ティラーソンは暴走しているのか
昨日の続きです。
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ティラーソン国務長官が北朝鮮に前提条件なしの対話を呼び掛けたことは、内外に波紋を呼んでいます。
ロシアのペスコフ・クレムリン宮報道官は、ティラーソン長官の発言に対して「我々が今まで聞いてきた対決的修辞よりはるかに感動的であり歓迎するべき表現……対決的修辞と韓半島のさらなる緊張を高める可能性があるいかなる歩みも絶対的に非建設的であるというロシア側の立場と一脈相通ずるもの」と評価。
そして「プーチン大統領もすべての利害当事国が対話のルートをつくるために可能なすべてのことをするように繰り返し促してきた……そのため、そのような発言は当然満足感を呼び起こす」と付け加えました。
更に、ロシアのセルゲイ・リャブコフ外務次官も「最近、アメリカの高位要人の発言後、米朝間直接対話の可能性が実現することを期待している……北朝鮮はアメリカとの対話に応じる準備ができている」と強調し、「韓半島の情勢に関するロシアとアメリカ間接触も様々ななルートを通じて続いている」と述べました。
また、中国外務省の陸慷報道局長も同じく13日の記者会見で、「情勢の緩和に役立ち、対話による問題解決を推し進める努力を歓迎する。米朝双方が向き合い、対話と接触の方面で有意義な一歩を踏み出すことを望む」とコメントしています。
このようにロシアと中国はティラーソン発言を歓迎しています。
一方、日本は困惑していると報じられています。共同通信は、外務省のある幹部がティラーソン長官の発言は「日米両国政府の方針とは明らかに違う。アメリカ政権内で何があったのか」と述べたと伝えていますけれども、アメリカ国務省からもティラーソン長官の発言は直ぐさま否定されました。
12月13日、アメリカ国務省のナウアート報道官は記者会見で、ティラーソン国務長官が北朝鮮に前提条件なしの対話を呼び掛けたことについて「ティラーソン長官は新たな北朝鮮政策を打ち出したわけではない。私たちの政策はこれまで続けてきたものと全く変わりがない」と政策転換ではないとの見方を示しました。
また、同じく13日、ホワイトハウスの高官は、NNNの取材に対し、「北朝鮮が態度を改めるまで交渉は待たなければならない」とティラーソン長官の発言を否定しました。
これを受け、13日、菅官房長官は日米首脳間の考え方は百パーセント一致している。先ほど、ホワイトハウスも大統領の北朝鮮に関する考えに変更はないと発表した……アメリカと緊密に連携しながら、北朝鮮に政策を変えさせるために、あらゆる手段を通じて圧力を最大限まで高める政策に変わりはない」と従来の姿勢を強調しています。
ティラーソン国務長官は11月29日に北朝鮮がミサイルを発射した後、日本、韓国などを交えて、国連軍派遣国会合を開催すると声明で発表。カナダを通じて12月中の開催を持ちかけてきたことがあります。
国連軍は朝鮮戦争の際に編成されたもので、米英韓を主力としますけれども、それ以外にもタイ、カナダ、トルコ、オーストラリア、フィリピン、ニュージーランド、エチオピア、ギリシア、フランス、コロンビア、ベルギー、南アフリカ、オランダ、ルクセンブルクの計17ヶ国で構成されています。
よって、ティラーソン国務長官が打診した、国連軍派遣国会合はこれら国々に日本を加えて行うものであったと思われます。
けれども、国連軍派遣国会合といえば聞こえはいいですけれども、北朝鮮の脅威に直接晒されていない国々も含まれていますから、仮にこれらの国々でいざ北朝鮮を攻撃するかと議題にしたところで、拒否される公算が高いでしょうね。
この提案について、日本側は難色を示し、今月の開催は流れたのですけれども、ある外務省幹部は、会合の趣旨が明確でないとして「日本がやろうとしていることと大きく違うのであれば有害無益だ」と話し、河野外相も「国連軍派遣国は北朝鮮と距離的にも地理的にも遠い国も含まれるので、もう少し参加国をしぼるべきではないかと伝えた」と拒否した理由を明らかにしています。
見方によっては、ティラーソン国務長官の独走あるいは暴走だと言えなくもありません。
ただ、昨日のエントリーでも述べた通り、筆者は、ティラーソン国務長官の前提条件なしの対話発言は、トランプ大統領も了承済みの最後通牒ではないかと見ています。本当に暴走しているのなら、国連軍派遣国会合の件と合わせて更迭されてもおかしくありませんから。
ですから、しばらくは様子をみたいと思いますね。
この記事へのコメント
kazusa
地球の裏側まで自衛隊を派遣しなければ地球の裏側の国は日本を助けてくれない、集団的自衛権の核心ですね。