前提とした従来の主張を「非現実的だ」とし、トランプ大統領も現実的な判断をしていると強調しています。

ティラーソン国務長官は北朝鮮との対話について「天気の話でもいい」と述べていますけれども、これは、フェルトマン事務次長の「私の訪朝は始まりにすぎず、対話を続けていくべきだとの見解で一致した」とのコメントと符合しています。

まずは前提条件なしで対話の糸口を掴もうということです。

ティラーソン国務長官は「協議中に装置を実験すれば協議は厳しくなる。静かな期間が必要だ」とも述べていますから、永遠に協議を続ける積りはないのでしょう。問題はその"静かな期間"をどれくらいに設定しているかということです。

ティラーソン国務長官は、アメリカとして、あらゆる事態を想定して軍事的な選択肢を準備しているとしながら、中国が北朝鮮の体制崩壊で国境を越えて流入する難民に対処する準備をしていると指摘しました。

これは、中国当局が朝鮮との国境に面した吉林省長白朝鮮族自治県に、難民収容施設の建設を計画中であると、アメリカの自由アジア放送(RFA)や台湾の中央通信社が報じた事を受けてのものだと思われます。

なんでも、中国のSNS上で、中国移動通信吉林省白山支社から流出した内部文書がアップされたことで発覚したようです。

内部文書には「北朝鮮国境情勢の緊張で長白県党委員会と現政権が長白県の5カ所に難民収容所を設置することを立案した」、「長白支社は収容所通信保障作業の責任を負った」、「円滑な通信を保障するため、今月2日に長白支社代表がチームを率いて収容所の場所に対する通信測量作業を行った」と記され、「信号測定の結果、長白沿江収容所、長白十八道溝収容所は信号が届かず正常な通信保障方法がない。長白鶏冠リツ子収容所は信号が比較的弱かった」などと具体的な北朝鮮難民収容所の位置も明らかにしているようです。

長白県は人口が10万に満たない山間の小都市なのですけれども、鴨緑江を挟んで北朝鮮の貿易都市の一つである恵山と向かい合っていて、脱北や密輸のための越境地点となっています。更に、県内の国境線の長さは260キロに達し、有事の際には北朝鮮から多くの難民が流入することが懸念されている地域です。

難民収容所がどれくらいのレベルの建物か分かりませんけれども、一日、二日で出来るものではないでしょう。年単位ではないにしても完成までは2,3ヶ月は掛かると見るのが妥当でしょうね。

また、ティラーソン国務長官は、南北軍事境界線を越えて米軍が北朝鮮に入る場合があっても韓国に戻すと中国に約束していることも明らかにしています。

これらは、明らかに北朝鮮有事、米朝開戦を想定した動きです。もしかしたら中国は米軍による北朝鮮攻撃は止められないと諦め、攻撃を黙認する代わりに、難民対策の時間確保と、終戦後に米軍が北朝鮮に居座ることのないようにと、条件闘争を行ったと見るべきなのかもしれません。

今月8日にトランプ大統領が北京入りして習近平主席と会談を行っていますけれども、その時にその線で妥結したとすれば、米軍の北朝鮮攻撃のデッドラインは、北朝鮮のICBMが完成すると見込まれる迄、中朝国境の難民収容所が完成する迄。在韓アメリカ人、在韓邦人が母国に引き揚げる迄。等々の条件を加味すると、来年の平昌オリンピック、パラリンピック終了後の3月後半から4月辺りではないかと思いますね。

逆にいえば、それまでが対話の最後のチャンスであるともいえ、ティラーソン国務長官の条件なしで対話に応じるとの発言にも繋がってくるようにも思えます。

その意味では、ティラーソン国務長官の無条件対話発言は、北朝鮮に対する妥協というより、寧ろ最後通牒の意味合いの方が強いのではないかと思いますね。

この記事へのコメント

  • 核の冬

    ロケット豪雨ミサイル台風を経て新型ICBM寒波
    原子力ロケットの水爆実験は失敗ながら
    原子炉本体は落下後も機能中で西高東低
    雪雲の種‥
    2017年12月14日 23:28

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